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動脈硬化を改善するためには

作成日:2020年11月5日

動脈硬化を改善するためには

生活習慣の欧米化によって、さまざまな生活習慣病にかかる人が年々増加してきました。その中でも、血管の病気の原因となるのが動脈硬化です。今回は動脈硬化についてと、その改善方法について詳しくお話していきます。

1. 血管とは

血管とは

私たちの身体は、全身に血管が巡っていて、その血管の中を栄養分や酸素を含んだ血液が通って、全身へと運んでいきます。そして、身体の細胞のすみずみにまで栄養分や酸素を送りこんだ後、細胞からいらなくなった老廃物や二酸化炭素を受け取り心臓へと戻って処理をしています。この栄養分や酸素を多く含んだ血液が通る血管を動脈、老廃物や二酸化炭素を多く含む血液が通る血管を静脈といいます。

血管は、一番内側から内膜、中膜、外膜の3層構造となっていて、私たちの身体の健康を守っています。

2. 動脈硬化とは

動脈硬化とは

動脈硬化とは、病名ではなく、動脈の壁が厚くなったり、弾力性が失われて硬くなったりして、働きが悪くなった状態のことをさしています。

バランスの悪い食生活や慢性的な運動不足、睡眠不足などのさまざまな生活習慣によって、血液中のコレステロールの濃度が上昇してしまいます。その状態が持続することによって、血管の1番内側の内膜にコレステロールが蓄積して、血管が狭くなり、血液の塊である血栓を作ったり、傷となる潰瘍(かいよう)をつくってしまいます。これによって、狭心症や心筋梗塞、脳梗塞、大動脈瘤などのさまざまな血管の病気を発病してしまいます。

人間の血管は生まれた時から、徐々に劣化していっていると言われています。20~30歳頃から徐々に進行し、50~60歳になると、血管がさらに狭くなりさまざまな病気へと進行してしまいます。動脈硬化は、身体に何も症状がないうちから徐々に進行し、病気が発覚することで気付くことも多いです。

3. 動脈硬化によって引き起こされる疾患

動脈硬化によって引き起こされる疾患

動脈硬化を放っておくとさまざまな病気の原因になります。

1) 狭心症

狭心症は、心臓の筋肉に本来供給されるべき酸素が、心臓に栄養を送っている冠動脈という血管が細くなることによって、血のめぐりが悪くなり酸素不足となり、一時的に痛みや圧迫感の症状が出現する病気です。

内服で治療をする場合もありますが、悪化すると、冠動脈にステントといって血管を内側から広げるものを入れる手術や、バイパス術といって、狭くなったり詰まったりしている血管の先に新しい血管をつなげる手術をしなければならないこともあります。

2) 心筋梗塞

心筋梗塞は、心臓の筋肉が酸素不足の状態が続き、壊死(えし)してしまう病気です。狭心症は一時的な症状ですが、心筋梗塞は心筋細胞が死んでしまうので、非常に激しい胸の痛みがおこります。細胞は1度死んでしまうと元の状態には戻らないので、心筋梗塞がおこった場合には、すぐに病院へ行き処置が必要になります。

詰まっている血栓(血の塊)をとかす治療や、心臓の血管のバイパス術が行われます。心筋梗塞は、対応が遅れて壊死の範囲が広がると、呼吸困難や血圧低下などをまねき、最悪の場合には命に関わる状態になることもある恐ろしい病気です。

3) 脳梗塞

脳梗塞は、脳の血管が詰まることによって血流が途絶えて、脳細胞に酸素や栄養素が届かなくなり、脳細胞が壊死(えし)してしまう病気です。症状としては、左右どちらかの手足や顔面が動かしにくくなったり、ふらついて歩けなくなったり、話ができなくなったりするなどが出現します。このような症状が出現したら、早急に病院を受診して、脳の血管に詰まっている血栓を溶かす治療をする必要があります。

治療が遅れると、手足の麻痺や言葉の障がいなど、後遺症が残ってしまったり、最悪の場合には命の危険も伴います。

4) 脳出血

脳出血は、脳に栄養を送っている動脈が破れて出血してしまう病気のことで、脳梗塞と同様の症状が出現します。

出血の程度によって症状の現れ方も異なります。脳出血もすぐに病院での処置が必要になります。血圧を下げる治療をし、それでも出血が止まらなかったり全身の状態が悪い場合には、頭の骨をあけて血液の塊を取り除いたり、脳の圧迫を減らす手術が行われます。脳出血も脳梗塞と同様に後遺症が残ってしまう場合や、命の危険がある場合があります。

5) 大動脈瘤

大動脈瘤とは、腹部や心臓にある大動脈という太い血管がこぶのように膨らんだ状態のことで、こぶができた場所によって、胸部大動脈瘤、腹部大動脈瘤と呼ばれます。

大動脈瘤は、動脈硬化や高血圧などによって、血管の壁が薄くなり、膨らんでできると言われています。
大動脈瘤は、自覚症状がないままに大きく膨らんでしまいます。そのまま気付かずに大動脈瘤が破裂すると、胸やお腹の中で大出血をおこして激しい痛みがおこり、命を落としてしまうことが多いとされています。

このように、動脈硬化は命やその後の生活に大きく関わるような非常に重い病気の原因となるとされています。

4. 動脈硬化を加速させる5つの原因

動脈硬化を加速させる5つの原因

動脈硬化は、さまざまな危険因子が重なり合って進行していきます。危険因子の中には、「加齢」や「男性」など自分ではどうしようもないことも含まれますが、生活習慣を改善することで進行を遅くすることはできます。以下に、自分で改善することができる、動脈硬化の危険因子をまとめました。

1) 高血圧

高血圧は、さまざまな病気の原因となる病態で、生活習慣によって悪化します。血圧とは、血管の内側にかかる圧力を測定した値のことで、高血圧の状態が続くことによって、血管に大きな負担がかかります。長期間、血管に負担がかかることによって、動脈硬化が進行してしまいます。

日本高血圧学会によって定められた高血圧の基準値は、最高血圧(収縮期血圧)140㎜Hg以上、最低血圧(拡張期血圧)90 mmHg以上とされています。血圧を測定したときに、この基準値を上回るようであれば、まずは食生活の見直しが必要です。塩分を摂りすぎていないか、カリウムやカルシウムは不足していないか、食事のバランスはきちんととれているのかを確認しましょう。

また、肥満やアルコールの過剰摂取、喫煙、運動不足なども高血圧の原因となるので、生活習慣を見直しましょう。

2) 脂質異常症

脂質異常症(高脂血症)は、血液中の脂肪が多い状態のことを言い、動脈硬化の危険因子の一つです。血液中の中性脂肪(トリグリセライド)やLDLコレステロール(悪玉コレステロール)が基準値より高く、HDLコレステロール(善玉コレステロール)が基準値よりも低い状態のことを言います。

脂質異常症の原因は、遺伝的要素や体質もありますが、脂肪分の多い食習慣や運動不足、肥満など生活習慣によるものがほとんどです。食事の欧米化に伴って、動物性の脂質の摂取が増えたことが大きな原因とされており、脂肪分の多い肉や卵、乳製品やカップラーメンなどの食べすぎが指摘されています。他にも、果物や甘いお菓子の食べすぎやお酒の飲みすぎなど、肥満につながるような生活習慣をしていると脂質異常症になりやすいです。

脂質異常症は、自覚症状がほとんどなく、定期健康診断などで血液検査をして指摘されることがほとんどです。指摘された際に、投薬治療や生活習慣の改善をしなければ、動脈硬化の原因となり、さまざまな血管に関する病気の原因になるので注意が必要です。

3) 喫煙

喫煙は、がんや肺・消化器などの疾患の原因になる他、動脈硬化が原因でおこるさまざまな血管関連の疾患の原因になります。タバコは、100害あって1利なしとよく言われますが、実際に身体に悪い影響ばかりを与えてしまいます。先述した、高血圧の原因にもなりますし、総コレステロール値やLDLコレステロール値を上昇させ、HDLコレステロール値を下げる働きがあると言われており、脂質異常症の悪化の原因にもなっています。

また、喫煙によって血が固まりやすくなると言われており、血栓症(血液の塊が血管につまること)のリスクも高めてしまいます。

動脈硬化の進行を防ぐためには、禁煙は必ず行うべきであると言えます。また、喫煙は、吸っている人だけではなく、同じ空間にいて、吐き出した煙を吸っている受動喫煙をしている人にも悪影響を与えてしまうため、自分の健康と周囲の人の健康のためにも禁煙をおすすめします。

4) 肥満

肥満はBMIという値が指標となって判断されます。BMI値は、体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)で導き出され、日本肥満学会の基準では、BMI値が19.8~24.2の人は正常範囲、24.2~26.4の人は過多体重、26.4以上の人は肥満とされます。

肥満の状態の人も、さまざまな疾患のリスクを抱えています。肥満は、偏った食生活や、暴飲暴食、運動不足、ストレスなどさまざまな原因によっておこります。1番の原因はやはり、食習慣です。摂取したカロリーよりも消費したカロリーが少ないと、脂肪として身体に蓄積されていってしまいます。

肥満の方は、食生活が乱れていることが多いので、必然的に高血圧や脂質異常症になりやすい上に、糖尿病や高尿酸血症など、食事が原因のさまざまな病気にかかりやすくなります。肥満を改善するためには、食生活や運動習慣などの改善が必要となるので、動脈硬化の進行を遅くする効果も期待できます。

5) 糖尿病

糖尿病も食生活や運動不足、飲酒などが原因でおこります。このような生活習慣が原因でおこる糖尿病をⅡ型糖尿病といい、原因が不明であるⅠ型糖尿病とは違います。
糖尿病とは、空腹時の血糖値と随時血糖値が正常値を逸脱していることと、HbA1cという過去1~2か月の血糖の平均値が6%以上の場合に診断されます。

食事をして、血液中の糖が上がると本来であれば、インスリンという血糖値を下げる物質が膵臓から出て血糖値は一定に保たれるようになっています。しかし、食生活などの生活習慣の悪化によって、インスリンの量が足りなくなったり、インスリンが効きにくくなってしまう状態になると、血糖値が高いままの状態になってしまいます。

血糖値が高い状態が続くと、血管の中に活性酵素が発生し、それが血管を傷つけてしまいます。そのため、糖尿病も動脈硬化の原因の1つとされています。

糖尿病も、初期では自覚症状がないことが多く、定期健康診断で指摘されることが多いです。徐々に進行すると、喉が渇いたり、頻尿、多尿になったり、体重が減少したりします。高血糖状態が長期にわたって続くと、手足にしびれが出たり(末梢神経障害)、目が見えにくくなり最終的には失明したり(網膜症)、腎機能が低下したり(腎症)する合併症を発症します。

5. 動脈硬化の進行を遅くするためには

動脈硬化の進行を遅くするためには

動脈硬化の進行を遅くするためには、上に挙げた5つの疾患を予防することが大切です。そのためには、まずバランスの良い食事を摂取することを心がけましょう。

塩分、糖分、脂質の摂りすぎは、高血圧や脂質異常症、糖尿病の原因になります。これらの栄養素を全くとってはいけないということではなく、食べすぎには注意が必要ですので、お肉を食べるときには、野菜もしっかり食べたり、脂が多いお肉を食べたら次の日にはあっさりしたお魚を食べるようにしたりと、できる範囲で食生活の工夫をしていきましょう。

それ以外にも、適度な運動を習慣づけたり、禁煙に挑戦したり、飲酒量を少しずつ減らしたりすることも大切です。特に運動は、わざわざ運動をする時間が取れないという忙しい人でも、通勤方法を自転車や徒歩に変えたり、移動手段をエレベーターから階段に変えたりすることなどでも簡単に運動量を増やすことができるので、日々の中での工夫が大切になります。

6. まとめ

動脈硬化という言葉は聞いたことがあっても、実際にどのような状態で、どのような病気になるかが分からなかった人もいるのではないでしょうか。動脈硬化は、生活習慣が主な原因でおこり、心臓や脳の血管に関連した非常に怖い病気を引き起こす原因となります。動脈硬化自体には症状はありませんが、高血圧や脂質異常症、肥満、糖尿病を指摘されている人や喫煙をしている人は、そのリスクがかなり高いと言えます。

動脈硬化が原因となって引き起こされる病気には、命に関わるとても怖い病気が多いので、食生活や運動習慣など生活習慣をきちんと見直す必要があります。バランスのよい食事を毎日つくるのは難しいという方は、宅配サービスのまごころ弁当を活用して、1日1食でも栄養バランスが考えられた食事を摂取するようにしましょう。

この記事の作成者:T.O(看護師)
この記事の提供元:シルバーライフ

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