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高齢者の介護における低栄養問題について

作成日:2020年6月10日

高齢者の介護における低栄養問題について

高齢で介護が必要な方は、低栄養が問題となることが多く、高齢者の3割は低栄養状態であるとの報告もあります。低栄養となることで、さまざまな弊害が生じてしまうため、高齢者を介護するうえではできるだけ栄養状態を保つことが重要となります。今回は、低栄養についてとその弊害について詳しく説明していきます。

低栄養の状態とは

低栄養とは
低栄養とは、食欲が落ちてしまったり噛む力が弱くなったりすることで食事の摂取量が減ったり、消化・吸収能力が低くなることなどで栄養状態が悪化し、体を動かすために必要なエネルギーや筋肉を作るために必要なたんぱく質が不足した状態のことを言います。

特に75歳以上の後期高齢者の方は、低栄養に陥りやすく生活をする上での活気が失われてしまいがちです。加齢に伴って筋力が落ちてしまうのは仕方がない部分もありますが、低栄養状態になると負の連鎖のようになってしまい、介護度が上がってしまったり寝たきりの要因になってしまいます。

寝たきりへの負の連鎖は低栄養から始まり、フレイルとよばれる虚弱の状態へと進行します。体重が減少したり、疲れやすくなったりすることで体の機能が低下し、身の回りのことを一人でするのが徐々に難しくなっていきます。

そのフレイルという状態から、さらにサルコペニアと呼ばれる筋肉量が低下した状態になり、ロコモディブシンドロームと呼ばれる骨や関節、筋肉の障害によって歩行や日常生活に支障をきたした状態へと進行していきます。このロコモティブシンドロームになることで転倒や骨折のリスクが高まり寝たきりとなり、一人での生活が難しくなり要介護状態となってしまいます。

低栄養の判定指標

低栄養の判定

低栄養の判定の指標として以下のものが挙げられます。

体重減少

・体重が半年の間に2~3kg減少
・1~6か月以内の体重減少率

体重減少率=(通常の体重ー現在の体重)÷通常の体重×100

体重減少率別の低栄養リスク
低リスク中リスク高リスク
1か月変化なし
減少率3%未満
減少率3~5%減少率5%以上
3か月減少率5~7.5%減少率7.5%以上
6か月減少率7.5~10%減少率10%以上

・BIM(体格指数)が18.5未満(高齢者は20未満でも低栄養のリスクが高い)

BIM=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)

血液検査値

・血清アルブミン値    3.5g/dl未満

・血中総コレステロール値 150㎎/dl未満

・血中ヘモグロビン値   貧血の指標となり、低栄養によって鉄欠乏性貧血が引き起こされる

高齢者の低栄養の原因

高齢者の低栄養の原因

加齢

高齢の方は、活動量が減ったり消化機能が低下することで食欲が低下しやすいです。また、食事に対する意欲そのものが減退してしまうこともあります。さらには、味覚や嗅覚が鈍くなってくるため食事がおいしいと感じられないことも原因の一つです。義歯が合わないことや噛む力、飲み込む力が衰えることで食事がとりにくくなることもあります。

病気に由来するもの

高齢者は様々な疾病に罹患していたり、持病を抱えていたりします。例えば悪性腫瘍(がん)などは体重が減少することで発見されることもあります。他にも内臓などに病気があると、栄養を十分に吸収できず低栄養状態となることがあります。

その他にも、体のあちこちが痛むことにより食欲が低下してしまったり、便秘や下痢などの消化器症状によっても食欲は左右されます。さらに、持病に対して様々な薬を内服している方は、その薬の副作用で食欲が減退することもあります。

また、認知機能障害によって食事そのものを忘れてしまったり食の嗜好が偏るなどして体重が減少してしまうこともあります。

社会的な要因

独居や老々介護などで、介護力が不足してしまっている場合や貧困などによってバランスのよい食事を摂取することができず低栄養になることがあります。

食事の形態

高齢者は、噛む力が弱くなってしまったり誤嚥(飲み込んだものが食道ではなく誤って気管へ入ってしまうこと)をしやすくなったりします。そのような時に食事の形態が適切なものでないと、嚥下(飲み込むこと)が上手にできず栄養摂取が不十分となってしまいます。また、誤嚥性肺炎となってしまった場合は、体力の消耗も著しく時には生命の危機となることもあります。

精神的な要因

ストレスやうつによっても食欲は減退します。特に独居の高齢者はうつにかかりやすいと言われており、急に食欲が低下したり活気が失われたりする場合には注意が必要となります。

低栄養による弊害

低栄養による弊害

体重減少

栄養不足が続くと、体に蓄えていた筋肉や脂肪を分解にしてエネルギーにしようとします。このことによって体重が減少してしまいます。

活動量の低下

低栄養によって筋肉が減ると、歩いたり立ったりするだけでなく日常的な動作も困難となってしまいます。これによって活動量が減るだけではなく寝たきり状態になってしまう可能性もあります。

転倒のリスク

低栄養によって筋肉が減り、さらに活動量が低下することによって転倒のリスクが高まります。高齢者の寝たきりの原因の多くは転倒による骨折によるものです。特に大腿骨骨折は寝たきりとなってしまう可能性が大きいです。低栄養によってカルシウムが不足していたり、特に高齢女性は骨粗しょう症になりやすかったりするため元来骨折のリスクは高いです。軽く転倒するだけでも骨折してしまう可能性もあります。

床ずれ

低栄養状態となり体重が減少することで、床ずれができやすくなります。特に仙骨という腰の骨の付近はリスクが高く、本来であれば脂肪や筋肉でおおわれている部位が、低栄養による体重減少によって骨が直接皮を圧迫してしまい皮膚の炎症が起きてしまいます。

低栄養状態ですと、たんぱく質や亜鉛などの栄養が不足し皮膚の回復も遅く1度床ずれがおきるとなかなか完治しません。床ずれは非常に痛く本人の苦痛も大きいです。特に寝たきりの方や活動量が減っていて同一の体勢であまり動かない方は床ずれのリスクが高まります。

免疫力の低下

低栄養状態では免疫力が低下します。免疫力を高めてくれるビタミン類などの摂取量が低下することで、風邪や肺炎などにかかりやすくなります。高齢の方の風邪や肺炎は命に関わるほど危険な場合があるので注意が必要です。

低血糖

食事をきちんととれないと低血糖(体の中の血糖値が下がりすぎること)になってしまうことがあります。特に糖尿病の治療をしている方でインスリンを投与している方や血糖降下剤を内服している方は、決められた摂取カロリーを守らないと低血糖になってしまいます。低血糖がひどくなると意識障害や死に至ることもあります。

低たんぱく血症

腹水(お腹に水がたまること)や浮腫(体がむくむこと)が起こりやすくなります。これによって身体を動かすことに制限が生じてしまい、さらに活動量が低下してしまうことがあります。

低栄養の予防方法

低栄養の予防方法

低栄養の予防方法は、バランスのよい食事をすることです。しかし、同居のご家族がいらっしゃるのか、独居や高齢者同士で住んでいる方なのかで少し予防法が変わってきます。

同居のご家族がいる方は、体重の変化や体調の変化に気づいてもらいやすく食事の管理もしやすいと言えます。しかし、若い人と同じメニューや味付けですと高齢の方には濃すぎたり重すぎたりすることがあります。また、嚥下機能によっては食事の形態を他の家族と変えたりする必要がある場合もあります。別メニューを3食作るのは思いのほか大変です。

そのような時には、宅配のまごころ弁当を活用することで食事を準備するご家族の負担を減らすことができます。高齢者によくある糖尿病や腎臓病などの持病に対応した、カロリー制限や塩分制限、タンパク制限などの制限食や、食事の形態を嚥下機能によって変更できるようになっているので、どのような方にでもその人に合わせたお食事を選択していただけます。

独居の方や高齢者同士で住んでいる方は、食事の準備が難しいだけではなく、体重減少などの細かな変化に気付きにくく、気付いた時には重度の低栄養であることは珍しくありません。目安としてはふくらはぎの1番太い部分を両手の親指と人差し指で囲んだ場合、隙間ができるときには筋肉量が非常に減っていると言えます。

特に気を付けてバランスのよい食事をとることを心がけましょう。食事の準備が難しい場合、まごころ弁当は日替わりでバランスのよい献立となっており、どのような食事形態でも宅配されますので低栄養状態の予防に非常に役立ちます。

さらに、生活にリズムをつけることも重要です。活動量が減ったり食欲が減退したりすると、つい朝食と昼食が一緒になってしまったり、変な時間に食べてしまって次の食事が十分に食べられないということもあります。食事摂取時間は3食きちんと決めるようにしましょう。そうすることで、内服薬の内服時間も一定になりますし、体内の消化酵素やホルモンの分泌などもバランスがよくなります。

どうしても食欲がわかないときには、間食を食べましょう。ゼリーやプリン、アイスクリームなど口当たりがよく高カロリーのものを選ぶと良いでしょう。また、普段の食事で不足しがちな栄養素を補えるものがベストです。乳製品が足りていなければヨーグルトやプリン、炭水化物がたりていなければふかしたお芋など、間食の内容も工夫することで、栄養をバランスよく摂取することができます。

低栄養状態の改善方法

低栄養状態の改善方法

体重減少などで低栄養状態であると判断した場合には、医療機関へ相談するようにしましょう。医師や栄養士の指示通りに食事の頻度や分量、摂取カロリーなどを守って食事を摂取するようにしましょう。

糖尿病などの持病がないかぎりは、一度に多くの食事が摂取できない方は食事の回数を増やして栄養を確実に摂れるようにしましょう。中年の頃までは、生活習慣病予防のために野菜を中心としてカロリーを抑えた食事をするよう指導されることも多くありますが、高齢となってくると重要であるのは、良質のたんぱく質を摂取することです。

野菜だけでなく普段の食事に肉、魚、卵、大豆などの食品を少しずつでよいので加えるようにしましょう。他には、食事の形態を工夫したり、味付けや彩りを変更してみたり、食事をする環境を変えてみたりすると食事摂取量が増える場合があります。このような工夫をしても栄養摂取が不十分である場合には、栄養補助食品や栄養剤などを食事に組み込んでみるとよいでしょう。

さらには、食欲を増進させるために適度な運動をしましょう。可能であれば外出して外の空気を吸ってみたり、お散歩をしてみることで食欲がわいたり筋肉量が増えるなどのよい効果が期待できます。

低栄養時に摂りたい栄養

低栄養状態の時に積極的に摂りたい栄養はエネルギーとなる糖質や脂質、血や肉になるたんぱく質、体の調子を整えるビタミンやミネラル、食物繊維などがあります。とくにエネルギー源とタンパク質は積極的に摂取し体力を維持する必要があります。

70歳以上の男性で1日に摂取したいエネルギーは2200kcal、たんぱく質は90g、女性ではエネルギーは1750kcal、たんぱく質72gとされています。この摂取したいカロリーやたんぱく質は活動量や体重によっても変動しますので、詳しい計算は医師や栄養士に相談する必要があります。

バランスの良い食事を

高齢者の方は様々な要因から低栄養になりやすいです。低栄養状態になると筋力が低下し活動量が減少、転倒のリスクが高まり寝たきり状態となってしまうという負の連鎖に陥ってしまいます。自立して健康な生活を送るためには栄養状態を保つことが非常に重要です。

高齢の方は、噛んだり飲み込んだりする力が弱くなってしまっていたり、環境的な問題でバランスの良い食事を準備することが難しかったり、食欲自体が落ちてしまっていたりすることがあります。そのような時、非常に便利で有効であるのが宅配弁当です。

まごころ弁当では、栄養バランスのとれた日替わりの献立で食事を毎日配達することができます。また、その方の咀嚼や嚥下の状態に合わせた食事形態や持病などに合わせた制限食を提供することができますので、どのような方にもご利用していただくことができます。

食事を規則正しくバランスよく摂取することは健康を維持するだけでなく、人間らしい生活を送る上で非常に大切なことです。少しでも長く健康で自分らしく生きていくためにも、バランスの良い食事を摂取することを心がけ、そのためにできる工夫をしていきましょう。

この記事の作成者:T.O(看護師)
この記事の提供元:シルバーライフ

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