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飲み込みやすい食品と飲み込みにくい食品

作成日:2020年6月10日

飲み込みやすい食品と飲み込みにくい食品

年齢を重ねてくると食事の際に、少しずつ食べ物をかんだり飲み込んだりする力が衰えていきます。そのため誤嚥といって、本来食道を通るはずの食べ物が誤って気管の方へと流れ込んでしまうことがあります。これによって高齢の方の肺炎が引き起こされ、時として命に関わることがあります。この誤嚥を予防するために、食品の選択や食事の形態の工夫が必要となります。

今回は、飲み込みにくい食品と飲み込みやすい食品について詳しくご紹介していきます。

嚥下とは

嚥下とは食べ物を口の中に入れて、食べ物を口の中で細かくしてまとめて飲み込み胃に至るまでの一連の動作のことを言います。嚥下は、その段階によって5つに分けられます。
飲み込みにくい食品

① 先行期(認知期)
食べ物を認識して口に運ぶ時期です。

② 準備期(咀嚼期)
食べ物を口の中に入れ、咀嚼(細かく噛み砕くこと)をして食塊(食べ物を飲み込みやすくまとめたもの)を形成する時期です。顎や舌、頬や歯を使って唾液を混ぜ合わせていきます。

③ 口腔期
舌を使って食塊を咽頭へ送り込む時期。舌がしっかりと口蓋(口の中の上の部分)に接触することにより口の中の圧を高め、食塊を送り込むことができるようになります。頬や唇もこの圧を高める役割を果たしているため、口をあけたまま飲み込むことはできません。

④ 咽頭期
嚥下反射により食塊を咽頭から食道入り口部に送る時期です。軟口蓋が上にあがり、鼻腔の方へと食塊がいくのを遮断します。それと同時に咽頭蓋谷とという部分が下へさがり、気管への食塊の流入を防ぎ誤嚥を防止します。

⑤ 食道期
蠕動運動(下へと移動させようとする動き)と重力によって、食塊を食道から胃へと送る時期です。食道の入り口にある筋肉が収縮し、食塊が気管や口の中へ逆流しないように閉鎖されます。

これらのように、食べ物を口に入れてから飲み込んで胃に送りこむまでに、様々な筋肉や部位が反射的に動いています。高齢になるにつれて、筋力や反射が鈍ってくることでこれらの一連の動作が弱くなったり欠けてしまったりして誤嚥をしやすくなってしまいます。

さらに義歯(入れ歯)になると、どうしても食品をかむ力が弱くなってしまいます。噛みきる力が弱くなっているのか、飲み込む力が弱くなっているのか、その両方なのかを判断してその人にあった食事を提供する必要があります。

飲み込みにくい食品

飲み込みにくい食品

飲み込みにくい食品の特徴と具体例を以下の表にまとめました。

飲み込みにくい食品具体例
弾力がある食品たこ、いか、貝、こんにゃくなど
硬い食品ごぼう、れんこん、りんごなど
サラサラした液体水、お茶、汁物など
ばらばらでまとまらない食品挽肉、野菜のみじん切りなど
液体と固体が混ざっている食品雑炊、水分を多く含むフルーツなど
粉類きな粉など
酸味がのどを刺激する食品酢の物や柑橘類
噛み切れない食品麺類など
ぱさぱさしている食品茹で卵、焼いも、パン類など
のどや口の中にくっつきやすい食品焼きのり、わかめなど
粘りが強い食品おもち、団子、練り物など

これらの飲み込みにくい食品は、飲み込めないだけではなく誤嚥のリスクが高くなります。これらの食材は、摂取してはいけないというわけではなく摂取するためには少し調理に工夫が必要となります。

弾力があるたこやいかなどの食材や固いごぼうやれんこんなどの食材、噛み切れない麺類などの食品は、その人の嚥下の能力に合わせて一口大に切ったり舌で簡単につぶせるほど柔らかく煮る必要があります。

サラサラした水やお茶などの液体や、ばらばらになりやすい挽肉、みじん切りにした野菜などの食材、液体と個体が混ざっている雑炊や水分を多く含むフルーツなどの食材は、とろみをつけたりゼリー状にしましょう。

ゆで卵や焼いもなどのぱさぱさしている食材には、つなぎになる食材を混ぜるとよいでしょう。例えばゆで卵はマヨネーズと和えたり、いもには牛乳やスープなどの水分を少し含ませて伸ばすと飲み込みやすくなります。

焼きのりやわかめなど、のどにくっつきやすい食材はは佃煮にするなど形態を工夫しましょう。
粉類や酸味がのどを刺激する食品やおもちやだんごなどの粘りが強い食品は、むせや窒息のリスクが高いのでなるべく控えたほうがよいでしょう。

飲み込みやすい食品

飲み込みやすい食品

飲み込みやすい食品としては、おかゆ、煮込みうどん、プリン、茶わん蒸しなどがあげられます。食材自体で飲み込みやすいというものには限りがありますので、さまざまな食材をその人の嚥下の状態に合わせて、調理法や形態を工夫することが大切です。

嚥下機能の評価別の食事形態

嚥下機能の評価別の食事形態

嚥下機能の評価別の食事形態は、日本摂食嚥下リハビリーテーション学会で作成された「嚥下調整食学会分類2013」を基準として選択します。

嚥下調整食4:歯肉の部分で食品を押しつぶすこと(噛みきること)ができる人
・硬いものは煮込んだり、蒸したり、つぶしたりする

・サラサラした液体はとろみをつける

・ばらばらなものは、マヨネーズや卵、小麦粉などのつなぎでまとめる

・ぱさぱさするものは適度な水分を含ませる

・とろみ剤を使用する

嚥下調整食3:舌と口の中の上の部分(口蓋)で食品を押しつぶすことができる人
→嚥下調整食4よりさらに柔らかい形状にする

嚥下調整食2-2:食品を押しつぶすことは困難だが口の中で食塊を作ることができる人
・一度調理したものや食材をミキサーやフードプロセッサーなどで細かくする

・さらさらした状態のものは、とろみ剤や水溶き片栗粉でムース状にする

・豆腐やヨーグルトなどのムース状の食材を利用する

嚥下調整食2-1:食品を押しつぶすことは困難だが口の中で食塊を作ることができる人
・とろみ食よりもさらになめらかで粒が残らない状態にする

嚥下調整食1:若干の食塊保持と食道への送り込み能力が残っている人
・口の外で食塊にして、そのまま丸のみしてもよいものにする

・液体をゼラチンで固めてべたつきや粒がないゼリー状やプリン状にする

・食事だけでは栄養が不十分となる場合が多いので、ゼリー状の栄養補助食品を活用する

嚥下の評価については、専門的な知識を持った医療従事者にしてもらう必要があります。しかし、家でも嚥下の機能低下について注意してみておく必要があります。

・食事中や食後にむせて咳込むことがよくある

・食事に時間がかかるようになった

・なかなか飲み込めないときがある

・飲み込んだ後でも口の中に食べ物が残っていることがある

・食べた後に声がかすれる

・痰がよくからむ

食事中や食後にこれらの症状がみられるときには、食べている食事の形態が現在の嚥下能力と合致していない可能性がありますので、医療従事者へ相談するようにしましょう。その他にも、食欲が低下していたり急な高熱や息苦しさの訴え、咳などの症状がある場合には、誤嚥が原因で肺炎を発症している可能性がありますので、医療機関を受診するようにしましょう。

調理の工夫の仕方

調理の工夫の仕方

とろみをつける

とろみのつけ方には様々な方法があります。水溶き片栗粉でとろみをつける方法やゼラチンを使用して固める方法があります。他にも、山芋や練りゴマなど、食材自体にとろみがついているものを活用する方法もあります。

市販でもとろみ剤が売られており、とろみ剤の利点としてはとろみをつけたいときにすぐ活用できるところです。水溶き片栗粉やゼラチンなどは加熱をしたり冷却をしたりなどの温度変化や時間が必要ですが、とろみ剤は温度に関係なくどのような食材にもとろみをつけることができるので、余計な手間や時間をかけずにすみます。

誤嚥しない大きさに切る

丸のみしても誤嚥することなく違和感がない食材の大きさは約1cm未満といわれています。ただし、細かく切ることで口の中で塊になりにくくなる食材(野菜やかまぼこなど)は、細かく切った後にとろみをつける必要があります。

柔らかく煮る

噛み切る力が弱くなっている場合には、箸で切れる程度に柔らかく煮る必要があります。圧力なべを使用したり真空調理をすることでより柔らかい仕上がりになります。

調理済みの食品を利用する

飲み込みやすい食品の調理は毎日のこととなるととても大変なものです。栄養のことを考えると毎日同じ食事というわけにはいかず、栄養のバランスを考えながら食事の形態のことも考えて献立を立てるのは労力がかかります。

そこで、利用すると便利なのが宅配弁当です。まごころ弁当では、利用する方の飲み込む力に合わせて、きざみ食やとろみ食、ムース食などを選択していただくことができます。日替わりで献立も変更されるので、栄養バランスが偏ることもなく、毎日の食事を楽しみながらとっていただくことができます。

嚥下食で大切なこと

嚥下食で大切なこと

嚥下食で大切なことは、その人の嚥下の能力に合わせた形態でつくるということです。噛む力がある人にムース食を提供しても食事を楽しめないでしょうし、噛む必要がありませんので噛む力がどんどん衰えてしまいます。逆に、噛む力が弱くなっている人に固い食事を提供しても、食べきることができませんので食事摂取量が減少してしまいます。その人の能力に合った食事形態を提供することが、その人の生活の質を保持し健康に過ごすために大切なことです。

また、食事の見た目も非常に大切です。ペースト状にするからといって、何もかも一度にペースト状にしてひどい色になっているお食事を食べたいと思う人はいないでしょう。年齢を重ねて、嚥下の機能が落ちたからといって食事を楽しむことができないわけではありません。

食事とは、視覚や嗅覚なども使って楽しむものです。なるべくおいしそうな見た目、匂いであることを意識することは食事を楽しむ上で重要であると言えます。食べる意欲を失ってしまってあまり食べないと、体力が落ちたり活気を失ったりします。

そしてあまり活動しなくなりお腹が減らなくなってさらに食欲が低下してしまうというように悪循環に陥ってしまいます。自分の口から食べるということは高齢者の健康を維持するうえで非常に重要です。生きる活力を失わないためにも、味も見た目もおいしい食事ということを心がけましょう。

食べるときには、急がずゆっくりと食べることを意識しましょう。少量ずつ口に入れて、全てを飲み込んでから次の一口を口に入れるようにしましょう。特に最初の一口を飲み込んだ後は口の中に残りがないかを確認することで、嚥下の機能を評価することができます。

食事というものは、1日3回毎日必ずとるものです。1食ずつこだわって作っていては負担が大きすぎることもあります。特に糖尿病や高血圧などの生活習慣病や腎臓病などの高齢者が罹患しやすい疾患を患っている場合、食事の形態だけでなくカロリーや塩分、タンパク質まで計算して食事を作成しなければなりません。他の家族に作った食事を嚥下食に利用したり、市販の嚥下食を利用することで負担を減らすことも大切ですが、カロリーや塩分などの制限までは厳密にできないことがほとんどです。

まごころ弁当では、個人に合わせた形態を選択できるだけでなく、カロリーや塩分、たんぱく質などの制限食も選択していただくことができます。また、制限食が必要でない方にも、毎日の摂取カロリーを把握することができるので健康管理が容易になります。高齢者のみの世帯の方や独居の方だけでなく、同居家族がいらっしゃる方でも、毎日の食事に対する負担を減らすことができます。

まとめ

年齢を重ねることで、食材を飲み込む機能は徐々に衰えていきます。そのような時に、飲み込みにくい食材を摂取すると誤嚥をしてしまい、肺炎を発症することで生命にかかわることもあり得ます。

しかし、誤嚥を予防するために食べることを辞めて点滴や経管栄養(鼻や口、もしくは胃に直接胃ろうを作ってチューブを通して栄養剤を流し込むこと)にすればよいのかと言えばそうではありません。食べることとは生きることです。自分の口を使って食べるということは、高齢の方のQOLを維持するために非常に重要なことです。その方の嚥下の機能の状態に合わせて、食材や調理法、食事の形態を選択し、できるだけ口から食事を摂取していくことが大切です。

飲み込みにくい食材は、誤嚥を予防できるように調理法を工夫する必要があります。毎日、その人に合わせた嚥下食を作ることは非常に負担が大きい作業となるので、上手に市販のものや宅配弁当を活用する必要があります。

まごころ弁当では、食事の形態だけでなくカロリー、塩分、たんぱく質などの制限食にも対応しており、負担を軽減しながらも食事を楽しみ満足していただける献立を毎日提供しています。嚥下に不安がある方は一度まごころ弁当を検討してみてはいかがでしょうか。

この記事の作成者:T.O(看護師)
この記事の提供元:シルバーライフ

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