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筋委縮性側索硬化症の介護

筋委縮性側索硬化症の介護

筋委縮性側索硬化症、通称ALSは原因不明の神経の難病で、発症すると徐々に筋肉がやせていき、思うように話せなくなったりご飯を飲み込むことができなくなったりと、日常生活にさまざまな支障が出てしまう病気です。今回は、筋委縮性側索硬化症についてとその介護について詳しく説明していきます。

1.筋委縮性側索硬化症(ALS)とは

筋委縮性側索硬化症(ALS)とは

筋委縮性側索硬化症(ALS)とは、筋肉が徐々にやせて力がなくなっていく難病です。私たちの身体は、脳からさまざまな命令が出されてそれが神経を介してそれぞれの部位へと到達し、生命を維持しています。例えば、右手を上げたいと思ったとき、まず脳で「右手をあげて」という命令が出され、それが神経を通って右手の筋肉へと伝わることで初めて右手の筋肉が動き右手を上げることができます。この筋肉を動かして運動させる神経を運動ニューロンと呼びます。ALSは筋肉そのものが障害されるのではなく、この運動ニューロンが障害されて脳からの命令が筋肉へ届かなくなることで様々な症状が出現します。
命令が筋肉へ届かないことによって、動かすことができなくなり、筋肉が徐々に痩せていきます。一方で、感覚や視力、聴力、認知力、内臓の機能など、運動とは関係ない部位での機能はすべて保たれるのが特徴です。
ALSの発病の原因は明らかになっていません。神経の老化や興奮性アミノ酸の代謝異常などさまざまな原因の可能性が指摘されていますが、結論には至っていません。遺伝は、必ずするということはありませんが、全体の5%程度は家族の中で遺伝的に発症することがあると言われています。

2.筋委縮性側索硬化症(ALS)の症状

筋委縮性側索硬化症(ALS)の症状

1) 初期症状

ALSは最初に現れる症状によって、2つのタイプに分けることができます。発症初期に手足に力が入りにくくなる四肢型と、舌や口が動きにくくなる球麻痺(きゅうまひ)型です。四肢型が全体の約3/4程度で、球麻痺型が約1/4程度と言われています。最終的には、手足と口の両方に症状が進行していきます。
四肢型の特徴としては、ものが上手につかめずに落としてしまったり、足が前に出にくくなったり、立ち上がりにくくなったりするなどの症状が出現します。どちらかの足の力が先にだんだんと弱くなってきて反対の足に広がり、さらに手の力がなくなってくるパターンと、手からだんだんと弱くなってきて足へと広がるパターンとがあります。
球麻痺型の特徴としては、ろれつが回りにくくなったり、飲み込みにくいなどの症状が出現します。

2) 進行後の症状

病気の症状がどの部位から出現したかは、それぞれの患者さん毎に違うこともあり、症状の広がり方や進行の速度は個人差が大きいとされています。しかし、どの患者さんでも、少しずつ病状は進行し、徐々に自力で歩けなくなり、立てなくなり、寝たきりの状態になっていきます。そして、ご飯や水分を飲み込めなくなり、およそ2年程度で自力で十分な呼吸ができなくなります。以前は、進行するにつれて自力で呼吸ができなくなるため、予後不良な病気でしたが、現在では、人工呼吸器の装着によって、自宅で長期的に過ごすことができるようになりました。
ALSの約20%程度の患者さんが認知症を合併します。ALSの症状が進行するとその頻度は高くなり、記憶低下よりも性格が変化して感情的になりやすくなったり、意欲が低下してしまったりすることがあります。

3) ALSでは出にくい症状

ALSでは、全身の運動神経が障害されてしまいますが、眼球を動かす筋肉は保たれるため、眼球を動かしてパソコンで会話をしたり、文字盤を使って会話したりして意思疎通をはかることができます。
また、感覚神経は障害されないため、感覚や知覚の低下やしびれなどの症状はありません。痛みやかゆみなどの感覚は正常に感知するため、寝たきりの状態では、そのような不快感を取り除けるように介護者が環境調整をする必要があります。
さらに自律神経も障害されないため、排尿障害なども起こらず、尿意や便意も正常に感じ取ることができます。

3.筋委縮性側索硬化症(ALS)の治療

筋委縮性側索硬化症(ALS)の治療

現在の医療ではALSを根治させる治療方法はありません。進行を抑制するために薬物療法として内服薬や点滴薬を投与します。他には、現在残っている機能を維持していくために、全身のリハビリテーションを行います。
自力での呼吸が難しくなってきて呼吸困難感を感じるようになると、呼吸の補助を行う必要が出てきます。呼吸の補助の方法としては、鼻や口にマスクをつけて空気を送り込む非侵襲的陽圧換気と、気管切開をして人工呼吸器を装着する気管切開下陽圧換気があります。非侵襲的陽圧換気は、マスクを装着するだけなので、会話も可能ですし、装着するために手術などの必要もありません。しかし、呼吸のための筋肉の麻痺が進行して呼吸を十分に補助できない場合や、自発呼吸がなくなってしまった場合、適応外となって気管切開をしなければならなくなります。
呼吸の補助を行うことで、長期間の延命を叶えることができます。しかし、進行性の病気であるため、徐々に呼吸補助の機械を1日中装着しなければならず、そうなると生涯、呼吸補助器具を外すことはできなくなります。そのため、いずれ呼吸補助具をつけなくてはならなくなったときのことを早めから相談しておくことが重要になります。
また、自分の唾液や痰を誤嚥(ごえん:痰などが誤って気管や肺へ入り込んでしまうこと)してしまったり、痰がつまって窒息してしまう可能性もあるため、自分で痰を外へ出せなくなった場合には適宜吸引を行う必要があります。
他にも、徐々に食べ物や水分を飲み込むことが難しくなってくるので、食事形態を変更して、誤嚥しないように工夫をしていきます。それでも飲み込むことが難しい場合には、末梢静脈栄養や中心静脈栄養など点滴での栄養注入や、経鼻経管栄養や胃ろうからの経管栄養での栄養注入を行います。点滴の場合は、看護師が毎日つながなければならないことや、カテーテルを定期的に交換する必要があるので、多くの場合は胃ろうを造設して胃ろうからの経管栄養を行います。

4.筋委縮性側索硬化症(ALS)の介護

筋委縮性側索硬化症(ALS)の介護

1) 食事介助

十分な栄養を摂取することは、筋肉が細くなる速度を緩やかにすると言われています。そのため、患者さんの嚥下機能に合わせた食事形態に工夫して食事介助をしていく必要があります。誤嚥してしまった場合、肺炎になって最悪の場合には、命に関わる状態になることもあります。そのため、適切に嚥下機能を評価して食事形態を選択することが重要です。
① 経口摂取
口から食事を摂取する場合には、誤嚥を予防するためにしっかりと上体を起こしたり、身体がずり落ちないように環境調整をする必要があります。また、顎が上を向いていると誤嚥をしやすいため、顔の向きにも注意が必要です。身体や顔の向きを安定させるために必要時には、ひざの下や首の後ろなどにクッションを使用するとよいでしょう。食事介助の時には、実際に自分が食事をするときのことを想定しながら介助するようにしましょう。食事の前には、手を洗ったり手を拭いたりして、手の清潔を保つようにします。また、食事の前には水分で口の中を潤したり、食べる順番は主食や主菜など順番に口の中に入れるなど食事を楽しめるように工夫することも大切です。また次々に口へ運ぶのではなく、1回1回飲み込んだことをしっかりと確認する必要があります。急いで食べさせると誤嚥してしまったり、食事自体が嫌になってしまったりすることがあるので注意が必要です。
② 経管栄養
徐々に進行して、どのような食事形態であっても誤嚥のリスクが高まった場合には、口からの栄養摂取を辞めて経管栄養へと切り替えます。ALSの方は、症状が改善していかないので、長期的に経管栄養を行うことになるので胃ろうを造設することが多いです。胃ろうとは、胃に直接穴をあけて外から栄養を注入する方法です。胃ろうは、造設するために手術が必要ですが、1度造設してしまえば、挿入部にトラブル等がないかぎりは、本人に苦痛なく毎日栄養を注入することができます。また、血管に栄養を注入する点滴栄養よりも、消化管を使う胃ろうの方が全身状態を良好に保ちやすく、栄養管理もしやすいと言われています。胃ろうからは、液体の栄養剤だけでなく、半固形の栄養剤も注入することができます。
経管栄養へと切り替えた場合でも、介護士や看護師以外にも指導を受けた家族であれば注入を行うことができます。注入の前後には状態の変化に注意が必要です。経管栄養は、直接胃に栄養剤を注入するため、下痢になりやすかったり腹痛が現れやすかったりします。そのため、注入中や注入後には体調に変化がないかを必ず確認しましょう。また、口に食べ物入れないからと言って、口腔ケアをしないと誤嚥性肺炎の原因になってしまいます。胃ろうからの栄養剤を注入する場合でも、毎食必ず口腔ケアを行うようにしましょう。

2) 苦痛を取り除く

ALSの患者さんは、進行期には特に身体に痛みを訴えることがよくあります。そのような場合には、痛み止めの薬を服用させたり、身体が少しでも楽になるような体勢へと体位調整を行ったり、必要時にはマッサージや身体をさするなどの対応をするとよいでしょう。
他にもかゆみなどの感覚は正常ですので、様々な訴えがあるのでそれに適切に対応する必要があります。もし足がかゆいと感じているのに、自分でその部分を掻けない状態を想像するととても辛いですよね。自分で思う通りに身体を動かせないということは想像以上に歯痒いことですので、訴えに対しては苦痛を取り除いてあげるようにしましょう。

3) コミュニケーションを図る

ALSの患者さんは、発声したいと思っても、のどや舌などの発声に関わる筋肉に脳からの指令が働かないことによって、話すことができなかったり、気管切開によって声を出すことができなかったりします。しかし、意思ははっきりしているので、伝えたいことが伝わらないのは非常にもどかしい思いをしてしまいます。
病状が進行しても眼球の動きは保たれていることが多いので、透明な文字盤を使用して眼の動きで言葉を伝えたり、眼の動きでパソコンのマウスを動かすことが可能なICT機器を使用してコミュニケーションをとっていきましょう。
また、日常的な会話などのコミュニケーションだけではなく、今後の治療方針などに関してもしっかりと話し合う必要があります。病状が進行してきたら、気管切開を行って人工呼吸器を装着するのかどうかや、胃ろうを造設するのかなど、さまざまな決定をしていかなければなりません。特に人工呼吸器は1度装着すると外すことができないので、病状や装着後に関する正確な情報提供を行い、本人の意思を尊重するような治療方針を決定していく必要があります。常日頃から、良好なコミュニケーションを図って、何度でも話し合いができる環境を整えましょう。

5.まとめ

筋委縮性側索硬化症(ALS)は難病に指定されている原因不明の病気です。身体の筋肉を動かすための脳からの指令が筋肉へと届かなくなる病気で、徐々に進行していきだんだんと身体を動かすことができなくなり筋肉が細くなっていってしまいます。進行の速度は、個人差がありますが、数年の間には寝たきりの状態になり、胃ろうを造設したり、呼吸補助具を装着しなければならない状態になります。また、この病気は治療法が確立されておらず、
症状が回復することは見込めないため、今残っている機能の中でどれだけ快適に毎日を過ごせるかが大事になってきます。
家の中で行う介護として、大切なことは食事介助や苦痛の軽減、コミュニケーションをしっかりととることなどです。特に食事は、病気の進行にも関わってきますし、生きる上で非常に重要なものです。食事の環境を整えたり、口腔ケアを十分に行うことなどに加えて、誤嚥予防のために最も大切なことは嚥下機能を適切に評価して、その人の嚥下機能に合った食事形態で食事を提供することです。
まごころ弁当では、嚥下機能に応じた食事形態を選択していただくことができます。なかなか嚥下食を自宅で作るのは難しいと感じる方が多い中で、誤嚥を予防するためには、栄養バランスも考えられた嚥下食を提供できるまごころ弁当のご利用をおすすめします。介護者の負担を少しでも減らす意味でも1度試してみてはいかがでしょうか?

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