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生理前に微熱が出るのはナゼ?だるいPMSの症状を改善する方法

生理前になると「なんとなく身体がだるい」「微熱が出て辛い」といった症状を感じる女性は多いのではないでしょうか。

そのほか「すぐにイライラしてしまう」「ちょっとしたことで落ち込んでしまう」など、精神的な不調を感じる方もいらっしゃるかと思います。

こういった生理前の身体的・精神的な諸症状は、PMSかもしれません。

今回は、PMSのさまざまな症状のなかでも「微熱」に注目してみました。

微熱の症状を中心に、PMSの概要や対策について解説します。PMSのセルフチェックもぜひご活用ください。

PMS(月経前症候群)とは

PMS(月経前症候群)とは、月経が始まる3〜10日前の期間に感じる、身体的または精神的、あるいはその両方の症状を指します。

通常、生理が始まると症状が軽くなるか消える症状のことです。

生理前に微熱などのだるい症状が生じる原因については、不明瞭な部分が多いとされています。

ただ、排卵後に訪れる黄体期に分泌されるエストロゲンとプロゲステロンの急激な変動を起因とする説もあるようです。

PMSのだるい症状

生理前に感じやすいだるい症状の代表的なものは、以下のとおりです。

身体的な症状

・微熱
・腹痛
・便秘
・頭痛
・腰痛
・吐き気
・むくみ
・乳房の張り など

精神的な症状

・情緒不安定
・イライラ
・落ち込み
・不安
・睡眠障害 など

自律神経的な症状

・めまい
・のぼせ
・過食
・食欲不振
・倦怠感 など

生理前に微熱が出る理由

生理前に微熱が出る理由

PMSのなかでも、「微熱を感じて身体がだるい」「体がのぼせたような、ほてったような感じがする」という女性は多いようです。

ご本人の平熱にもよりますが、微熱というと大体37度前後を指します。

生理前に37度前後の微熱が出る理由は、生理前は黄体期と呼ばれる時期に入るためです。

黄体期とは排卵終了から月経開始までの期間のことですが、この時期はプロゲステロンが分泌されており、そのはたらきにより微熱が出やすくなります。基礎体温については、高温期に入ります。

黄体期が過ぎて生理になると、徐々に体温は平熱に戻っていきます。

生理がきても微熱が下がらない原因

通常、生理が始まると微熱は下がりますが、熱が続くケースもあります。その理由としては、以下が考えられます。

妊娠している

生理が来たのに微熱が続いてだるい症状が続く場合、妊娠している可能性があります。妊娠すると高温期が続くことになるため、体温が下がらなくなるのです。

その場合、経血ではなく着床出血だったのかもしれません。

通常よりも生理の出血量が少なく終わった場合や、1週間経過しても微熱が続く場合には、妊娠検査薬を試してみることをおすすめします。

ホルモン剤を服用しているため

不妊治療などでホルモン剤を服用している方の場合、生理になっても微熱が下がらないことがあります。ホルモン剤には、黄体ホルモンを補充する働きがあるためです。

身体に異常が生じている

子宮内膜症などの病状が生じていると、身体が慢性的に炎症している状態なので高温期が続きます。このようなことから、微熱が続くケースもあります。

また、女性ホルモンのバランスが変動し、生理で自律神経が乱れることで体温調整がうまくいかないことも考えられます。

このように体温がなかなか下がらない場合、身体に異常があることも考えられるため、気になるときは早めに婦人科を受診しましょう。

風邪をひいている

生理中でも微熱が続く場合、風邪をひいたりウイルスに感染したりしている可能性もあります。

微熱以外にも、身体がだるい、咳や鼻水などがあるといったときには、その可能性を考えましょう。

生理前には何をすればいい?PMSのセルフケア

生理前には何をすればいい?PMSのセルフケア

微熱などのだるい症状がある生理前。症状が重い場合には婦人科の受診をしたほうがよいと思われますが、以下のようなセルフケアも有効だとされています。

①基礎体温を測る
②ゆっくり過ごす
③ホルモンバランスを整える
④食事の内容を見直す
⑤薬を服用する

①基礎体温を測る

基礎体温を毎日測ることで、体温が上がる高温期をはじめ、生理周期、妊娠しやすい時期などがわかります。

体温だけでなく、生理前後の症状日記をつけることもおすすめです。

PMS症状と向き合って対策するためにも、自身のリズムを知っておくことが大切です。

②ゆっくり過ごす

生理中だけでなく、生理前からゆっくりと過ごすことが重要です。

意識して十分な休息をとれるようにしましょう。休息や良質な睡眠をとることで、ホルモンバランスが整いやすくなります。

③ホルモンバランスを整える

PMSや生理不順につながる要因として、ホルモンバランスの乱れが挙げられます。

上述したように、十分な休息や良質な睡眠のほか、ストレス解消方法を探しておくことも大切です。

自分がリラックスできること、心から楽しめることなどを見つけておくとよいでしょう。

④食事の内容を見直す

食事の内容を意識することで、生理前のだるい症状が改善されることもあります。

生理前に食べるとよいものとしては、身体を温める食べ物やイソフラボンを多く含む食べ物、むくみをやわらげる食べ物、貧血を予防する食べ物が挙げられます。

逆にカフェインやスイーツ、インスタント食品など、避けたほうがよい食べ物もあります。

また、栄養バランスの整った食生活を意識することも大切です。楽しくおいしい食事をすることは、ストレス発散にもつながります。

⑤薬を服用する

ここまで紹介してきた方法があまり効果を発揮しない場合には、薬を服用する方法もあります。

鎮痛剤、低用量ピル、漢方の選択肢が挙げられます。鎮痛剤や漢方は市販の薬も多いのですが、できれば婦人科を受診してから自分の身体や症状に適したものを選択することがおすすめです。

【セルフチェック】生理前のだるい症状。これってPMS?

生理前に以下の症状が3つ以上あてはまる場合、PMSの症状が出ているのかもしれません。自分がどういった症状を感じているのか再確認して対策するためにも、セルフチェックをご活用ください。

□特に理由もなく悲しくなり、涙が出ることがある
□イライラしたり、怒りっぽくなったりする
□落ち込み感や絶望感が強くなり、自分を否定したくなる
□不安感や緊張感が続く
□これまで楽しかったことに興味が持てなくなる
□集中力が低下しやすい
□無気力な感じがする
□疲れを感じやすくなる
□食べ過ぎたり飲みすぎたりする
□睡眠時間がいつもより長くなる、もしくは短くなる
□自分がコントロールできない感覚がある
□頭痛、関節痛、微熱、筋肉痛のいずれかがある
□身体がむくみやすい
□お腹が張っている

生理前のだるい微熱はPMSの症状かも

「生理前のだるい微熱がしんどい」そんな悩みをお持ちの方は、PMSなのかもしれません。

生理前に辛さを感じるときは、今回紹介したようなセルフケアを試してみてください。

まずは基礎体温を測ったり症状を記録したりするなど、自分の身体について知ることも大切です。

薬を服用して症状の緩和を図る方法もありますが、そのような場合には婦人科を受診されることをおすすめします。

PMSの症状が重いと日常生活に支障をきたすこともあるので、医師に相談しながらきちんと対策すると安心です。

生理痛をやわらげるには食事も大切!生理中に食べてはいけないものは?

生理中の女性の多くは、何かしらの生理痛に悩まされているかと思います。

「生理痛」というとただの一時的な症状のように思われがちですが、「月経困難症」とも呼ばれる立派な病気のひとつです。

場合によっては病院での受診が必要ですが、生理中の食生活を工夫するだけで症状が軽減されることもあります。

そこで今回は、生理中に避けたほうがよいもの、食べたほうがよいものについて紹介します。

生理痛(月経困難症)とは

生理中、月経に伴って生じる諸症状のことを「生理痛(月経困難症)」といいます。生理痛の主な症状は、以下のとおりです。

・下腹部痛、腰痛、下痢
・吐き気
・頭痛
・疲労感、脱力感
・貧血
・肌荒れ
・むくみ
・食欲不振
・イライラ、憂うつ など

このように、生理痛による症状は多岐にわたります。人によって症状の重さも異なり、複数の症状に悩まされる方も少なくありません。

ただしどのような症状の場合でも、市販薬で治まらないときや、日常生活に支障をきたすような症状があるときは、婦人科で受診することをおすすめします。

生理中に食べてはいけないものとは

生理中に食べてはいけないものとは

ここでは、生理中に避けたほうがよいものを紹介します。食べるのを避けたほうがよい食べ物を摂取することで、先に挙げた生理中の症状が悪化することがあります。

「辛い生理中くらい好きなものを食べたい」「好きなものをたくさん食べて生理中のストレスを解消したい」そう思う女性も多いかと思いますが、症状をやわらげるためにも、少し食生活を見直してみませんか?

▼生理中に避けたほうがよいもの

・コーヒー
・スイーツ
・冷たいもの
・インスタント食品
・肉
・アルコール

①コーヒー

生理中に避けたほうがよいものとして、カフェインが挙げられます。

カフェインには血管を収縮させる働きがあります。血管が収縮し血流が悪くなることで、身体の冷えにつながります。

すると、生理中の症状がさらに重くなるというわけです。

カフェインが含まれるものには、コーヒーのほか、エナジードリンクやお茶、紅茶などもあります。適量なら問題ありませんが、過剰摂取とならないようにしましょう。

②スイーツ

チョコやケーキなどの甘い食べ物も、避けたほうがよいもののひとつです。

糖分が多いものを食べると血糖値が急上昇した後、それを下げようとして急降下します。血糖値が下がりすぎることで、空腹になったり身体が冷えたりします。

また、スイーツなどの甘いものは食べることで一時的にはストレスが軽減されますが、糖分を摂取しすぎると逆にイライラしやすくなるため注意が必要です。

③冷たいもの

生理中に避けたほうがよいものとして、「冷たいもの」も挙げられます。

例えば、冷えた飲み物やアイスなどです。生理中はとにかく身体を冷やさないことが大切です。これを意識するだけで症状の緩和を実感する人も少なくありません。

お茶や水などを飲むときは、常温で飲むようにしましょう。

④インスタント食品

手軽でおいしいインスタント食品ですが、生理中には避けたほうがよい食べ物です。

なぜなら、インスタント食品には塩分が多く含まれており、むくみの原因となるからです。また、添加物が血流を悪くすることからも、避けたほうがよいものといえます。

⑤肉

生理痛が重いときには、脂肪分の多い肉は避けたほうがよいとされています。肉の脂肪はプロスタグランジン(生理活性脂質)の分泌を増やすためです。

ただ生理中に絶対肉を食べてはいけないということではなく、レバーや赤身の肉などを選ぶようにするとよいでしょう。

⑥アルコール

アルコールを摂取することでストレス解消できるという方も多いですが、生理中には避けたほうがよいでしょう。

アルコールは血流をよくする効果があるため、経血量を増やしてしまいます。すると生理痛が辛くなったり、貧血になったりすることがあります。

生理中に食べたほうがよいものとは

生理中に食べたほうがよいものとは

生理中には食べたほうがよいものもあります。食べることですぐに症状が治まるというわけではありませんが、生理痛の軽減に効果が期待できます。

生理中には意識して以下のようなものを取り入れましょう。

▼生理中に食べたほうがよいもの

・身体を温める食べ物
・イソフラボンを多く含む食べ物
・むくみをやわらげる食べ物
・貧血を予防する食べ物

①身体を温める食べ物

生理中は、身体を冷やさないこと、そして身体を温めることが大切です。食べ物でも身体を温めることが可能です。

効果的なものとしては、温かいお茶やみそ汁、スープなどが挙げられます。

また、生姜もおすすめです。生姜のチューブを常備しておくと、手軽に食事に取り入れられます。

②イソフラボンを多く含む食べ物

イソフラボンは、女性ホルモンのひとつであるエストロゲンのような働きをするため、ホルモンバランスを整える効果が期待できます。

とくに生理中にはホルモンバランスの乱れが大きく関わるため、イソフラボンの摂取で整えることが大切です。

イソフラボンを多く含む食べ物には、豆腐や納豆、きなこ、味噌、豆乳などの大豆製品があります。大豆を原料とするソイプロテインもおすすめです。

③むくみをやわらげる食べ物

むくみをやわらげる食べ物も、生理中にはおすすめです。むくみ解消にはカリウムを含む食材が効果的とされます。

もともとカリウムは汗や尿で失われやすいため、積極的にとるようにしましょう。

カリウムは、じゃがいもやかぼちゃ、きゅうり、トマト、バナナ、リンゴなどの野菜や果物に含まれています。

また、海藻類やきのこ類、小豆などにも多く含まれます。

④貧血を予防する食べ物

生理中に貧血で悩まされている女性も多いのではないでしょうか。貧血を予防するには、鉄分をしっかり摂取することが重要です。

そのためには、牛肉やレバー、ほうれん草、プルーンなどを食べるとよいでしょう。これらには、鉄分が多く含まれます。

生理痛をやわらげるための過ごし方

生理中は、食事に配慮するだけでなくどう過ごすかも大切です。

まず、心身ともに無理せずゆっくりと過ごすことが必要です。激しい運動や大きなストレスを感じるような環境は避けましょう。

生理中に無理をすると生理痛の症状が重くなるケースもあります。

また、身体を温めることも重要です。身体を温める食べ物を摂取するほか、薄着をしないようにしたり、カイロで身体を温めたりするとよいでしょう。

生理中は入浴を避けるといった方も多いようですが、貧血などの症状がなく、清潔なお湯であれば湯船につかることも問題ありません。

生理中に食べてはいけないものを意識して快適に過ごしましょう

今回は、生理中に避けたほうがよいもの、食べたほうがよいものを紹介しました。

生理痛(月経困難症)には、腹痛や吐き気、頭痛、むくみなどさまざまな症状があります。

少しでも症状を軽減させるためには、今回紹介したような、避けたほうがよいもの・食べたほうがよいものを意識した食生活を心がけることがおすすめです。

また、食事だけでなく生理中の生活スタイルの見直しが必要です。

食べ物や生活習慣を改善しても症状が改善しないときや、症状が辛くて日常生活に支障をきたすようなときには、婦人科の受診も検討してみましょう。

メンタル回復したいときにおすすめの食べ物は?摂取したい栄養素7選!

「最近落ち込み気味…」「なんとなく気持ちがふさぎ込んでしまう…」

ストレス社会といわれる現代、ほとんどの方が何かしらのストレスを抱えながら生活しているかと思います。

そのような中、メンタル回復のためにとおいしい食事を求めている方も多いのではないでしょうか。

実際、ストレスと食べ物との関係は注目されることも多く、栄養と心には密接な関係があるという研究結果も数多く発表されています。

そこで今回は、メンタル回復に効果的といわれる栄養素7選とともに、おすすめの食べ物を紹介したいと思います。身体も心もお疲れ気味という方は、ぜひ参考にしてください。

食べ物でメンタル回復することはある?

特定の栄養素や食べ物を摂取することで、メンタル回復の効果が期待できることはあるとされています。

また、食生活の乱れがストレスの原因となっていることも多く、食生活の改善によってメンタル回復につながるケースもあると考えられます。

食べ物によって直接的にストレスの原因を解決できるわけではありませんが、食事を楽しむことや、バランスのよい食事で体の健康を維持することで、ストレス状態の緩和が十分期待できます。

食事の内容も重要ですが、食事するときの環境も重要です。リラックスしながら、おいしく楽しい食事の時間を確保することが理想的です。

メンタル回復に有効といわれる栄養素7選

こんな食べ物がおすすめ!メンタル回復に有効といわれる栄養素7選

ここでは、メンタル回復に効果が期待できる栄養素ごとにおすすめの食べ物を紹介します。

①トリプトファン

トリプトファンには、ストレス軽減の効果が期待できるといわれます。

トリプトファンによって生産されるセロトニンは通称”幸せホルモン”といわれることもあり、精神を安定させるということです。

セロトニンの量を増やすため、トリプトファンを多く含む食べ物がおすすめです。

なお、トリプトファンは体内では生成されないため、食事からの摂取が欠かせません。

▼トリプトファンが含まれる食べ物

・バナナ
・ごま
大豆製品
乳製品
玄米
ナッツ類 など

②ポリフェノール

ポリフェノールには強い抗酸化作用があり、アンチエイジングに効果があるともいわれる栄養素の一つです。

ポリフェノールを含む食べ物にはいろいろな種類がありますが、なかでもチョコレートやカカオなどには、高いリラックス効果が期待できるといわれます。自律神経の安定にも効果的だということです。

▼ポリフェノールが含まれる食べ物

・チョコレート
ココア
赤ワイン
ブルーベリー
紅茶 など

③GABA(ギャバ)

GABAは天然アミノ酸の一つで、肉体的・精神的疲労の軽減に効果が期待できるとされています。ストレス解消効果があり、メンタル回復に有効だと考えられます。

▼GABAが含まれる食べ物

・発芽玄米
お茶
キムチ
トマト

大豆
じゃがいも
かぼちゃ など

ただし、食べ物から摂取できるGABAの量はわずかだということなので、GABAを含むサプリや機能性表示食品によって補うこともおすすめです。

④カルシウム

よくいわれることでもありますが、カルシウムが不足するとイライラの原因となり得ます。

カルシウムには興奮が抑えられる作用があるとされているため、意識的に摂取することでストレスを感じにくくなると期待できます。

▼カルシウムが含まれる食べ物

・小魚
・エビ
納豆
牛乳
チーズ など

カルシウムは、ビタミンDとともに摂取すると、体内に吸収されやすくなるということです。

⑤ビタミンB群

ビタミンB群は、ホルモン生成を補助し、コルチゾールが分泌されるときに副腎の働きを助ける働きがあります。

副腎皮質ホルモンは、ストレスに対抗するホルモンであり、コレステロールからつくられるものですが、その生成を促す栄養素の一つがビタミンB群です。

ビタミンB群が不足すると、疲労やたまりやすく精神が不安定になりやすいため、積極的に食事に取り入れることをおすすめします。

▼ビタミンB群が含まれる食べ物

・豚肉
レバー
にんにく
落花生
たらこ
干ししいたけ など
紅茶 など

⑥ビタミンC

ビタミンB群と同じく、ビタミンCは副腎の働きを助ける働きがあります。

ストレスを感じるとビタミンCはどんどん消費されるということなので、日頃の食事で意識的に摂取するとよいでしょう。

▼ビタミンCが含まれる食べ物

・ピーマン(赤・黄)
ブロッコリー
ケール
モロヘイヤ
かぼちゃ
じゃがいも など

⑦ビタミンE

ビタミンEもまた、ストレスがたまると消費されやすい栄養素です。不足しないように心がけておきたいところです。

ビタミンEには、抗ストレスホルモンであるコルチゾールを生成する働きがあります。

▼ビタミンEが含まれる食べ物

・アーモンド
うなぎ
アボカド
イワシ など

メンタル回復におすすめの飲み物

忙しいときは飲み物を効果的に取り入れることで、メンタル回復を目指しましょう。

疲労やストレスを感じたときには、次のような飲み物がおすすめです。

・プロテイン
・スムージー
・ミルクココア
・飲むヨーグルト

プロテインからは、タンパク質に含まれるトリプトファンが摂取できます。また、

プロテインにはビタミンB群やビタミンCなどが含まれている製品が多いことも特徴です。

スムージーは、多くの野菜や果物が含まれていることから、メンタル回復に必要な栄養素を効率よく摂取できると考えられます。

食べ物で気づく心のSOSサインとは?

食べ物で気づく心のSOSサインとは?

「食べ物がおいしくない」「食事が楽しくない」と感じたときは、ストレスがたまっていたり、メンタルが沈んでいたりするサインかもしれません。

また、症状が深刻な場合、心因性の味覚障害に陥っている可能性も考えられます。

味を感じにくい、逆にいつもより味覚を強く感じるといった場合には、早めに病院を受診することをおすすめします。

心の健康のために気をつけたい食生活

メンタル回復には、食べ物の選び方が重要です。

脂っこい食べ物やジャンクフードなどの食べ過ぎによって栄養が偏ると、ホルモンバランスが崩れて自律神経が乱れやすくなります。

また、甘いスイーツはストレス軽減に役立つこともあるのですが、食べすぎないよう注意が必要です。

好きな食べ物をおいしく楽しく食べることはとても大切です。それだけでメンタル回復を実感することもあるかと思います。

ただし、体と心がつながっていることを忘れずに、栄養バランスの整った食事を規則正しく摂ることが重要です。

食べ物以外でメンタル回復するには?

メンタル回復には、食べ物以外にも次のようなことに気をつける必要があります。

・十分な睡眠時間を確保する
・軽い運動をする
・リラックスできる時間をつくる

睡眠不足になると、ホルモンバランスや自律神経が乱れやすくなります。睡眠時間を確保するとともに、良質な睡眠をとるよう心がけましょう。

また、軽い運動を習慣化することで、ストレス耐性がつきやすくなるという研究結果もあります。

身体の健康が心の健康につながるとはよくいわれることなので、軽いウォーキングやストレッチなどから始めてはいかがでしょうか。

趣味の時間や何もしない時間をとることも、ストレス軽減に大きく貢献します。

おいしい食べ物でメンタル回復

今回は、メンタル回復に効果があるとされる栄養素、おすすめの食べ物を紹介しました。

ここまでまとめてきたように、食べ物の栄養を考えながらバランスの取れた食生活を意識することはとても大切です。

ただし、おいしいものを楽しく、リラックスしながら食べることが何よりも重要です。

「栄養豊富な食べ物を食べないとダメだ」「バランスのよい食生活でなければならない」とこだわりすぎるのではなく、たまには外食する時間を満喫したり、お弁当を買って手軽においしく食事の時間を楽しんだりするとよいでしょう。

生理前の情緒不安定は改善できる!?月経前症候群(PMS)の対策方法とは?

生理前になると気分が落ち込んだり、イライラしたり…。

感情がコントロールできず、情緒不安定になるのは、女性の体の仕組みのせいなのです。

月経前症候群(PMS)と呼ばれる生理前の不調に悩む女性は多く、生理前になると何らかのPMS症状を抱えている女性の割合は日本の生殖年齢の女性の7~8割程度だと言われています。

この記事では、PMSの原因や対策方法などについて解説します!

生理前になると情緒不安定になるのはなぜ?

生理前の不調には月経前症候群(PMS)が関係している可能性があります。

月経前症候群(PMS)とは、「生理前3~10日の間続く、精神的あるいは身体的症状で、生理開始とともに軽快もしくは消失するもの(日本産婦人科学会)」をいいます。

発症の原因ははっきりとは分かっていませんが、女性ホルモンが関わっていると考えられています。

女性ホルモンにはエストロゲンとプロゲステロンの2つがあり、どちらも卵巣で作られていますが、異なる働きをしています。

エストロゲンは排卵前に多く分泌される性ホルモンです。女性らしい丸みのある体をつくったり、妊娠に備える体をつくったりするほか、骨や関節、血管、皮膚などを健康に保つ作用や自律神経の働きを安定させる作用があります。

プロゲステロンは排卵後に出る性ホルモンです。妊娠を助ける、継続させる作用があり、体内に水分を蓄えたり乳腺を刺激して発達を促したりします。

生理前に体がむくみやすく、乳房に痛みを感じる場合があるのはこの作用によります。

女性の体はこの2つの性ホルモンの影響を受けながら、毎月一定のリズムで排卵を繰り返しています。

妊娠が成立しなければ、エストロゲンとプロゲステロンは排卵から約7~10日後に減少していきます。

この性ホルモンの分泌量が大きく変化するタイミングでPMSが起こるのです。

PMSの症状には個人差があり、同じ人でも月によって違うこともあります。

月経前症候群(PMS)の代表的な症状

<身体的症状>
・胸の張り、痛み  ・倦怠感
・肌荒れ      ・頭痛
・腰痛       ・下腹部の張り
・むくみ      ・眠気、不眠
・食欲不振、過食

<精神的症状>
・情緒不安定    ・イライラ
・落ち着かない   ・抑うつ
・集中力の低下

月経前不快気分障害(PMDD)

生理前の心の不安定さが際立って強く出る場合は「月経前不快気分障害(PMDD) 」と診断されます。

月経前不快気分障害(PMDD) の場合は月経前症候群(PMS)よりも抑うつ気分、不安・緊張、情緒不安定、イライラなどの症状が日常生活に支障をきたす程特に重いのが特徴です。

PMDDの原因もPMS同様に未だにはっきりとは分かっていません。しかし、PMSの患者とPMDDの患者とでは排卵後の女性ホルモンの濃度の差がみられず、外的なストレスやストレスとなる様々なライフイベントが関連していることが報告されています。

また、産後うつ病や双極性障害などの精神疾患を経験したことがある人は、そうでない人に比べてPMDDを発症しやすいといった報告もあります。

<PMDDの診断基準(DSM-5)>

月経前不快気分障害(PMDD)の診断基準は、2013年にアメリカの精神医学会により決められています。

①~⑦の項目に該当かつ、②と③の症状について②で1つ以上、③で1つ以上それぞれ当てはまり、②と③の合計が5つ以上であることが診断の条件とされています。

これを参考に医師が患者それぞれの状態をみて診断します。

① ほとんどの月経周期で月経開始1週間前に5つ以上の症状が出現し、症状は月経開始後数日以内に軽減、月経終了後はほぼ消失する
② 以下の症状のうち、1つまたはそれ以上が存在する。
・感情が著しく不安定(気分の変動、突然悲しくなったり涙もろくなったりする)
・著しいイライラや怒りの感情、または対人関係の摩擦の増加
・著しい落ち込み、絶望感、自責感の高まり
・著しい不安、緊張、興奮、いらだち感
③ 以下の症状のうち、1つまたはそれ以上が存在し、上記②の症状と合わせると、症状は5つ以上になる。
・通常の活動(仕事・学業・交友・趣味など)の意欲低下
・集中力低下
・倦怠感、疲れやすさ、気力の欠如
・過食、甘いものが異常に欲しくなるなど食欲の変化
・過眠または不眠
・自分を抑えることができないという感覚
・乳房の圧痛または膨張、関節痛、筋肉痛、体重の増加、むくみなどの身体症状
④ 症状には明らかな苦痛が認められ、対人、仕事、学校などの日常生活に大きな支障を及ぼしている(社会活動を回避したり、仕事や学校、家庭における生産性や能率が低下したりする)
⑤ うつ病、気分変調性障害、パニック障害、パーソナリティ障害の増悪によってだけおこっているわけではない(合併の可能性はある)
⑥ 月経2周期以上にわたる症状の記録で連動が確認される
⑦ 症状は、薬物やアルコール、他の病気の影響によるものではない

 

月経前症候群(PMS)と月経前不快気分(PMDD)の治療法とは?

PMSとPMDDの治療には薬物療法があります。

薬物療法には、痛みに対しては鎮痛剤、むくみに対しては利尿剤など症状を緩和する対症療法のほか、女性ホルモンの大きな変動を抑えるために排卵を止める排卵抑制剤などがあります。

また、個人の体質に合わせた漢方が処方されることもあります。

PMDDの場合は、精神科や心療内科が治療のメインであり、抗うつ剤や抗不安薬などの薬が処方されます。

PMDDの患者はストレスを感じやすかったり、ストレスへの対応が苦手だったりする特徴を持つ人が多く、そのような場合には認知行動療法やカウンセリングなどの心理療法が有効な場合もあります。

自分でできる月経前症候群(PMS)の対策方法とは?

PMS、PMDDの根本的な改善には生活習慣の改善が欠かせません。自分の生活を見直し、改善できるところはないか考えてみましょう。

・症状日記をつける。

月経周期の何日目に気持ちの変化や症状があったのか、その日の出来事やストレスの内容などを記録しておくことをおすすめします。

記録を続けることで月経周期と症状との関連性から症状が予測しやすくなり、それに対する対処をとることができます。

・規則正しい生活を送る。

ホルモンバランスは生活習慣によっても左右されるため、睡眠や食事のタイミングはできるだけ一定になるようにしましょう。

特に生理前は無理のないスケジュールで、心身ともにゆったりと過ごす時間が大切です。

・バランスの良い食事をとる。

栄養バランスが崩れるとホルモンバランスも乱れます。過度なダイエットは避け、3食バランスよく食べるようにしましょう。

・アルコール、カフェインは控えめにする。

アルコールやカフェインは脳を興奮させてしまうため、緊張や不安感が強くなる原因となります。

・軽い有酸素運動を行う。

軽い有酸素運動は脳内のセロトニンという幸せホルモンを増やすため、ストレスを軽減し、生理前の心身の不調を改善する効果が期待できます。ウォーキングやヨガがおすすめです。

・禁煙をする。

ニコチンは女性ホルモンの正常な分泌を妨げるため、PMSを悪化させる要因になります。

まとめ

生理前の頭痛・倦怠感などの身体症状や、イライラや情緒不安定といった精神症状は、月経前症候群(PMS)の可能性があります。

た、精神症状が日常生活に支障をきたすほど酷い場合を月経前不快気分障害(PMDD)といい、うつ病と同じように治療が必要な症状として扱われています。

生理前の不調は日常生活の改善に加え、薬物治療などを受けることによって症状の緩和が期待できます。月経周期と関連して症状がみられる場合には、医療機関に相談してみましょう。

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甘いものの食べ過ぎでお腹が痛くなる!?糖分摂取と腹痛の関係とは?

甘いものを食べると、腹痛や下痢をしてしまう…原因は体質のせいではなく、腸内環境にあるかもしれません。

甘いものを食べることで起こる腹痛のメカニズムや、腸内環境に良い食習慣などについて解説します。

甘いものを食べてなぜ腹痛が起こる?

小腹が空いた時や食後についつい手が出てしまう甘いもの。

甘いものは脳内でドーパミンやセロトニンなどの快楽や幸福感を感じさせる脳内物質を分泌させると言われていますが、人によってはつらい腹痛が起こる原因にもなります。

甘い食べ物や飲み物に含まれる糖分は、小腸で消化や吸収がされず、大腸で発酵する特徴があり、FODMAPと言われています。

甘いものを摂りすぎると、FODMAPが小腸内に貯めこまれてしまうため、濃度を下げようと大量の水分が小腸内に引き込まれることになります。

その結果小腸内は水分でいっぱいとなってしまうため、小腸は蠕動運動(腸が伸びたり縮んだりを繰り返す動き)を亢進して、小腸にたまった食べ物や水分を体外に排出させようとします。

この蠕動運動が激しくなると腹痛を伴うことがあります。

また、吸収されなかったFODMAPは大腸の腸内細菌のエサとなることで異常発酵を起こしてガスを発生させるため、便秘やお腹の張りなどを引き起こします。

このFODMAPで腹痛を起こす原因には過敏性腸症候群が関係していると考えられています。

過敏性腸症候群の患者の多くは、消化管が様々な刺激に対して非常に敏感となるため、通常なら不快に感じない程度のお腹の張りや腸の動きにも痛みを感じやすいのです。

FODMAPが多い食品を過敏性腸症候群の人が食べると、腸内環境のバランスが損なわれ、症状が出やすくなります。

過敏性腸症候群についてもっと詳しく!

過敏性腸症候群とは、検査では異常は見られないものの、腹痛や便秘、下痢などの症状を繰り返す病気です。

日本人の10%程度がこの病気であると考えられており、青年期~20代で発症する傾向があります。発症の原因にはストレスや自律神経の乱れが関係しており、不安や緊張、抑うつなどの感情的要素の他、過労や不規則な食生活などによっても過敏性腸症候群の発作が起きたり悪化したりすることがあります。

また、最近の研究では、腸内細菌のバランスが崩れることによって悪玉菌が増え、腸を拡張する刺激に対して敏感になる知覚過敏が起きやすいということも分かっています。

過敏性腸症候群の治療には、まず生活習慣の改善が重要です。必要に応じて症状に合わせた薬物療法が検討されます。

過敏性腸症候群の4つのタイプ

過敏性腸症候群は便の形状と頻度から「便秘型」「下痢型」「混合型」「ガス型(分類不能型)」の4つのタイプに分類されます。
・便秘型…便秘に伴うお腹の張りや腹痛などの症状がみられる。
・下痢型…ストレスや緊張などのわずかなきっかけによって腹痛や下痢と生じる。
・混合型…便秘と下痢が交互に繰り返される。
・ガス型(分類不能型)…お腹の張りがあり、ガスやゲップが頻繁に出る。

過敏性腸症候群の診断

過敏性腸症候群は画像診断(レントゲンやCT検査など)や大腸内視鏡検査などでは異常がみられません。

お腹の症状や便通異常などの特徴的な症状を問診で確認し、検査をせずに診断を下されることもありますが、重度の場合や治療の成果が得られない場合は血液検査や便潜血検査、大腸内視鏡検査などが行われることもあります。

<過敏性腸症候群の診断基準>

過去3か月間に1週間あたり1日以上の腹痛があることに加え、以下のうち2項目以上あてはまること。
・排便することにより腹痛などの症状が改善される。
・発症時に排便回数の変化がある。
・発症時に便の形状の変化がある。

腸内環境を整えるカギは食生活にあり!

過敏性腸症候群の症状の改善・緩和には、腸内環境を良好に保つことが大切です。まずは食生活を見直してみましょう。

・ゆっくりよく噛んで食べる。

早食いは胃腸に負担がかかり、消化不良を起こしやすくなるため、よく噛んでゆっくり食べるようにしましょう。

・食事はバランスよく、消化吸収がしやすいものを中心に摂取する。

お腹の調子が悪い時は胃腸に負担をかけないよう、消化が良い柔らかい食べ物や脂質が少ない食べ物を摂るようにしましょう。

・カフェインを控える。

大腸の運動を刺激し、症状を悪化させるおそれがあるため、カフェインを多く含む飲料(コーヒーやエナジードリンクなど)は飲み過ぎないようにしましょう。

・アルコールは控える。

アルコールは腸を刺激するため、症状がある時は控えましょう。

また、アルコールを摂取することで食べ過ぎたり、下痢をしやすくなったりします。炭酸を含むものだとお腹が張りやすくなります。

・食物繊維の多い食事を摂る。

野菜、海藻類、玄米、雑穀などを食事に多く取り入れ、食物繊維を積極的に摂取するようにしましょう。

ただし、ごぼうや切干大根、ブロッコリーなどの不溶性食物繊維を摂り過ぎると下痢やお腹の張りなどの症状が出やすくなるため、注意が必要です。

・高FODMAP食品を避ける。

欧米では高FODMAP食品の量を減らした結果、過敏性腸症候群の症状が軽減したと報告されています。

原因となる食品には個人差があるため、お腹の調子が悪い時の食事内容を見直してみましょう。

F:Fermentable 発酵性の糖質
O:Oligosaccharides オリゴ糖
D:Disaccharides 二糖類
M:Monosaccharide 単糖類
A:And
P:Polyols 糖アルコール

 <低FODMAP食品と高FODMAP食品の例>

低FODMAP食高FODMAP食
穀類米、玄米、十割そば、もち米、コーンスターチ、タピオカ、オートミール小麦、大麦、とうもろこしうどん、そうめん、パスタ、ラーメン
野菜・芋類ナス、トマト、ブロッコリー、ニンジン、ピーマン、ホウレン草、カボチャ、キュウリ、ジャガイモ、オクラ、レタス、キャベツ、白菜、チンゲン菜アスパラガス、ゴボウ、タマネギ、ニンニク、ブロッコリー、里芋
きのこ類ヒラタケ(75g以内)エノキ、エリンギ、キクラゲ、シイタケ、シメジ、マイタケ、マッシュルーム
豆類木綿豆腐、高野豆腐、インゲン豆大豆、小豆、黒豆、レンズ豆、絹ごし豆腐
調味料・その他マヨネーズ、オリーブオイル、酢、味噌、ココア、ココナッツオイル、キャノーラ油オリゴ糖、てんさい糖、はちみつ、バルサミコ酢、トマトケチャップ
乳製品バター、マーガリン、コンデンスミルク、硬めのチーズ(ゴーダチーズ、カマンベールチーズ、チェダーチーズ、モッツァレラチーズなど)牛乳、ヨーグルト、生クリーム、アイス、コンデンスミルク、柔らかめのチーズ(クリームチーズ、プロセスチーズ、カッテージチーズなど)
果物バナナ、イチゴ、ブドウ、メロン、キウイ、オレンジ、ミカン、レモン、パイナップルアボカド、いちじく、柿、さくらんぼ、グレープフルーツ、すいか、梨、りんご、桃、マンゴー、メロン
飲料紅茶、コーヒー、緑茶、ビール、ジン、ウォッカ、ウイスキー、日本酒ウーロン茶、ハーブティー(濃いめ)、ラム酒、豆乳、ココアスポーツドリンク、甘口のワイン
肉類豚肉、牛肉、鶏肉ソーセージ
ナッツ類アーモンド(10粒以下)、ヘーゼルナッツ(10粒以下)、ピーナッツ、クルミ、栗カシューナッツ、ピスタチオ
菓子・その他せんべい、ポップコーン発酵食品、スナック菓子、洋菓子、あんこ、プリン、ミルクチョコレート、ガム、キャンディ

まとめ

甘いものを食べると起こる腹痛には過敏性腸症候群が関係している可能性があり、治療には生活習慣や腸内環境の改善が必要です。

腸は脳と密接に関係しているため、規則的な生活を送り、ストレスをためこまないようにするほか、暴飲暴食を避けて栄養バランスの良い食事にするなど、食生活を見直すことが治療の第一歩となります。

生活習慣や食事を改善しても良くならない場合は早めに病院を受診し、相談してみましょう。

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高齢者こそしっかり摂りたいタンパク質 必要量の計算方法

タンパク質は、スポーツ選手やトレーニングをしている人などが積極的に摂る栄養素のイメージがあるかもしれません。

しかしタンパク質は体を構成する栄養素であり、性別や年齢、生活環境などにかかわらず誰にとっても重要な栄養素です。

近年は特に、高齢者にも十分なタンパク質を摂ることが勧められています。では高齢者はどのくらいのタンパク質を摂ればよいのでしょうか。

なぜ高齢者にタンパク質が必要なのか

日本は世界的にもトップクラスの長寿国ですが、2016年のデータでは、平均寿命と健康寿命には男性で8.84年、女性で12.35年もの差があります。

この差は日常生活に何かしらの介護や援助を必要とする期間を指しており、健康寿命を延ばしていくことが課題となっています。

フレイル・サルコペニアの予防

健康寿命を延ばすために必要と考えられているのが「フレイル」と「サルコペニア」を予防することです。

国は2019年に「健康寿命延伸プラン」を策定し、2040年までに男女ともに健康寿命を3年以上延伸することを掲げています。

フレイル・サルコペニアの予防

フレイルとは

フレイルは「虚弱」や「脆弱」などを表しており、「加齢とともに心身の活力(運動機能や認知機能等)が低下し、複数の慢性疾患の併存などの影響もあり、生活機能が障害され、心身の脆弱性が出現した状態であるが、一方で適切な介入・支援により、生活機能の維持向上が可能な状態像」とされています。

簡単に言い換えると、健康な状態と介護が必要な状態の中間であり、適切な対応によって健康な状態に戻ることができます。

フレイルの診断基準にはいくつかありますが、そのうちの1つを紹介します。次の項目のうち3個以上が該当した場合にフレイル、1~2個該当した場合はプレフレイルとされます。

<フレイル評価基準(J-CHS基準)>
1.意図しない体重減少がある。(6か月に2㎏以上)
2.わけもなく疲れた感じがする。(ここ2週間)
3.運動をしていない。(軽い運動、定期的なスポーツなど何も)
4.横断歩道が青のうちに渡り切れないことがある。(歩行速度1.0m/秒未満)
5.握力が低下している。(男性26㎏未満、女性17㎏未満)

サルコペニアとは

サルコペニアは加齢に伴って筋肉の量が減少していくことです。

不活発な生活を継続していくことで、25~30歳頃には筋肉量は減少し始めると考えられていますが、適度なトレーニングによってサルコペニアの進行を抑制できると考えられています。

特に高齢者では筋肉量の減少が進行すると立ち上がったり歩いたりすることが困難となり、転びやすくなったり、寝たきりとなる可能性があります。

サルコペニアとは

高齢者に必要なタンパク質の量

日本人の食事摂取基準では、65歳以上の男性は1日に60g、女性は50gをタンパク質摂取の推奨量としています。

まずはこの推奨量を目標としてタンパク質を摂取しましょう。

他にもフレイル・サルコペニアの発症を予防するためには、65歳以上では体重1㎏あたり1.0g以上のタンパク質を摂取することが望ましいとされたり、フレイルまたはプレフレイルの状態にある高齢者では、体重1㎏あたり1.5gのタンパク質を摂取した場合と、0.8gのタンパク質を摂取した場合では、体重1㎏あたり1.5gのタンパク質を摂取した方が筋肉量や身体機能の改善があったという報告もあります。

日本人の食事摂取基準では、個別に必要なタンパク質量を定めることは難しいとしていますが、体格が小さく(体重が少なく)体重あたりのタンパク質摂取量が推奨量を下回った場合や、活動量が少なく必要摂取エネルギー量が少ない場合でも、上記の推奨量(65歳以上の男性は1日に60g、女性は50g)を最低摂取量とするのが望ましいとしています。

体重から必要なタンパク質量を計算する

体重から必要なタンパク質量を算出する場合、まずは適正体重を確認してみましょう。

適正体重はBMI(体格指数)を利用します。日本人の食事摂取基準では50~69歳の目標とするBMIは20.0~24.9、70歳以上では21.5~24.9とされており、一般的にはBMI22が標準体重として利用されています。

今回は75歳、男性、身長170㎝、58㎏の場合を例として計算してみます。ここでは健康な高齢者を想定しており、持病がある場合はこの限りではありません。

持病がある場合には、かかりつけの医師や看護師、管理栄養士の指示に従ってください。

BMIを算出する

BMIは次の式で算出できます。

「BMI=身長(m)×身長(m)÷ 体重(㎏)」
前記の例の数値を当てはめると
1.7(m)×1.7(m)÷ 58(㎏)=20.06≒20.1

BMIは20.1となり、目標値の範囲を下回っていることがわかりました。

標準体重(BMI22)を算出する

次に目標とする標準体重を算出してみましょう。

標準体重をBMI22とすると、
「標準体重=身長(m)×身長(m)× 22 」
前記の例の数値を当てはめると
1.7(m)×1.7(m)× 22=63.58≒64(㎏)

目標体重は64㎏となりました。

必要なタンパク質量を算出する

実測体重が標準範囲内である場合は実測体重、標準範囲から外れている場合は、目標体重を用いて計算します。

前記の例の場合は、体重が標準範囲を下回っているため、目標体重を使ってタンパク質量を算出します。

フレイル予防を目的として必要なタンパク質量である、体重1㎏あたり1gとして計算すると
64(㎏)×1(g)=64(g)
1日に摂りたいタンパク質量は64gと算出されました。

タンパク質が摂れる食品と摂り方

タンパク質は、1回に吸収できる量が限られていると考えられています。

そのため1食でたくさん摂るよりも、朝昼晩の食事でバランスよくタンパク質が摂れるようにしましょう。

1日に60gのタンパク質を摂取する場合は、1食あたり20g以上の摂取が目安となります。現代の日本人は朝食にタンパク質の摂取が不足している傾向があるため、朝食では特に意識的にタンパク質を摂取するようにしましょう。

タンパク質が摂れる食品

タンパク質は肉や魚、卵、乳・乳製品、豆・豆製品に豊富に含まれています。

タンパク質は20種類のアミノ酸で構成されており、そのうち9種類は体内で合成できないため食事から摂る必要があります。

食品によって含まれているアミノ酸が異なるため、いろいろな食材を摂ることをこころがけましょう。

タンパク質が摂れる食品

1食で20gのタンパク質の目安

含まれているタンパク質の量は食品によって異なりますが、大まかな目安として、メインのおかずに肉や魚を80~100g程度食べると、15g前後のタンパク質を摂ることができます。

タンパク質は穀類や野菜類などにも含まれているので、主食と汁物を加え、さらに副菜に卵や豆・豆製品などを取り入れると、20g以上のタンパク質が摂れると考えられます。

タンパク質を運動後に摂る

サルコペニア・フレイルを予防するためには、十分なタンパク質摂取と運動が欠かせません。

厚生労働省では高齢者の運動の例として、ストレッチや体操を1日10分以上、散歩やウォーキングを1日20分以上、または下肢及び体幹部の筋力トレーニングを1週間に2回程度のいずれかを、体力や身体機能に応じて行うことを推奨しています。

タンパク質は運動終了直後に吸収が促進され、効率よく筋肉へ運ばれることがわかっています。運動後に牛乳や豆乳を飲んだり、プロテインドリンクなどを利用すると、効率よく筋肉が作られると考えられます。

タンパク質は摂り過ぎにも注意

高齢者にとってタンパク質は重要な栄養素ですが、摂り過ぎにも注意が必要です。

タンパク質の過剰摂取は腎臓に負荷がかかる事があり、腎臓の機能に悪影響を及ぼす可能性があります。

特に腎疾患がある場合には、食事療法としてタンパク質の摂取を制限することがあるため、疾患がある場合にはかかりつけの医師や管理栄養士の指示に従いましょう。

タンパク質 必要量の計算方法

高齢者の健康寿命を延ばすためにフレイル・サルコペニアの予防が重要と考えられています。

加齢に伴い体内で筋肉を合成する機能が低下するため、若年層と同じ量のタンパク質を摂取して同じ運動をしたとしても、作られる筋肉量は同等というわけにはいきません。

そのため日本人の食事摂取基準では、65歳以上では総エネルギーに占めるタンパク質のエネルギー割合を15~20%としており、これは18~49歳の13~20%よりも下限値が高く設定されています。

サルコペニアやフレイルの予防・改善にはタンパク質の摂取だけではなく、運動が重要な要素のひとつです。タンパク質を十分に摂り、適度な運動をこころがけましょう。

カロリーの計算方法と1日に必要なたんぱく質について

たんぱく質はトレーニングをする人はもちろん、中高年も積極的にとるべき栄養素として注目されるようになっています。

では実際に、どのくらいのたんぱく質を摂取すればよいのか、1日に必要なたんぱく質とカロリーの計算方法をご紹介します。

エネルギー源となる栄養素

食物に含まれる栄養素のうち、たんぱく質・脂質・炭水化物を三大栄養素と呼び、これらはエネルギー源として利用されることから、エネルギー産生栄養素とも呼ばれます。

たんぱく質

たんぱく質は1gあたり4kcalとして計算されます。エネルギー源として利用することができますが、たんぱく質の主要な役割は体を構成することです。

体内でアミノ酸に分解されて吸収され、筋肉や内臓、骨などを構成するために利用されるほか、酵素やホルモン、免疫機能を保つためにも必要です。

脂質

脂質は1gあたり9kcalで計算され、少量で高いエネルギーが得られる効率の良いエネルギー源です。

エネルギー源となるだけではなく、細胞膜やホルモンなどの原料ともなる重要な栄養素ですが、過剰に摂取した分は体脂肪として蓄積されます。

炭水化物

炭水化物は1gあたり4kcalとして計算されます。

炭水化物は体内の消化酵素で消化される糖質と消化されない食物繊維に分けられ、糖質は体内に速やかに吸収されて、脳や体を動かすエネルギー源となります。

エネルギーとして利用されなかった糖質は肝臓や筋肉に貯蔵されて必要に応じて利用されますが、貯蔵量を超えた分は脂質となって肝臓や脂肪組織に蓄積されます。

炭水化物

PFCバランス

PFCバランスのPはたんぱく質、Fは脂質、Cは炭水化物を指し、エネルギー産生栄養素であるたんぱく質・脂質・炭水化物のバランスのことです。

理想的なPFCバランスは、1日の摂取カロリーに対して、P(たんぱく質)が13~20%、F(脂質)20~30%、C(炭水化物)が50~65%です。

例えば、1日の摂取エネルギーが2,000kcalの場合、2,000(kcal)×13~20(%)=260~400(kcal)をたんぱく質から、2,000(kcal)×20~30(%)=400~600(kcal)を脂質から、2,000(kcal)×50~65(%)=1,000~1,300(kcal)を糖質から摂取するのが理想的なバランスということになります。

必要なたんぱく質量の計算

1日に摂取するたんぱく質の量については、いくつかの目安が示されています。

「日本人の食事摂取基準2020年版」では、18歳以上の女性では50g、18歳~64歳の男性は65g、65歳以上の男性は60gのたんぱく質を摂取することが推奨されています。

また1日の運動量によって、体重1㎏あたり0.8g~2gや徐脂肪体重1㎏あたり1.3g~3gなどを目安として計算することもあります。

1日に必要なたんぱく質量は体格や体組成、運動量によって変動し、計算方法によっても異なる数値が算出されます。

さまざまな要素を考慮しながら、自分に合った方法で算出することが理想的です。

必要なたんぱく質量の計算

必要なたんぱく質量の算出

ここでは自分の身長と体重、体脂肪率から、1日に必要なたんぱく質を算出する方法をご紹介します。

体格や運動量、疾患の有無などによって、全ての人に当てはまるものではないので、必要なたんぱく質量の計算方法のひとつとしてご参考ください。

例)35歳女性、身長157㎝、体重55㎏ 体脂肪率23%の場合

① 徐脂肪体重を計算します。
徐脂肪体重とは脂肪を除いた体重のことで、体脂肪率と体重から計算で算出します。
徐脂肪体重(㎏)=体重(㎏)-体重(㎏)×(体脂肪率/100)の式に当てはめると、
55(㎏)-55(㎏)×0.23=42.35≒42(㎏)
徐脂肪体重は42.㎏です。

②1日に必要なたんぱく質量を徐脂肪体重1㎏あたり2gとすると
42(㎏)×2=84(g)
1日に摂取したいたんぱく質量は84gとなります。

摂取エネルギーとのバランスを確認

次に、算出した必要たんぱく質量が1日の摂取エネルギーのうち、どのくらいの割合を占めるかを確認してみましょう。

③日本人の食事摂取基準から、身体活動レベルを「ふつう(1.75)」として1日に必要なエネルギー量を算出すると、
体重55(㎏)×基礎代謝基準値21.7×1.75=2,089≒2,100(kcal)

④1日の摂取エネルギー量を2,100kcalとしたときに、84gのたんぱく質は
84(g)×4(kcal)=336(kcal)なので、1日2,100kcal中の割合は
336(kcal)÷2,100(kcal)×100=16(%)となり、PFCバランスは適正範囲といえます。

⑤1日の摂取エネルギーから、たんぱく質で摂取するエネルギー量を引くと
2,100(kcal)-336(kcal)=1,764(kcal)となります。1.764(kcal)のうち420~630(kcal)を脂質から、1,050~1,365(kcal)を炭水化物から摂取するようにすると、PFCバランスが整うということになります。

このように、たんぱく質の摂取量が1日に摂取するエネルギー中の何パーセントになるかを算出し、PCFバランスを確認しておくとバランスのよい食事内容になるといえます。

たんぱく質の摂り方について

たんぱく質は1回に吸収できる量が決まっていると考えられています。

またその量も体格や体組成によって異なります。効率よくたんぱく質を摂るために気をつけたいことが、いくつかあります。

毎食摂る

たんぱく質は一度にたくさん摂るよりも、3食に分けて摂る方が効率がよいと考えられています。

特に現代の日本人では、1日に摂取するタンパク質量は昼・夕食に多く、朝食時に不足している傾向があるため、朝食時にも意識的にたんぱく質を摂るようにしましょう。

食事時だけでは摂りきれない場合には、間食でもたんぱく質が摂れる食品を選んで、上手に利用しましょう。

毎食摂る

植物性たんぱく質と動物性たんぱく質を一緒に摂る

たんぱく質には植物性たんぱく質と動物性たんぱく質があります。

植物性たんぱく質と動物性たんぱく質を比較すると、動物性たんぱく質の方が必須アミノ酸をバランスよく含んでおり、吸収率も高い傾向がありますが、植物性たんぱく質の方が一般的に脂質の少ない食品が多く、カロリーを抑えることができます。

また植物性たんぱく質と動物性たんぱく質を一緒に摂ると、吸収のパターンが異なることで効率よく働くということがわかっています。

運動の前後

運動をするときには、その前後にたんぱく質を摂るのが効果的です。

運動前は運動によって消費される水分と糖質を補給しておくことと、分解される筋肉を合成するための血中アミノ酸を補給するためにたんぱく質を摂っておくことで運動効果がアップすると考えられます。

運動後も筋肉の分解と合成は継続しているため、運動後にもたんぱく質を補給しましょう。

運動の前後

1日に必要なたんぱく質の計算方法

1日に必要なたんぱく質の量は、年齢や体格、体組成、運動量などの要素によって変化します。またその算出方法によっても数値が大きく変化することがあります。

たんぱく質は体を構成するために必要であるとともにエネルギー産生栄養素でもあり、たんぱく質1gあたり4kcalとして計算されます。

たんぱく質の摂取量だけに注目して、1日に摂取するエネルギーのバランスが崩れることないように注意しましょう。

50代女性の摂取カロリーの目安とは?その他の年代と比較しながら解説

50歳前後から女性の体は変化し始め、心身のトラブルを感じる人が増えてきます。

個人差はありますが、一般的に50歳前後の10年間は「更年期」と呼ばれ、女性ホルモンの分泌が変化することから心身にもさまざまな影響が生じます。

「痩せにくくなった」「体脂肪が増えてきた」などと感じるのも、更年期の女性の特徴のひとつです。今回は50代の女性に必要な摂取カロリーについて考えてみましょう。

1日に必要な摂取カロリーとは?

1日に必要な摂取カロリーは、安静にしていても消費している基礎代謝量と、体を動かすこと(運動)で消費されるカロリーに分けることができます。

基本的に基礎代謝量は毎日大きく変動するものではなく、1日のカロリー消費は主に身体活動量によって変動します。

カロリーとはエネルギーの単位のことで、1ℓの水の温度を1℃上げるために必要なエネルギーを1kcal(キロカロリー)といいます。

基礎代謝量

基礎代謝量は仰向けに寝て覚醒した状態で、安静時に消費されるエネルギーのことです。

1日に消費するエネルギーの約60%を占めていると考えられており、基礎代謝量が高い人は、何もしていなくても多くのエネルギーを消費しているといえます。

基礎代謝量はさまざまな要素の影響を受けて変化します。

一般的には女性よりも男性の方が基礎代謝量は多く、若い人ほど成長のための代謝が盛んであるため、基礎代謝量は高くなっています。

同一個人でも、筋肉量や体温によって基礎代謝量は増減し、女性の場合は月経の周期によっても基礎代謝量は変化します。

身体活動によるエネルギー消費

身体活動によるエネルギー消費量を正確に測るのは困難ですが、おおよそを計算で算出することができます。

もっとも簡単な方法は身体活動レベルの指標を用いる方法で、身体活動レベルは、日常生活の平均的な活動の強度を表したものです。

身体活動レベルは生活や仕事の内容によって次のように3段階に分けられており、年齢によって異なります。

・身体活動レベルⅠ(低い1.40-1.60):生活の大部分を座って過ごし、静的な活動が中心の場合。
・身体活動レベルⅡ(ふつう1.60-1.90):主に座って行う仕事だが、職場内での移動や立って行う作業・接客等、通勤・買い物・家事・軽いスポーツ等のいずれかを含む場合。
・身体活動レベルⅢ(高い1.90-2.20):移動や立って行うことが多い仕事の従事者。あるいは余暇にスポーツをする等、活発な運動習慣を持っている場合。

推定エネルギー必要量

1日に必要なエネルギーの必要量を推計する方法はいくつかありますが、もっとも簡単な方法のひとつが、基礎代謝量と身体活動レベルを用いた計算で、「1日に必要な推定エネルギー必要量=基礎代謝量×身体活動レベルの係数」に当てはめて計算できます。

年齢別基礎代謝量の変化について解説

以下の表は、日本人の食事摂取基準2020年版に掲載されている、身体活動レベルⅡ(ふつう)の場合の基礎代謝量です。

日本人の食事摂取基準は健康な個人や集団を対象として、国民の健康の維持・増進やさまざまな健康障害の予防を目的として、エネルギー及び各栄養素の摂取量の基準を示したものです。

18歳以上の基礎代謝量については、平成28年国民健康・栄養調査における当該の性・年齢区分における身長・体重の中央値を用いて算出されています。

日本人の食事摂取基準2020版 基礎代謝量(身体活動レベルふつう)

 

 

男性女性
参照体重(㎏)基礎代謝量(kcal/日)参照体重(㎏)基礎代謝量

(kcal/日)

18~29(歳)64.51,53050.31,110
30~49(歳)68.11,53053.01,160
50~64(歳)68.01,48053.81,110
65~74(歳)65.01,40052.11,080
75以上(歳)59.61,28048.81,010

基礎代謝量は0歳から掲載されていますが、ここでは18歳以上について挙げています。個人差はありますが、女性では、50歳以降は基礎代謝量が減少していくことがわかります。

40代女性の推定エネルギー必要量と体の特徴

40代女性の1日に必要な推定エネルギー必要量は、基礎代謝量1,160×身体活動レベルⅡ(ふつう)1.75=2,030(kcal)となります。

40代は仕事や子育てに日々忙しく、1日の活動量は比較的確保されていることが多いと考えられます。

40代の前半は「プレ更年期」と呼ばれることがあり、個人差はありますが、緩やかに卵巣機能の低下が始まる時期でもあります。

女性ホルモンの一種であるエストロゲンの分泌量も維持され月経も定期的にあることがほとんどですが、人によっては月経周期や経血量に変化が生じることもあります。

子宮筋腫や子宮腺筋症などの疾患の好発年齢にもあたるので、生理痛や出血過多など月経に異常を感じた場合には、早期に婦人科を受診しましょう。

40代女性の推定エネルギー必要量と体の特徴

50代の推定エネルギー必要量と体の特徴

50代女性の1日に必要な推定エネルギー必要量は、基礎代謝量1,110×身体活動レベルⅡ(ふつう)1.75=1,942.5(kcal)となります。

日本人は平均的に50~51歳で閉経を迎えるため、50代では多くの女性が更年期にあたるといえます。

更年期の症状は個人差が大きく、通院が必要な場合もあれば、ほとんど自覚症状が無いまま過ぎてしまう人もいます。

女性ホルモンのひとつであるエストロゲンには脂肪燃焼を促進する働きがあることから、エストロゲンの分泌量が低下することで、体重が増えやすいと感じたり、体脂肪率が上昇したりすることがあります。

60代の推定エネルギー必要量と体の特徴

60代女性の1日に必要な推定エネルギー必要量は、基礎代謝量1,080 ×身体活動レベルⅡ(ふつう)1.75=1,890(kcal)となりますが、65歳以上は同じ身体活動レベルⅡ(ふつう)であっても指数が1.70に下がるため、1,836(kcal)となります。

60代になると、仕事を退職したり子供が独立するなどライフステージが大きく変化することもあり、生活環境の変化に伴って運動量が減少することがあります。

また閉経によって骨粗しょう症のリスクが増大し、筋肉量も減少がみられることがあるため、意識的に運動と食事に配慮が必要となります。

70代の推定エネルギー必要量と体の特徴

70代女性の1日に必要な推定エネルギー必要量は、基礎代謝量1,010 ×身体活動レベルⅡ(ふつう)1.70=1,717(kcal)となります。

75歳以上は同じ身体活動レベルⅡ(ふつう)であっても指数が1.65に下がるため、1,666.5(kcal)となります。

さらに日常の運動量が減少している場合には、基礎代謝量1,010 ×身体活動レベルⅠ(低い)1.4=1,414(kcal)となります。

70代になると、基礎体力や予備能力の低下によって疾患にかかりやすくなることがあります。

慢性疾患のある人も多く、大きなケガや病気によってADL(日常生活動作)の低下につながる可能性もあります。

70代の推定エネルギー必要量と体の特徴

50代女性に必要な栄養素の種類について

50代女性の多くは更年期といわれる時期にあります。更年期は卵巣機能が変化し、女性ホルモンの産生が低下し、消失していく時期です。

それに伴い臓器にも変化が起こり、泌尿器生殖器の萎縮や骨量の減少、脂質異常症や動脈硬化などの症状が出現します。

大切なのは栄養のバランス

女性ホルモンの減少によって、以前より太りやすく痩せにくいと感じることがあるかもしれませんが、食事で最も大切なのは栄養のバランスです。

カロリーばかりに注目すると、主食を摂らなかったり、極端に野菜類だけを摂るような食事となることがありますが、主食・副菜・主菜をバランスよく食べることを心がけましょう。

厚生労働省の食事バランスガイドでは、主食:副菜:主菜=3:2:1が理想的としています。

栄養のバランスが崩れることで更年期症状に悪影響があるだけではなく、閉経後の健康も左右する可能性があります。

体をつくるタンパク質

タンパク質は体を構成する重要な栄養素です。

臓器や筋肉を作るのはもちろん、ホルモンや免疫機能を維持するためにも必要です。タンパク質摂取は、体重1㎏あたり1.0~1.5gのタンパク質量を1日3食でバランスよく摂ることが理想的です。

カロリーが気になる場合は、脂の多い肉類には注意し、魚類や卵、豆・豆製品を積極的にとり入れましょう。食事で摂るのが難しい場合には、プロテインドリンクなどの利用が効果的なこともあります。

健康な骨のためのビタミン・ミネラル

ビタミンやミネラルの中でも意識的に摂りたいのが、カルシウム、ビタミンD、ビタミンKです。

これらは骨の健康に必要な栄養素であり、一緒に摂ることで効率的に働くと考えられています。

カルシウムは骨の材料となりますが、ビタミンDと一緒に摂ることでカルシウムの吸収が高まると考えられています。

またビタミンKはカルシウムの骨への沈着を促進する働きがあります。カルシウムは乳製品や大豆製品、丸ごと食べられる魚等から効率よく摂取でき、ビタミンDはきのこ類や魚、ビタミンKは納豆や小松菜、モロヘイヤなどに多く含まれています。

50代女性の摂取カロリーの目安とは?

摂取カロリーの目安は基礎代謝量と身体活動量から推計することができます。50代の女性の多くは更年期にあたり、心身の状態が変化している時期でもあります。

摂取カロリーは適正に抑え、必要な栄養素はバランスよく摂ることで更年期の対策に効果が期待でき、閉経後の健康維持にも役立ちます。

生命維持に必要なカロリー、「基礎代謝量」を計算してみよう

人は生きるためには食べなくてはなりません。

私たちは何もしていなくても、眠っているときでも、体内の臓器は働き続けており、エネルギーと栄養を消費しています。

生命を維持するためにはどのくらいのカロリーが必要なのかを考えてみましょう。

生命を維持するために必要なもの

人が生きるために必要なものが酸素と水とエネルギーです。

酸素はおよそ3~5分供給されないと死に至り、水は体内の水分のうち10%以上が失われると生命に危機が及ぶといわれています。

エネルギーを食べ物から補給できない場合は、体内に蓄えている栄養素を順次エネルギー源として利用し、体内に蓄えた栄養素が枯渇すると生命が維持できなくなります。

食べ物が補給できなくなってからエネルギーが枯渇するまでの時間は、年齢や体格などの要素や周囲の環境による影響も大きいため、数週間から数か月といわれています。

人が消費するカロリーについて

カロリーとはエネルギーを表す単位のひとつで、食品のエネルギーや人間が利用するエネルギーはkcal(キロカロリー)で表されます。

1kcalは、1気圧の下で1ℓの水を1℃上昇させるために必要なエネルギーと定義されています。

人が消費する総カロリー量は大きく分けて、基礎代謝量と食事誘発性熱産生、身体活動量で構成されています。

生命維持に必要なカロリー「基礎代謝量」

基礎代謝量は安静仰臥位、覚醒した状態で必要なエネルギーのことで、生命維持のために消費される必要最小限のエネルギー量と考えます。

一般的な生活においては1日の消費エネルギーのうちおよそ60%を基礎代謝で消費していると考えられていますが、基礎代謝量は個人差が大きく、年齢や体格、体組成などさまざまな要素で変動します。

食事に伴う消費カロリー「食事誘発性熱産生」

食事誘発性熱産生は食事を摂ったときに消費するエネルギーのことで、特異動的作用ともいわれます。

食事誘発性熱産生がどのくらいのエネルギーを消費するかは栄養素の種類によって異なり、タンパク質のみを摂取した場合はエネルギー摂取の約30%、糖質のみの場合には約6%、脂質のみ場合には約4%と考えられており、実際の食事にはこれらの栄養素が混ざっているため、食事誘発性熱産生は食事から摂取したエネルギーの約10%として考えます。

運動によって消費されるカロリー「身体活動量」

身体活動量は、生活の中で体を動かすことで消費されるエネルギー量と、運動によって消費されるエネルギー量があります。

基礎代謝量と食事誘発性熱産生は、日常的にはあまり大きく変動しませんが、身体活動量は体を動かした量によって変動し、1日の総エネルギー消費量に大きく影響します。

運動によって消費されるカロリー「身体活動量」

その他

人のライフステージにおいては、消費カロリーが増加する時期がいくつかあります。

例えば妊娠中・授乳中の女性は、胎児の成長や母乳を作るためのエネルギーが必要ですし、子どもは成長に必要なエネルギーを考慮する必要があります。

また年齢や性別にかかわらず外傷や侵襲があった場合には、その回復に十分なエネルギーの付加が必要です。

このような状況下では、基礎代謝量、食事誘発性熱産生、身体活動量の他に、状況に応じて適正量のエネルギーを付加することが必要です。

基礎代謝量の計算について

生命を維持するために必要なエネルギー量である基礎代謝量は、正確に測定するには専用の装置や大掛かりな設備が必要であり、誰でも測定できるものではありません。

一般的に基礎代謝量は計算式によって算出されますが、性別や年齢、体格などによって個人差があり、さまざまな要素によって、同一個人であっても変動することがあります。

基礎代謝量に影響する要素

基礎代謝量は、年齢、性別、体表面積、筋肉量などの影響を受けます。一般的に年齢は若い方が代謝が活発であり、基礎代謝量は高くなります。

また男性の方が女性に比べて体格が大きく、筋肉量が多いため、基礎代謝量は高くなります。

同一個人であっても、体温が1℃上昇すると基礎代謝は12~13%亢進すると考えられており、夏よりも冬の方が基礎代謝量は増大するといわれています。

さらに女性は月経の影響を受け、女性ホルモンの分泌量の変化によって基礎代謝量も変動すると考えられています。

基礎代謝量の計算式

基礎代謝量はいくつかの計算式によって推計することができます。

一般的にはハリスベネディクトの式が比較的多く利用されていますが、いずれの計算方法も年齢、身長、体重を利用した計算式です。

あくまでも推計値であり、実際の基礎代謝量には個人差やさまざまな要素によって変動があることを前提として利用します。

基礎代謝量基準値

性別・年齢別に定められた基礎代謝基準値に、現在の体重を乗じて基礎代謝量を算出します。

1歳から17歳までの基礎代謝基準値も定められていますが、ここでは18歳以上について挙げます。

体重あたり基礎代謝基準値(日本人の食事摂取量2010年版)

 

年齢(歳)

 

基準体位基礎代謝

基準値

基準体位基礎代謝基準値
身長(㎝)体重(㎏)身長(㎝)体重(㎏)
18〜29171.463.024.0158.050.622.1
30〜49170.568.522.3158.053.021.7
50〜69165.765.021.5153.053.620.7
70以上161.059.721.5147.549.020.7

例えば、平均的な身長の35歳の女性で、体重が50㎏の場合の基礎代謝量は

50(㎏)×21.7(kcal/kg/日)=1085(kcal)となります。ただし、体格が基準体位から大きく外れる場合には推計値にずれが生じます。

ハリスベネディクトの式

ハリスベネディクトの式は、もともと欧米人を対象に作られた計算式のため、日本人ではやや高めの数値になる傾向があるといわれています。

次に挙げる式の他にも簡易版や日本人版もあります。

男性:66.47+(13.75×体重(㎏))+(5.0×身長(㎝))-(6.76×年齢)=基礎代謝量(kcal)
女性:665.1+(9.56×体重(㎏))+(1.85×身長(㎝))-(4.68×年齢)=基礎代謝量(kcal)

身長156㎝、体重50㎏、35歳の女性の場合の基礎代謝量は
665.1+(9.56×50)+(1.85×156)-(4.68×35)=1267.9(kcal)となります。

国立健康・栄養研究所の式

独立行政法人国立健康・栄養研究所が作成した、基礎代謝量の計算式です。

男性:((0.1238+(0.0481×体重㎏)+(0.0234×身長㎝)-(0.0138×年齢)-0.5473×1))×1000/4.186=基礎代謝量(kcal)
女性:((0.1238+(0.0481×体重㎏)+(0.0234×身長㎝)-(0.0138×年齢)-0.5473×2))
×1000/4.186=基礎代謝量(kcal)

身長156㎝、体重50㎏、35歳の女性の場合の基礎代謝量は
((0.1238+(0.0481×50)+(0.0234×156)-(0.0138×35)-0.5473×2))
×1000/4.186=1099.3(kcal)となります。

カロリーと栄養についての解説

人間が食品からエネルギー源として利用しているのは、炭水化物、脂質、タンパク質であり、これら3つの栄養素は「3大栄養素」や「エネルギー産生栄養素」と呼ばれます。

3大栄養素は体内で、炭水化物(糖質)→脂質→タンパク質の順番でエネルギーとして利用されますが、お互いに変換されて利用される仕組みがあるので、バランスよく摂取することが大切です。

カロリーと栄養

炭水化物

糖質と食物繊維を合わせて炭水化物と呼びます。食物繊維は人の消化酵素では分解されず便として排泄されますが、体内ではさまざまな働きを持つ重要な成分です。

糖質はエネルギーとして利用され、糖質1gから約4kcalのエネルギーが産生されます。

日本人の食事摂取基準では1日に必要なエネルギーのうち、50~65%を炭水化物から摂取することを目標とされています。

脂質

脂質は1gで約9kcalのエネルギーが産生されます。少量の摂取で多くのエネルギーを得られるので、効率のよりエネルギー源といえます。

食品に含まれている脂質はいくつかの種類に分類することができますが、そのうち多価不飽和脂肪酸は人の体内では合成できないため食品から摂取する必要があり、必須脂肪酸と呼ばれます。

脂質はエネルギー源となるだけではなく、細胞膜やホルモンの材料となるなどの重要な役割があります。日本人の食事摂取基準では1日に必要なエネルギーのうち、20~30%を脂質から摂取することを目標とされています。

タンパク質

タンパク質は1gで約4kcalのエネルギーが産生され、エネルギー源として利用することができますが、体を構成する成分として重要です。

食事から摂ったタンパク質はアミノ酸に分解されて吸収されますが、体タンパク質の合成に使われなかったアミノ酸や、過剰に摂取されたアミノ酸、糖質がエネルギー源として利用できない場合などにはエネルギー源として利用されます。

日本人の食事摂取基準では1日に必要なエネルギーのうち、13~20%をタンパク質から摂取することが目標値とされています。

特に高齢者では十分なタンパク質の摂取が必要と考えられており、65歳以上では15~20%が目標とされています。

「基礎代謝量」を計算しよう

生命維持に必要なカロリーは基礎代謝量で表されます。基礎代謝量は性別ごとに年齢、身長、体重の数値を用いて計算で推計することができます。

実際に健康な生活を維持するためには、基礎代謝量に生活や運動によって消費されるカロリーを加えることが必要です。

基礎代謝量は、個人差に加えてさまざまな要素で変動するため正確に算出することは困難ですが、実際に摂取カロリーの過不足を評価するには体重の増減を基準に、体脂肪率や筋肉量なども観察しながら調節しましょう。

寝たきり老人に必要なカロリーとは?

老人になるとケガや病気をきっかけに要介護状態となったり、寝たきりの生活を余儀なくされることがあります。

寝たきりの方の多くは食事にも介助が必要であり、食事に時間がかかる傾向があります。寝たきりで動けない老人の方の食事はどのくらいが適量なのか、何を基準に考えたらよいのでしょうか。

寝たきり老人に大切なカロリーについてしっかり考えてみます。

「寝たきり」とは

「寝たきり」に明確な定義はありませんが、起き上がれなかったり、寝返りが打てないなどで、1日の大半を臥床して(寝て)過ごしている状態のことです。

厚生労働省では「障害高齢者の日常生活自立度(寝たきり度)」という判定基準を設けています。

障害高齢者の日常生活自立度は4つのランクに分けられています。

ランクJ(生活自立)

何らかの身体障害等を有するが、日常生活はほぼ自立し、1人で外出できる人が該当します。

「障害等」とは疾病や傷害及びそれらの後遺症あるいは老衰により生じた身体機能の低下を指しています。

ランクJは、その状態によってさらにJ-1とJ-2に分けられています。

生活自立

ランクA(準寝たきり)

寝たきり予備軍といえます。1人では外出できない状態を指して「ハウスバウンド(house bound)」と呼ばれることもあります。

日中も寝たり起きたりしていますが、起きている時間の方が長く、家の中での日常生活活動のうち、食事、排泄、着替えについてはおおむね自分で行い留守番なども可能ですが、近所でも外出するときは介護者の援助が必要な状態が該当します。

ランクAは、その状態によってさらにA-1とA-2に分けられています。

ランクB(寝たきり)

1日の大半を臥床して過ごすが、座位を保つことは可能で、起きている時間には車いすを使用することも多いため「チェアバウンド(chair bound)」と呼ばれることもあります。

日常生活活動のうち、食事、排泄、着替えのいずれかにおいては部分的に介護者の援助が必要な状態が該当します。

ランクBは、その状態によってさらにB-1とB-2に分けられています。

寝たきり

ランクC(寝たきり)

ランクBと同じく寝たきりに分類されますが、ランクBよりも障害の程度が重い者のグループで「ベッドバウンド(bed bound)」と呼ばれることもあります。

日常生活活動の食事、排泄、着替えのいずれにも介護者の援助が全面的に必要な状態であり、1日中を臥床して過ごしている場合が該当します。

ランクCは、その状態によってさらにC-1とC-2に分けられています。

「寝たきり」になるとどうなるか

寝たきりは、自分の意思で思ったように体を動かすことが困難となったり、全く動かすことができない状態です。

全身の器官が正常に機能するためには、体が動いていることが重要な要素のひとつです。寝たきりになることで、体にはさまざまな悪影響が生じる可能性があります。

体を動かさないことによって生じる身体機能の低下は「廃用症候群」や「生活不活発病」などと呼ばれ、次のような症状があります。

筋力の低下

加齢に伴って全身の筋肉量は減少し筋力は低下していく傾向がありますが、動かない(動けない)ことで、筋肉の萎縮は進行します。

例えば入院などで1週間ベッドで安静にしていると、筋力は10~15%も低下するといわれています。

関節の拘縮

関節を動かさないでいると、関節周辺の筋肉や腱、靱帯、皮膚などの組織が硬くなってしまい、動かなくなっていきます。

関節を動かせる範囲が狭くなり、曲げ伸ばしができなくなることを「拘縮」といいます。

骨粗しょう症の進行

骨は「壊れて再生する」をくり返しながら負荷がかかることで強くなるため、寝たきりになることで骨密度は急速に低下し、骨粗しょう症は進行します。

筋委縮や関節の拘縮によって四肢が動かなくなっていることに加えて骨粗しょう症が進行していると、日常の介護動作に伴って骨折してしまう「介護骨折」を生じる可能性が高まります。

骨粗しょう症の進行

褥瘡の形成

褥瘡(じょくそう)は「床ずれ」のことです。寝たきりでいると、圧迫された部位の血流が滞り、皮膚に十分な酸素と栄養が行き渡らないことで褥瘡ができます。

高齢者では皮膚が弱くなっていたり、慢性疾患や栄養状態によっても褥瘡ができやすかったり、治りにくくなることがあります。

認知症の発症・進行

寝たきりでいることで、外部環境からの刺激が減少して精神活動が低下したり、動かない(動けない)ことで脳への血流が低下することで認知症を発症したり、急激に進行したりすることがあります。

寝たきりの老人に必要な摂取カロリーの計算

寝たきりになってしまってからも、廃用症候群をできるだけ発症・進行させないために、過不足なく栄養を摂ることが理想的です。

日本人の食事摂取基準では、高齢者の推定必要エネルギーは年齢、性別、さらに身体活動レベルで分けられていますが、寝たきりの方にそのまま当てはめることは難しく、病院や施設などでは、できる限り個人の状態に応じた必要カロリーを算出しています。

「カロリー」はエネルギーの単位(kcal)のことであり、以下に挙げる計算式ではカロリーの量をエネルギー量と示しています。

身長・体重

必要な摂取カロリーを計算するために、身長や体重を量る必要があります。

寝たきりの方は身長や体重を正確に測定することが難しいため、介護保険のサービスを利用している場合には利用先の施設や訪問看護師などに依頼して、測定してもらうとよいでしょう。

基礎エネルギー消費量(BEE)

基礎エネルギー消費量は、安静臥床、絶食の状態で消費されるエネルギー量のことで、基礎代謝量ともいわれます。

この基礎エネルギー消費量を算出するために、一般的に使用されるのが「ハリスベネディクトの式」です。

男性:BEE(kcal/day)= 66.47+(13.75×体重kg)+(5.00×身長cm)- (6.76×年齢)
女性:BEE(kcal/day)= 655.1+(9.56×体重kg)+(1.85×身長cm)-( 4.68×年齢)

(例)身長142㎝、体重40㎏、85歳の女性

655.1+(9.56×40kg)+(1.85×1.42cm)-(4.68×85歳)=642.33(kcal/day)

総エネルギー消費量(TEE)

基礎エネルギー消費量(BEE)に活動係数(AF)とストレス係数(SF)を乗じたものが総エネルギー消費量です。

活動係数やストレス係数は、その状態に応じてそれぞれ設定されています。以下に例を挙げます。

TEE(kcal/day)=BEE(kcal/day)×活動係数(AF)×ストレス係数(SF)

活動係数

寝たきり(意識が低下している状態):1.0
寝たきり(覚醒している)     :1.1
ベッド上安静           :1.2

ストレス係数

飢餓状態      :0.6~0.9
手術        :1.8
癌         :1.2~1.3
重症感染症     :1.2~1.3
発熱(1℃ごと) :1.2~1.3
褥瘡        :1.2~1.5

必要エネルギー量の設定

前記の例の女性の場合、1日の基礎エネルギー消費量がおよそ640kcalと算出されましたが、この人が寝たきりで子宮がんだった場合を式に当てはめると、
640×1.1×1.2=844.8(kcal/day)
1日におよそ850kcalが必要ということになります。

しかし、これはあくまでも計算上の目安であり、実際にはもう少し体重を増やした方が良い場合や、医師の指示がある場合、本人が食べられる量などを考慮したうえで提供するエネルギー量を決めます。

エネルギー量が決まったら、そのエネルギー量が適正かどうかを評価するため、一定期間食べた食事量を記録して摂取エネルギー量を計算し、体重の増減や全身状態を観察してエネルギー量の過不足を再検討し、必要に応じて調整をします。

寝たきり老人に必要なカロリーとは

寝たきりとなった老人に必要なカロリーは、体格や疾患などによる個人差も大きく、適切に数値化するのは非常に困難です。

計算上の必要カロリー量を目安にしながら、体格の変動や基本的なバイタルサイン、皮膚の状態、睡眠や排せつの様子、表情など全身状態を見ながら、適宜調整していくのが理想的です。

在宅介護では身体計測や必要なカロリー量の算出が難しいこともあるので、かかりつけの医師や看護師、管理栄養士などの専門家に相談してみましょう。

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