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食事のタンパク質制限が必要になる腎臓病

作成日:2020年6月10日

食事のタンパク質制限が必要になる腎臓病

腎臓病とは様々な原因により腎臓や腎臓の中の糸球体、尿細管などが障害され腎機能が低下する病気のことを言います。腎臓病は無自覚のまま少しずつ進行することが多く、腎臓の機能不全状態になってしまうと人工透析が必要となったり、時として生命の危機的状況になることがあります。そうなる前に、腎臓病の方は日常生活の改善に努めなくてはなりません。その中でも、食事はタンパク質を制限する必要があります。

今回は、腎臓病についてとタンパク質制限について詳しく説明していきます。

腎臓の働き

腎臓の働き

腎臓の主な働きとして、体中を巡った血液をろ過して必要なものを再度取り込み、不要となった老廃物や塩分を尿として体の外へ排出する機能があります。他にも血圧を調整したり、体の水分量やイオンバランスを調節したりする働きもあります。これらは人間が生命を維持していく上で非常に重要な働きで、腎臓の機能が落ちてしまうと、老廃物や塩分を外へ排出することができなくなり、毒素が体に貯まってしまったり、体中に水が溜まってしまったり血圧をコントロールすることができなくなってしまいます。

腎臓病とは

腎臓病とは

何らかの原因で、腎臓や腎臓の中の糸球体や尿細管が障害されることで腎臓の機能が落ちてしまう病気です。腎臓の機能は一度落ちてしまうと、回復することがない場合が多いですが、早期に適切な治療や食事管理とすることで進行を防ぐことができますし、末期の状態になってしまったとしても人工透析を行うことで寿命を延ばすことが可能になってきました。

腎臓病には複数の種類がありますので、以下に代表的なものをまとめました。

糸球体腎炎

腎臓の中にある糸球体が炎症をおこすことによって、タンパク尿や血尿が出る病気のことを総称して糸球体腎炎と言います。急性期は溶血性連鎖球菌(溶連菌)などの細菌感染がきっかけであるため若年で起こることが多く、ほぼ完治させることができます。

慢性糸球体腎炎は、IgA腎症などが主な原因として挙げられ、自分の身体を外敵から守るはずの免疫グロブリンが外敵と合わさって腎臓に流れ着くことによって糸球体に炎症を起こしてしまう病気です。根本的な治療法はなく、食事管理とステロイドなどの薬物療法で治療を行っていきます。

腎盂腎炎

尿道や膀胱でおきてしまった感染が腎臓と尿管の接続部である腎盂に広がり、さらに腎臓へと広がっていく病気です。高熱や背中の痛みがあり、抗生剤で治療をします。膀胱炎などを放っておくとなりやすく、高齢の方などは特に敗血症をおこしやすいので注意が必要です。

腎不全

腎不全には急性腎不全と慢性腎不全があります。急性腎不全は急激に腎臓の機能が低下してしまう病気で、腎機能の低下を起こしている原因に対して治療を行えば腎機能の回復を見込むことができます。

慢性腎不全は、数か月から数年、数十年と長期間をかけて徐々に腎臓の機能が低下する病気で失われた腎機能の回復は見込めないことがほとんどです。慢性腎不全の場合には、血圧管理や塩分や水分の制限、たんぱく質制限などの食事管理、薬剤投与などによって、腎機能の悪化のスピードを遅らせる治療をします。それでも腎機能が悪化してしまった場合には、体内にたまっていく老廃物を除去するために人工透析や腎臓移植へと治療が移行していきます。

慢性腎臓病(CKD)

慢性腎臓病は、慢性的に(長期間をかけて)腎臓の機能が低下していく病気を総称したものです。この慢性腎臓病は、高血圧や肥満、糖尿病などの生活習慣病に関連が強く、成人の8人に1人がかかってしまう病気と言われています。

慢性腎臓病の怖いところは、初期には自覚症状がないところです。徐々に夜間に目が覚めてトイレに行きたくなったり、体がだるい、手足がむくむなどの症状が出現し、そのような症状が出た時にはすでに腎機能がかなり低下している場合が多いです。そして、慢性的に失われた腎機能は回復することがありません。これ以上の腎機能低下をどれだけ遅らせることができるかということが治療のポイントになっていきます。

慢性腎臓病の悪化を防ぐために

慢性腎臓病の悪化を防ぐために

規則正しい生活

慢性腎臓病の悪化を防ぐためには、ストレスは大敵です。何事も無理をせずにストレスは抱えすぎないようにしましょう。そして十分に休息をとることが必要です。早寝早起きをして、規則正しい生活を送るようにしましょう。

適度な運動

慢性腎臓病の原因となるのは、高血圧や肥満、糖尿病などの生活習慣病が大きく関連しています。これらの生活習慣病を改善するためには、適度の運動をすることが重要になります。高血圧などの状態で急激に激しい運動をすると体調を悪くする可能性もありますので、無理のない範囲で有酸素運動などを行うようにしましょう。また、適度な運動はストレス発散にもよい効果があるのでおすすめです。

喫煙・飲酒習慣の改善

喫煙は慢性腎臓病の発症や進行に関与していると考えられます。喫煙は百害あって一利なしと言われるように、さまざまな疾患の原因となります。心臓や血管に関する病気やがんなどのリスクも高まりますので、禁煙をするようにしましょう。

適度な飲酒は、気分転換にもなりますし慢性腎臓病の発症や進行には関連がないとされています。しかし、過度な飲酒は慢性腎臓病は腎不全の原因となり得ますし、肝臓などのさまざまな臓器にダメージを与えますので控えるようにしましょう。

正しい服薬管理

慢性腎臓病は、腎臓機能を補う薬や腎臓の機能が低下することで起こる様々な症状に対しての薬を内服する必要があります。

降圧剤

腎臓の機能が低下することで高血圧症になるのっで腎臓を保護する作用がある降圧剤を使用して血圧の管理をします。

利尿剤

尿の量を増やして体内の余分な塩分や水分の排出を促し、血圧をコントロールしたりむくみをとったりします。

体内の老廃物を外へ出す機能を補助する薬(経口吸着炭素製剤)

腎臓の機能が低下すると、本来体の外へ出されるはずの血液の中の老廃物が体の中に貯まってしまい尿毒症を引き起こします。この尿毒症の原因となる毒素を吸着し体の外へ出す薬を飲むことで、体内の老廃物を外へ出す機能を補助することができます。

血液をつくる機能を補助する薬(赤血球造血刺激因子製剤)

血液は腎臓から出されるホルモン(エリスロポエチン)の刺激によって骨髄(背骨の中にある血液を作る場所)で作られます。腎臓の機能が低下することによって、エリスロポエチンが出なくなり血液が十分に作られなくなり、貧血となってしまいます。この貧血をホルモン注射で改善させます。

貧血状態となると、さらに腎臓の機能が悪化してしまうという悪循環となってしまう上に、心臓への負担がかかり心不全となってしまうため、貧血の改善は必ず行う必要があります。

カリウム吸着剤

腎臓は塩分以外にもカリウムを排出役割がありますが、腎機能が低下することによってこのカリウムも体に貯まってしまいます。カリウムは体に貯まりすぎると不整脈を起こしたり手足がしびれてしまったりするので、必要以上のカリウムは体の外へ排出する必要があります。カリウム吸着材を内服することによって、腸の中でカリウムと吸着し体の外へ排出してくれます。

リン吸着剤

リンも同様に腎臓によって必要以上のものは排出されるのですが、腎機能が低下することによって高リン血症となり、心臓や血管に悪影響を及ぼしてしまいます。リン吸着剤を内服することによって、腸の中でリンを吸着し体の外へ排出してくれます。

活性型ビタミンD製剤

腎臓には、カルシウムを体内に吸収させるための活性型ビタミンDを作るという働きがあります。腎機能が低下し、活性型ビタミンDがつくられなくなると、カルシウムが吸収されず骨が弱くなってしまいます。そのため薬で活性型ビタミンDを補充する必要があります。

食事管理

慢性腎臓病の食事管理は、病期によってわけられています。初期の場合には、塩分制限、カロリー制限、タンパク制限の食事管理を行います。病気が進行するにつれて、カリウム制限や水分制限、たんぱく質のより厳しい制限が加わってきます。

食事は毎日のことですので、さまざまな栄養素を制限するのは非常に難しいですが、腎臓病が進行すると命に関わったり、一生人工透析を続けなければならず、QOL(生活の質)が著しく低下します。腎臓をいたわるために、病期ごとに医師から指示された制限食を守る必要があります。

食事のタンパク制限

タンパク制限食

慢性腎臓病の進行や合併症を抑えるために、特に病期が進行してきてからはタンパク制限が必要になってきます。しかし、持病や体質、病状などによってどの程度制限する必要があるのかは個人で違いますので、必ず医師の指示のもと制限するようにしましょう。

なぜタンパク制限が必要なのか

食事で摂取したタンパク質には、老廃物である窒素代謝物を作ります。腎機能が正常であれば、タンパク質から生成された窒素代謝物を体の外へ排出することができるのですが、腎機能が低下していると糸球体に大きな負担がかかります。そのため糸球体の機能が低下してしまい腎機能がさらに低下するという悪循環になってしまいます。この糸球体の負担を軽減させるために、摂取するタンパク質を制限する必要があります。

タンパク制限のコツ

タンパク質を制限すると言ってもむやみに何もかも食べないというわけにはいきません。タンパク質はごはんやパン、麺類などの主食にも含まれており、この主食で多くのタンパク質を摂取してしまうのはもったいないです。主食はでんぷん製品などの低タンパク質食品を使用するようにしましょう。

そして、体に必要な「必須アミノ酸(体の中で自分で作ることのできない9つのアミノ酸のこと)」をバランスよく含んでいる良質なタンパク質をしっかり摂取するようにしましょう。良質なタンパク質は、卵や肉、魚、乳製品などに多く含まれています。

タンパク制限で気を付けること

タンパク質を制限するとその分摂取するカロリーが減って、カロリー不足の状態だと筋肉を消費して減っていきます。また、筋肉はタンパク質から筋肉が作られているため、筋肉を消費するということはタンパク質が消費されていると同じことになってしまいます。

そのため、せっかくタンパク質を制限していても、カロリーが不足してしまうと、かえってタンパク質が消費され窒素代謝物が生成されてしまいます。そのため、タンパク制限で減ってしまったカロリーを糖質や脂質で補う必要があります。

タンパク制限食をつくるためには

ある日突然タンパク制限食を作りなさいと言われても、自分で勉強して作るのは非常に難しいと言えます。病院で栄養指導を受けたりパンフレットなどの資料をもらうこともできます。しかし、正確に制限し続けるのは非常に根気がいりますし、知識も必要になってきます。

そこでおすすめなのが、タンパク質制限食に対応しているお弁当の宅配サービスを利用することです。毎食計算して食事を作る必要がありませんし、低タンパク質の食材を買いに行く必要もありません。まごころ弁当では、カロリーや塩分も計算されますので、質の良いタンパク質を摂取しながらバランスのよい食事を毎日摂取していただけます。

宅配サービスを利用し、タンパク制限を正しくおこなうことで、腎機能が保たれ腎臓病の進行を防ぎQOL(生活の質)を向上することができます。

まとめ

腎臓には、血液から老廃物や塩分を体の外へ排出したり血圧や水分量をコントロールしたりするなど、生命活動を行う上で非常に重要な役割があります。さまざまな原因により腎臓の機能が低下するとこれらの働きが弱くなり、体に大きな影響を及ぼします。

特に慢性腎臓病と呼ばれる、近年罹患者が増加している生活習慣病に関連した腎臓病にかかると、腎機能が回復することはなく、腎機能の低下を遅らせるために日常生活の改善や服薬、食事制限が必要になります。食事制限は腎臓病の病期によって異なりますが、タンパク質制限が大切になります。質のよいタンパク質を制限内で摂取すること、カロリー不足にならないように糖質や脂質で補うことなどが大切となってきます。

制限食を作ることは、特に独居の方や高齢者のみの世帯の方には難しいといえます。そのような時には、タンパク質制限食を毎日提供することができる、まごころ弁当の宅配サービスを利用し、手軽に上手に腎臓を守る生活を送りましょう。

この記事の作成者:T.O(看護師)
この記事の提供元:シルバーライフ

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