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アルコールを摂取しすぎると何がいけないの?

作成日:2020年11月5日

アルコールを摂取しすぎると何がいけないの?

アルコールは、飲みすぎると体にさまざまな影響があると言われています。少量であれば体によいという意見もありますが、実際にどうであるのか、また具体的にどのような影響があるのかについて詳しく説明していきます。

1. アルコールとは

アルコールとは

アルコールとは、お酒の主成分の1つです。広い意味だとアルコールには、エチルアルコールやメチルアルコール、プロピルアルコールなどの種類があります。お酒として飲まれているのは、エチルアルコールで、その中でも発酵アルコールと呼ばれるものです。糖質原料やでんぷん質原料を発酵させてつくったアルコールで、お酒や飲食料品などに使用されています。

他にも同じエチルアルコールで合成アルコールと呼ばれるものがありますが、これはエチレンと水を原料として化学反応で作られたアルコールで高純度のものであるため洗剤や消毒液、化粧品などに使用されています。

2. アルコールの吸収と分解

アルコールの吸収と分解

口から摂取されたアルコールは、約20%が胃から、約80%が小腸で吸収されると言われています。摂取したアルコールの濃度や種類によって吸収速度が異なりますが、空腹時に摂取したアルコールは60~90%程度は、30分以内に吸収されると言われています。最も吸収されやすい濃度のアルコールは約20%程度と言われており、濃度が高すぎるアルコールを摂取すると、胃の粘膜を傷つけてしまい胃の粘膜からの吸収が阻害されます。

アルコールの吸収が速くなる原因としては、胃の切除後や空腹、飲酒前の水分摂取などが挙げられます。胃自体が小さいと、胃を通り過ぎるのが早く、より多くのアルコールが小腸へと通過するため、アルコールの吸収が速くなります。空腹や飲酒前の水分摂取などは、胃の中に何もない状態にすることで、アルコールの吸収を速める効果があると言われています。

胃と小腸から吸収されたアルコールは、門脈という太い静脈から肝臓に入って肝臓でアルコールが分解されます。そこからさらに全身へとめぐっていき、筋肉や心臓でさらに分解されて水と炭酸ガスになります。

3. アルコールを摂取するメリット

アルコールを摂取するメリット

① ストレス緩和ができる

アルコールを摂取するメリットとして、気分転換やストレス緩和ができることが挙げられます。アルコールを摂取することによって、気分が高揚し、精神的な緊張をほぐすことができると言われています。

② 食欲が増進する

アルコールを摂取すると胃液の分泌が活発になり、消化を助け食欲が増進すると言われています。

③ 血行をよくする

アルコールには血行促進作用があるため、体中の血のめぐりを良くしてくれる効果があります。血行がよくなると、血色がよくなったり冷え性が改善したりします。

④ コミュニケーションが円滑になる

アルコールを摂取することで、普段言えないことも言えるようになったり、緊張がほぐれてリラックスでき、和やかな雰囲気をつくることができたりします。

しかし、これらのメリットは、アルコールを摂取しなければ得られないというものではありません。例えばストレス発散や血行促進などは、軽い運動や入浴、ストレッチでも得られるメリットです。アルコールには、デメリットも存在し、それをきちんと理解したうえで、適量を摂取することが大切であると言えます。

4. アルコールを摂取することのデメリット

アルコールを摂取することのデメリット

アルコールを摂取しすぎると肝臓に悪いというのは多くに人が聞いたことがあるのではないでしょうか。しかし、アルコールの過剰摂取は肝臓だけではなく、さまざまな身体的精神的なデメリットがあります。

① 消化器の病気

アルコールは、口から入って胃と小腸で吸収された後、肝臓に移動して分解されます。そのため、アルコールを摂取しすぎると肝臓への負担が大きくなってしまいます。負担が増えた肝臓は、はじめに脂肪肝になると言われています。

脂肪肝とは、中性脂肪が肝臓に蓄積する病気で、アルコールが原因でなる脂肪肝をアルコール性脂肪肝と言います。脂肪の割合が肝臓の細胞の30%を占める場合に診断されます。なぜアルコールを摂取すると脂肪肝になるかというと、アルコールは肝臓で分解されるときに中性脂肪に合成されやすいためです。

肝臓は沈黙の臓器と呼ばれるほど、異常があったとしても自覚症状がないことが多いとされています。そのため、脂肪肝になっていても気付くことができず、肝臓の細胞の繊維化(硬くなること)が進んで、慢性肝炎、肝硬変、肝臓がんへ進行してしまうこともあります。

肝臓以外にも膵臓もアルコールが原因となって炎症を起こしたり、それが元となって糖尿病になったりします。膵炎には急性膵炎と慢性膵炎があり、急性膵炎は、アルコールや胆石が原因でおこり、強い痛みや発熱などの症状が出現します。重症の場合には意識障害やショック状態に陥ったりする危険な疾患です。

慢性膵炎は長期間にわたってアルコールを摂取しすぎることが原因でおこることが多いとされています。また、膵臓は、血糖値を一定に保つために必要なインスリンを分泌する臓器です。そのため、アルコールによって膵臓の機能が落ちてしまうと、インスリンを分泌する能力が低下して糖尿病を発病することがあります。

また、肝臓や膵臓以外にも、食道や胃など、アルコールが口から入ってきて消化、吸収されるまでの間の器官にも影響があると言われています。逆流性食道炎や、胃炎、下痢など、さまざまな消化器疾患の症状が出現することがあります。

② 生活習慣病

生活習慣病とされる肥満、高血圧、脂質異常症、高血糖などには、アルコールの過剰摂取が関係していることが多いとされています。アルコール自体の摂取カロリーだけではなく、一緒に食べるおつまみが高カロリーであったり、塩分が過多であったりすることが原因で、肥満や高血圧、高脂血症などのリスクが高くなってしまいます。

また、いくらカロリーオフとの表示があったとしても、アルコールは肝臓で分解する際に中性脂肪に分解されるので、肥満や高脂血症のリスクは高くなると言えます。

③ がん

アルコールによって、口腔、咽頭、喉頭、食道、肝臓、大腸、乳がんなど、さまざまな器官でがんのリスクが上がることが指摘されています。とくに、少量のお酒でもすぐに赤くなる体質の人は、食道がんのリスクが高いと言われています。

④ 痛風

痛風は、血液中の尿酸値が正常よりも高くなってしまい、非常につらい痛みを伴う病気です。アルコールは摂取することによって、尿酸値が増大してしまうため、痛風発作が起こった方は、飲酒を制限することをおすすめします。

⑤ 急性アルコール中毒

急性アルコール中毒は、短時間で一度に大量のアルコールを摂取することによって、血液中のアルコール濃度が一気に上昇し、意識障害や血圧低下などのショック状態になることを言います。重症の場合には、命に関わる状況になることもあります。

⑥ アルコール依存症

アルコール依存症は、誰でもなりうる病気で、飲酒が習慣的になってくると、徐々に自分で自分でお酒を飲む量やタイミングなどをコントロールすることができなくなってしまいます。気付いたらお酒を飲んでいたなど、飲酒しているときの記憶がなくなったりして、アルコールに対して精神的な依存をしてしまいます。

そして、さらに飲酒の機会や飲酒量が増えてくると、肝臓や膵臓の機能が落ちたり血圧が上昇したりするなど、体調にも異変がおこってきます。そこからさらに進行すると、飲酒をしていないと発汗や震え、イライラなどの離脱症状が出てくるような身体的依存の状態になってしまいます。これによって、日常がアルコールに支配されてしまい、家庭が壊れてしまったり、失業してしまったりするなど、社会的にも大きなダメージを受けるようになります。

さらに依存状態が進むと、肝機能が低下したり、脳が委縮して認知症のような症状が出現したりします。そして、最終的には命に関わるような状態になることもあります。
アルコール依存症は、最初はただの晩酌程度だったのに、気が付いたら飲酒していないと気が済まないという状態になってしまったりして、自分では気づかないうちに依存してしまっていることも多くあります。

⑦ 胎児への影響

妊娠中に母親が飲酒した場合、胎児や乳児の低体重や奇形、脳障害などのさまざまな先天性の疾患のリスクが生じる可能性があると言われています。これは胎児性アルコール症候群と呼ばれていて、出生直後だけではなく、成人後のアルコール依存症の発症リスクが高まったり、ADHD(注意欠如・多動症)の原因と考えられていたり、生きていく上で様々な影響があると言われています。

⑧ アルコールに関連した事件

依存症の状態になってしまうと、飲酒後でも車の運転を我慢することができなくなり、飲酒運転をして事故を起こしてしまうこともあります。他にも、自制がきかずに犯罪をおかしてしまう人などもいます。

5. アルコールの適量

では、どのくらいの量が飲みすぎで、どのくらいの量が適量とされているのでしょうか。厚生労働省が定めるアルコールの適量とは1日20g程度となっています。20gのアルコールとは、ビール中瓶1本、日本酒1合、酎ハイ1本、ワイングラス1.5杯などになります。また、アルコールは飲む人の条件によって分解の速度が変わってきます。

アルコール分解遅いアルコール分解速い
女性男性
若年、高齢者中年
身体が小さい身体が大きい
空腹時食後
睡眠時覚醒時
フラッシング反応ありフラッシング反応なし

上の表のように年齢や性別、身体の大きさや状況などによってアルコールの分解速度は異なってきます。フラッシング反応とは、ビールコップ1杯程度の少量の飲酒でも、顔面が赤くなったり、吐き気や眠気、動悸などのさまざまな反応が出現する状態のことです。このようにアルコールの分解速度が遅いとされている条件に当てはまる人は、アルコールによる影響を受けやすいため、飲酒量を適正にしたり、飲酒量をなるべく控えることが推奨されています。

6. アルコールを適量に保つために工夫すること

アルコールを適量に保つために工夫すること

アルコールを摂取するときには、まず空腹時を避けるようにしましょう。また、一気に多量に飲まないようにしましょう。空腹時にアルコールを摂取すると、血液中のアルコール濃度が急上昇してしまい、急性アルコール中毒のリスクや、身体的な疾患のリスクが高まってしまいます。

他にも週に2日程度は休肝日を設けてみて、毎日飲むという習慣を断ち切るとよいでしょう。肝臓をしっかりと休めることも大切ですし、自分が依存症であるのかどうかも判断する材料になります。そして、飲んでいないと落ち着かなかったり気付いたら飲んでしまっているなど依存していると思ったときには、早めに医療機関を受診するようにしましょう。

7. まとめ

まとめ

アルコールは、嗜好品として人気があり、飲むとリラックスできたり、ストレスを発散することができたりするメリットがあります。特にストレスがたまっている人は、アルコールを摂取したくなることもあると思います。

しかし、アルコールには体によくない影響があることが明らかにされています。消化器系の疾患やがんだけではなく、急性アルコール中毒などの命に関わるものや、アルコール依存症などの本人だけではどうしようもない病気にかかってしまう可能性もあります。

そのため、アルコールは適度に摂取することを心がける必要があります。厚生労働省が示している適量の範囲内でアルコールを楽しむこと、アルコールを毎日摂取するのではなく休刊日を設けること、依存状態だと気付いた時にははやめに病院を受診することが大切です。

また、飲酒をするときには、おつまみとして塩気が強いものや脂っこいものを一緒に摂取しがちです。アルコールそのものだけではなく、このように一緒に摂取するおつまみや、アルコールによって食欲が増進してつい食べすぎてしまうということも問題です。アルコールを摂取しすぎると肥満になったり生活習慣病になったりすると言われるのはそのためです。

健康的な生活を送るためにアルコールを全く摂取してはいけないということではなく、過剰に摂取しすぎないことや食事を食べすぎないこと、食事の味付けやバランスに気を付けることが大切です。まごころ弁当では、バランスがよくカロリー計算された食事を毎日宅配でお届けすることができます。アルコールは飲みたいけれど、摂取カロリーが気になる方や、生活習慣病が気になっている方はぜひお試しください。

この記事の作成者:T.O(看護師)
この記事の提供元:シルバーライフ

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