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熱中症の予防と対処法について

作成日:2020年9月3日

熱中症の予防と対処法について

近年、夏の気温が上昇し熱中症のリスクが高まっています。熱中症は、気付いた時には重症化していることが多く、重症化すると意識を失ってしまったり最悪の場合、生命にかかわることがある危険な症状です。今回は、暑い夏を安全に乗り切るために、熱中症の予防と対処法について詳しく説明していきます。

1. 熱中症とは

熱中症とは

熱中症とは、気温や湿度などが高い環境の中で、身体の体温も上がり身体の中の水分や塩分のバランスが崩れ、身体の中のさまざまな調整機能が破綻することによっておこる症状の総称のことです。一言に熱中症と言っても、熱失神や熱けいれん、熱疲労、熱射病と症状によって診断が異なります。熱中症の重症度は、その症状によってⅠ度Ⅱ度Ⅲ度に分類されます。

症状診断名
Ⅰ度・めまい・失神・顔面蒼白・頻脈
皮膚の血管が拡張することによって血圧が低下し、脳への血流が瞬間的に不足した場合に生じます。
・筋肉痛・筋肉の硬直・筋肉のけいれん
大量の発汗に伴う塩分(ナトリウム等)の欠乏により手足や腹部などの筋肉に異常が生じます。一般的に筋肉のこむら返りと呼ばれる状態のことで、こむら返りした部位には痛みが伴います。
・手足のしびれ・気分の不快
熱失神

 

 

 

熱けいれん

Ⅱ度・頭痛・吐き気・嘔吐・倦怠感・虚脱感
大量に汗をかき、水分摂取とのバランスが悪くなって身体が脱水状態になった際に起こります。
体に力が入らなかったり、体がぐったりするなどの症状が生じます。反応が少し悪かったり、いつもと様子が違ったりするなどの、ごく軽度の意識障害を認めることがあります。
熱疲労
Ⅲ度・意識障害・けいれん・手足の運動障害
体温が上昇し身体の中枢機能に異常をきたして起こります。
呼びかけや刺激に対する反応が鈍かったり、全身がけいれんしたり、まっすぐ走ったり歩いたりすることができなくなったりします。
・高体温
・肝機能障害、腎機能障害、血液凝固障害
熱射病

熱中症のⅠ度の段階では現場で対処可能ですが、Ⅱ度以降は医療機関への受診が必要になります。特にⅢ度は非常に危険な状態ですので、入院して集中的な治療が必要となる場合があります。

2. 熱中症のメカニズム

熱中症のメカニズム

気温や室温が上がることによって、体温が上昇します。私たちの身体には常に平熱を保とうという働きがあります。そのため、体温が上昇した際には心拍数を上昇させ皮膚の血管を拡張させることで身体の中の熱を外へと逃がしやすくさせます。しかし、それでも体温の上昇を防ぐことができなくなると、心拍数の上昇と皮膚の血管拡張がさらに加速し、脳へと血液が届かなくなります。この状態が熱失神です。(重症度Ⅰ)

他にも、体温が上昇したときには発汗させて体温を下げようとする働きがあります。しかし、過剰に発汗した場合、血液の中の塩分(ナトリウムなど)も一緒に身体の外に出て行ってしまい塩分不足になってしまいます。体の中の塩分バランスが崩れることによって熱けいれんがおこります。(重症度Ⅰ度)

さらに、暑い環境が続き体温の上昇を防ぐことができない状態が続くと、発汗が過剰になりすぎて体の中の塩分だけではなく水分も不足し脱水状態となります。そうなると熱疲労状態となってしまいます。(重症度Ⅱ度)

脱水状態になると、体の中の水分が足りないので発汗することができなくなり、体の熱を逃がすことができず体温上昇が止まらなくなってしまいます。これにより熱射病となり、中枢機能が障害され筋肉や臓器に異常をきたしてしまい最悪の場合命に関わる事態となってしまいます。(重症度Ⅲ)

3. 熱中症が発生する要因

熱中症が発生する要因

熱中症が発生する要因としては、高温や多湿、強い日射や風が吹かないなどの環境によるものが挙げられます。また、近年では屋外だけでなく屋内でも熱中症にかかる人が増えているので注意が必要です。

熱中症は、子どもと中年、高齢者に起こりやすいと言われています。乳幼児期の子どもは体温調節機能や汗腺が十分に発達していないため熱中症にかかりやすいです。また、喉が渇いているという自覚がなかったり、意思表示が未熟であったりすることもあるので大人がしっかりと注意しておく必要があります。

また、思春期頃になると、部活動などの運動により熱中症になりやすくなります。運動時にはこまめに水分や電解質を摂取するようにして、危険な暑さのときには運動をしないという選択も必要になります。

中年の方は、主に男性の方で仕事中に熱中症になってしまうことが多くあります。高温多湿の環境下で作業をする仕事をしている方や、外回りの営業などの働く環境により熱中症のリスクは上がります。休憩をこまめにとり、バランスの良い食事を摂取し身体の中のミネラルバランスを整えておくことが重要です。

高齢の方は、体温調節機能が低下していたり、喉の渇きや暑さを感じにくくなっていたりするために、気付かないうちに熱中症になっていることがあります。また、近年では独居の高齢者が増えており、気付いた時には意識障害が出現していたということもありますので、こまめな水分摂取や室温の調整などが必要となります。

4. 熱中症の予防

熱中症の予防

熱中症の予防の大前提は、高温の環境に長時間いないことです。体温を上昇させないということが大切になります。

① 暑い環境を改善する

カーテンやすだれなどを利用して、家の中に直接日光が当たらないようにして室温の上昇を防ぎましょう。また、扇風機やエアコンを積極的に活用して室温を下げたり気流を発生させるようにしましょう。

気温が高いときには無理に外出をしないようにしましょう。なるべく午前中や夕方などの気温が比較的低い時間帯に活動するようにするとよいでしょう。どうしても外出するときには、日陰を選んで歩いたり帽子をかぶるようにしましょう。

② 涼しい服装を心がける

下着は速乾性のものや吸汗性のある素材を選ぶようにしましょう。首元はなるべく解放して風通しを良くするようにしましょう。汗をかいたら服を着替えて汗をしっかりと拭きとるようにしましょう。

③ 水分補給をこまめにする

水分補給はこまめにするようにしましょう。喉が渇いたと感じてから摂取しても遅い場合がありますので、汗をかいていたり体が熱いと感じるときには喉が渇く前にしっかりと水分補給をしましょう。また、特に子どもや高齢の方は一度にたくさんの水分を摂取することができないので、少量を何度も摂取するようにしましょう。

夜間の就寝中には気付かないうちに大量の発汗をしています。寝る前には必ずコップ1杯の水分を摂取するようにし、夜間目が覚めた時にもすぐに水分を摂取できるように、就寝場所の近くに水分を準備しておくなどの工夫をするとよいでしょう。
大量に発汗しているときには、水分だけではなく体の中の塩分(ナトリウムなど)も体の外へと排出されてしまっています。そのため、水分だけを摂ってしまうと、逆に体の中の電解質の濃度が下がってしまい、電解質異常となり熱中症を悪化させてしまうことがありますので、水分と一緒に塩分を摂取する必要があります。

塩分は糖分と一緒に摂取することで吸収が早まると言われていますし、発汗して体力を消費している状態ではエネルギーの補充も必要ですので、塩分も糖分も含まれているスポーツドリンクや経口補水液を摂取するようにしましょう。スポーツドリンクには糖分が多めに含まれており、常用すると糖分過多となってしまったり、糖尿病の方は症状を悪化させてしまうこともありますので、飲みすぎには注意が必要です。

特に高齢の方はあらかじめ経口補水液を常備しておくことがおすすめです。

④ 日頃からバランスの良い食事を心がける

夏になると、夏バテをしてしまい食事摂取量が減ってしまうこともあるかもしれません。しかし、バランスのとれた食事を摂取していないと、体の中の塩分などの電解質のバランスが崩れてしまったり、エネルギーが不足して熱中症になりやすい身体になってしまいます。塩分を過剰にとる必要はありませんが、1日に必要な栄養素をきちんと摂取することが熱中症予防へとつながります。

⑤ 規則正しい生活を送る

寝不足の状態が続いていると、脳の働きが鈍くなり体温を調節する機能が落ちてしまうことがあります。同じ時間に起きて同じ時間に寝るようにして、なるべく規則正しい生活を送るようにしましょう。

また、飲酒のし過ぎにも注意が必要です。アルコールは分解するために水分を必要としたり、そもそも利尿作用もあるため、脱水状態になりやすいです。寝ている間、ただでさえ大量に発汗する上に大量にアルコールを摂取した状態で寝ると脱水状態に拍車がかかります。また、アルコールは体温を上昇させる作用もあるためより発汗しやすいと言えます。熱中症予防のためには、寝る前の大量のアルコール摂取は控えるようにしましょう。

さらに、ウォーキングなどの有酸素運動を日ごろから習慣化させ汗をかくことや暑さに身体を慣らしておくことも重要になります。

⑥ 体調管理をする

風邪をひいて発熱している場合や体力が落ちている人、嘔吐や下痢などの症状がある人は熱中症にかかりやすいです。このような体調不良に陥らないためには、手洗いうがいをしっかりとし、バランスの取れた食事を十分に摂取し、良質な睡眠をとることが必要になります。また、体調を崩しているときには、熱中症にかかりやすいということを理解し、よりこまめに水分を摂取したり塩分や糖分を意識的に摂取するようにしましょう。

5. 熱中症の対処法

熱中症の対処法

高温や多湿の環境下で、立ちくらみや筋肉のこむら返り、ぐったりする、けいれんするなどの症状があるときには熱中症を疑いましょう。

① 涼しい環境を整える

屋外で熱中症が疑われるときには、風通しのよい日陰や室温が調整されている屋内へと移動させましょう。屋内で熱中症が疑われるときには、扇風機やクーラーを活用して気流や室温を調整するようにしましょう。

② 脱衣と冷却

可能な限り衣服を脱がせて熱を放散させるようにしましょう。また、皮膚に直接水をかけて扇風機やうちわで風を送り体温を下げるようにしましょう。身体の中にある太い血管を集中的に冷やすことで体温を効率よく下げることができます。首やわきの下、太ももの付け根などに太い血管が通っていますので、この部位に氷嚢や冷たいものをあてて体温を下げるようにしましょう。

③ 水分と塩分と糖分を補給する

熱中症を疑われるときには、単純に水分だけだと脱水症を改善させることができないため、水分と塩分と糖分を同時に補給するようにしましょう。1番よいのは経口補水液ですが、ない場合にはスポーツドリンクや水と一緒にお菓子やくだものなどを摂取するようにしましょう。

意識がはっきりしないときには、水分や食物を無理矢理摂取させようとすると、窒息してしまったり誤嚥してしまったりすることがありますので、水分を自力でとれない状態のときには病院へ行って点滴治療が必要となります。吐き気や嘔吐の症状があるときにも、かえって嘔吐を誘発して、より脱水症状が進行してしまったり誤嚥してしまったりすることがあるので、無理矢理口から水分を摂取しないようにして病院を受診するようにしましょう。

④ 迷ったら医療機関を受診する

熱中症は、気付かないうちに重症化してしまうことがあり、処置が遅れると命の危険性も高まります。熱中症かもしれないと思って、環境を整えたり水分を摂取したりしても症状が改善しないときには、医療機関を受診するようにしましょう。

また、意識がはっきりとしなかったり、水分を自力でとれないときにはすぐに医療機関を受診するようにしましょう。特に意識が完全になくなってしまっている場合には救急車を呼んで早急に治療をする必要があります。判断に迷った場合には、医療機関を受診して相談する必要があるということを頭にとめておきましょう。

6. まとめ

まとめ

年々気温が上昇し、熱中症のリスクが高まっています。これまで熱中症は屋外で発症するものだと認知されてきましたが、近年では屋内での熱中症も増加しています。熱中症を予防するためには、体温を上げない環境づくりと、積極的な水分摂取、バランスの取れた食事や規則正しい生活を送ることが必要になります。特に独居の高齢の方は、食事や水分摂取が不十分であったりして気付いた時には熱中症になってしまっていることが多くあります。

まごころ弁当では、バランスのとれた食事を宅配すると同時に、毎日の配達で安全確認の役割も担うことができます。高齢の方や独居の家族が心配な方は、ぜひ食事管理と安全確認ができる宅配サービスのまごころ弁当をお試しください。

この記事の作成者:T.O(看護師)
この記事の提供元:シルバーライフ

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