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喫煙によっておこる弊害や健康被害

作成日:2020年11月5日

喫煙によっておこる弊害や健康被害

近年、喫煙によってさまざまな弊害がおこることが明らかになってきており、街中でも喫煙できる場所が限られたり、禁煙をすすめる場面が多くなってきています。では、実際に、喫煙にはどのような弊害があるのか、具体的に説明していきます。

1. たばこの特徴

たばこの特徴

たばことは、ナス科の植物である「タバコ」が原料となって作られています。タバコには、葉巻やパイプタバコ、きざみタバコ、紙巻きたばこなどさまざまな形態があり、それぞれの嗜好によって使い分けがされています。

タバコには、中枢神経へ作用を及ぼすニコチンが含まれており、タバコを吸うことで煙から身体の中に取り込まれます。このニコチンの作用により、気持ちが落ち着いたり、満足感を得られたり、心地よさを感じたりします。また、タバコはその種類や銘柄によって、香りや風味が異なるため、嗜好品として利用されています。

しかし、近年では、健康志向が高まり、副流煙を気にする方が増えて、外で喫煙できる場所も限られてくるようになりました。そこで、開発されたのが、加熱式タバコや電子タバコです。

2. 加熱式タバコと電子タバコの違い

加熱式タバコと電子タバコの違い

近年、従来の紙巻きたばことは違って、煙や灰が出ないことで人気となっているのが加熱式タバコや電子タバコです。加熱式タバコは、タバコの葉を燃やすのではなく、加熱することによって蒸気を発生させて、蒸気を吸い込むことでタバコを吸っているのと同じ効果を楽しむことができます。煙や灰が発生しないため、副流煙を気にする必要がなく、非喫煙者と同じ空間でも楽しめると話題になりました。

また、それとは別に電子タバコというものも発売されています。こちらは、タバコ葉は使用せずにリキッドを電気加熱することによって蒸気を発生させる製品で、加熱式タバコと同様に煙や灰が発生しません。加熱式たばことの大きな違いは、加熱式タバコはタバコ葉を使用しているので、ニコチンを含みますが、電子タバコにはニコチンが含まれないという点です。

これまで多くの人に使用されてきた紙巻きタバコの難点は副流煙と独特の臭いでしたので、近年禁煙志向が高まる中で、愛煙家にとってはとても画期的な商品であると言えます。しかし、煙やにおいが出ないからと言って、加熱式たばこにはニコチンが紙巻きタバコと同様に含まれていますので、身体への害が軽減されるということはないと言われています。ただし、周囲への副流煙による悪影響は防げると言えます。

3. タバコによる弊害

タバコによる弊害

タバコの煙には、喫煙者が吸う主流煙と、その周囲の人が受動的に吸ってしまう副流煙があります。副流煙を吸い込んでしまうことを受動喫煙といい、実は主流煙よりも副流煙の方が有害物質が多く含まれていると言われています。

タバコには多くの有害物質が含まれており、その数は200種類以上とも言われています。また60種類以上の発がん性物質が含まれているとも言われています。その中でも有名なものが、ニコチン、タール、一酸化炭素です。

1) ニコチン

ニコチンには、血管の収縮や血流を悪くして、血圧を上昇させてしまう作用や心拍数が増加する作用があり、心臓への大きな負担が考えられています。
また、ニコチンには麻薬以上に依存性があるため、1度タバコを吸って習慣化してしまうとなかなか禁煙することができないと言われています。

2) タール

タールには発がん性物質が多く含まれているため、がん発生のリスクが高まります。よく、喫煙者の肺が真っ黒になっていると聞きますが、これはタールによる影響です。

3) 一酸化炭素

一酸化炭素は、酸素の運搬を妨害する作用があるため、全身に酸素が行きわたりにくくなり、全身の細胞が酸素不足となり、身体へ大きな負担がかかります。

これらの有害物質は、喫煙している本人よりも、受動喫煙してしまう周囲の人の方が約3~5倍程度影響を受けてしまうと言われています。また、ニコチンによる依存性が問題視されており、その高い依存性は麻薬以上と言われています。ニコチンには、血中のニコチン濃度が上がることで精神的に安定し、いつまでもおいしさを求めてしまう精神的依存状態となってしまいます。

そして、血中のニコチン濃度が低下することによって、欲求不満や不安、集中できないなどの禁断症状が出現してしまい、身体的依存状態となってしまいます。そのため、毎日の喫煙を繰り返しどんどんと依存状態が深刻化していきます。そのため、禁煙をしようとすると苦痛が伴うため、禁煙をするという意識ではなく、依存症を治療するという意識が必要となります。

4. タバコが原因の健康被害

タバコが原因の健康被害

1) がん

がん予防のためには、タバコを吸わないことが最も効果的と言われているほど、たばこはがんの原因になるとされています。国際がん研究機関によると、確実に喫煙と関連があるとされているがんは、口腔がん、鼻咽頭がん、副鼻腔がん、喉頭がん、肺がん、食道がん、胃がん、すい臓がん、大腸がん、肝臓がん、腎臓がん、尿管がん、膀胱がん、子宮頸がん、卵巣がん、骨髄性白血病です。

喫煙に直接関係ある呼吸器系だけではなく、消化器系や生殖器系など、さまざまな部位のがんに関連があると分かります。これは、煙が通る口やのど、肺などの呼吸器系だけではなく、唾液などに溶けて飲み込むことによって消化器系、血液中に移行することによって全身の器官に作用があるとされているためです。

2) 循環器疾患

喫煙はがんだけではなく、循環器疾患の原因となるとされています。関連する循環器疾患は、動脈硬化や脳卒中、心臓疾患、大動脈瘤などが挙げられます。タバコには、血管を収縮させたり、血流を滞らせたりする作用があると言われています。

また、喫煙によって、血管の壁が傷つきボロボロになることによって循環器疾患のリスクは高まります。他にも、血液が血栓(血の塊)をつくりやすくなったり、酸素を全身に運ぶ能力が低下するなど、心臓や血管に負担がかかる作用がたくさんあると言われています。

3) 呼吸器疾患

喫煙によって、さまざまな呼吸器官への影響がおこります。病気だけではなく、咳やたん、息切れなどの不快な症状も出現します。
喫煙によって発症したり、症状が増悪する呼吸器疾患として、肺炎や気管支喘息、COPD(慢性閉塞性肺疾患)などが挙げられます。肺炎は高齢者の死因の上位ですし、気管支喘息も喫煙によってコントロール不良となります。

COPD(慢性閉塞性肺疾患)とは、慢性気管支炎や肺気腫などの病気の総称で、タバコの煙を長期間浴び続けたことによって生じる肺の炎症性疾患で、生活習慣病とも言われています。喫煙者の15~20%は発症すると言われており、死亡原因の10位以内にも入っています。気管支炎は、タバコの煙を吸うことによって肺の中の気管支に炎症がおこる病気で、咳やたんが出たり、呼吸機能が低下してしまいます。

肺気腫は、気管支のさらに奥にある肺胞と呼ばれる呼吸にとって非常に重要な場所が破壊された状態を言います。肺気腫になって、肺胞が破壊されてしまうと呼吸によって酸素を取り込んだり二酸化炭素を排出したりする機能が低下してしまいます。

4) 妊娠出産への影響

女性が喫煙することによって、そもそも妊娠する能力を低下させたり、胎盤の異常や早期破水、早産や胎児の成長阻害などのさまざまな弊害があるとされています。さらに、出生後に乳幼児突然死症候群を引き起こす可能性も指摘されています。他にも、妊娠中の喫煙によって、子どもの乳児期の肺機能が低下したり、小児期や成人期の呼吸機能の障がいの可能性についても言及されています。

5) 糖尿病

喫煙と糖尿病は、意外かもしれませんが関連があると言われています。タバコを吸うことによって交感神経が刺激されて、血糖値が上昇し、血糖値を下げる役割があるインスリンの働きを妨げる作用があるとされています。そのため、糖尿病にかかりやすく、血糖コントロール不良になりやすく悪化しやすいと言えます。

6) 歯周病やむし歯

喫煙をすることによって、歯ぐきの血行が悪くなり、歯ぐきに十分な酸素や栄養が行きわたらない状態となってしまいます。また、それに伴って歯ぐきの抵抗力が低下してしまいます。さらに唾液の分泌が抑えられる作用があるため、プラークや歯石がつきやすい状態になります。そのため、喫煙をすることで歯周病やむし歯になりやすいと言われています。それ以外にも、口臭や歯の着色など、口腔内に様々な影響を及ぼします。

5. 禁煙することによって健康改善するのか

禁煙することによって健康改善するのか

禁煙をするのに遅すぎるということはありません。喫煙をすることによって男性は8年、女性は10年寿命が短くなると言われています。禁煙をすれば10年程で吸わない人と同程度まで寿命を短くする危険度を下げることができると言われています。脳卒中や心臓疾患などの循環器疾患では、禁煙の効果が早く出現すると言われています。また、実際に心筋梗塞などの循環器疾患を患ったとしても、患った後に禁煙をすることで死亡率が6割程度低下するとも言われています。

また、禁煙をすることによるメリットは周囲の人への健康被害を防ぐことができることです。喫煙は、実際に吸っている人よりも副流煙を受動喫煙している周囲の人への悪影響の方が大きいとされています。大切な家族や職場の人、周囲のさまざまな人への健康被害を防ぐことができるのはとても大きなメリットであると言えます。

では実際に禁煙をするとなっても、喫煙が習慣化してしまった人にとっては自分の力だけで禁煙をするというのは難しいと言われています。タバコには依存性があるため、自力だけで禁煙に成功できるのはほんのわずかの人のみであるとされています。タバコを完全に禁煙するためには、薬物療法と行動療法が効果的です。禁煙外来に通院して禁煙補助薬を使い、徐々にニコチンの摂取量を減らすことと、吸いたい気持ちが出てきたときにその気持ちを抑えて対処する行動を実践してみることが大切です。

禁煙補助薬には、ニコチンが含まれていないものと、ニコチンを少量含んだニコチンパッチなどがあります。これらを使用して徐々にニコチンの依存状態を改善していきます。禁煙外来は一定の条件を満たすと保険が適応されるので、この薬物療法も保険適応で受けることができます。

また、薬物療法だけではなく、ニコチンからの離脱症状を克服するための行動療法も非常に重要になってきます。この行動療法とは、他のことをして気分転換をしたり、カフェインの入った飲み物を飲まないようにしたり、軽い運動をしたりすることなどが挙げられます。何か気がまぎれる動作を工夫して行うことで、離脱症状への対処をすることができます。

実際にできる簡単な工夫としては、アルコールやコーヒー、香辛料はなるべく避けるようにしましょう。アルコールやカフェイン、刺激物はタバコへの欲求を強めます。また、食べすぎて満腹になるとタバコへの欲求を高めてしまうので、適切な量をバランスよく摂取するようにしましょう。特にビタミンB1は脳の働きを活性化させると言われているため、積極的に摂取するのがおすすめです。

6. まとめ

タバコは体に悪いと漠然とは知っていても、実際にどのような健康被害があるのかまでは詳しく知らなかった人も多いのではないでしょうか。喫煙は、がんをはじめ、循環器疾患や呼吸器疾患、糖尿病などのさまざまな病気の原因となるとされています。それらの病気は、どれも寿命に関連するほど重大な病気といえ、これらの病気を予防するためには、禁煙は必須と言えます。

しかし、タバコにはニコチンが含まれており、その依存性は麻薬をもしのぐと言われており、個人で禁煙をするのは難しいとされています。禁煙外来を受診し、薬物療法や行動療法を行っていくことが、ニコチンの離脱症状を克服するためには重要になってきます。

また、禁煙をすることによって、高まっていたさまざまな病気のリスクは軽減しますが、がんや循環器疾患、糖尿病などは禁煙だけで完全に予防できるものではありません。バランスの良い食事や適度な運動、ストレスをためすぎないことなど、日常のさまざまな工夫が必要になります。健康で長生きをするためには、まずはしっかりと栄養バランスのとれた食事をとることが基本です。

まごころ弁当では、宅配サービスで栄養バランスが考えられた食事を召し上がっていただくことができます。禁煙と合わせて食習慣を見直して、健康で長生きする体作りをしてみませんか。

この記事の作成者:T.O(看護師)
この記事の提供元:シルバーライフ

医師の顔写真

この記事の監修医師

医療法人優美会 吉井クリニック 院長

吉井 友季子 先生

監修医師の
所属病院ホームページ

◯病院名 :医療法人優美会 吉井クリニック

◯住所 :大阪府吹田市豊津町1-21 エサカ中央ビル5F

◯診療科 :健診、人間ドック、内科、婦人科疾患、美容医療

《プロフィール》

・生まれ :大阪

・学歴 :大阪府立天王寺高校、大阪市立大学附属病院医学部卒業

・趣味 :ドライブ

・好きな言葉 :努力は必ず報われる

・モットー :いつも明るく笑顔を絶やさない事

・プライベートの過ごし方 :好きな車でドライブ

・健康で意識していること :偏食をしないこと。朝食は必ずとること。

《資格・所属》

・日本外科学会認定医

・日本消化器病学会専門医

・日本消化器内視鏡学会専門医

・日本医師会認定産業医

・サーマクール認定医


・日本美容皮膚科学会会員

・日本人間ドック学会会員 など

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