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透析になる前に宅配弁当で上手に改善!腎不全について

作成日:2021年2月17日

透析になる前に宅配弁当で上手に改善!腎不全について

私たちの体の中には腎臓という、身体の中にたまった老廃物や水分を尿と一緒に外へ出してくれる臓器があります。腎臓は、身体に必要なものは残して不要なものを外へ出す役割があるので、腎臓の機能が落ちてしまうと体の中に老廃物がたまり、身体の機能を正常に保つことができなくなります。そのため、腎機能が著しく低下してしまった場合には透析治療や腎移植が必要になってきます。今回は腎不全と透析について詳しく説明していきます。

腎臓とはどんな臓器?

腎臓とは

腎臓とは、腰の上のあたりの背中側にあるそら豆のような形をした2つの臓器で、握りこぶしくらいの大きさをしています。腎臓の中にはボウマンのうと呼ばれる袋があり、さらにその中には細い血管が糸玉のように丸く集まっている糸球体(しきゅうたい)というものが入っています。糸球体の中で血液をろ過(こすこと)して、身体の中の老廃物や、不必要な水分や塩分などを尿として身体の外へと出し、必要な水分や栄養、ミネラルなどは再度血液中に戻して体中に行き渡らせています。

また、腎臓には、老廃物を排出するだけでなく、過剰になったナトリウムやカリウムなどを身体の外へと排出する役割があるため、身体のイオンバランスを適正に保ったり体の水分量を調整したりしています。他にも、血圧を調整するホルモンを分泌して、血圧を一定にコントロールする働きもあります。さらには、血液をつくるホルモンを分泌して赤血球をつくったり、骨を強くするビタミンDを活性化させてカルシウムやリンの吸収や排泄を調節して骨を丈夫にしてくれたりもします。

このように腎臓には、生きていくうえで欠かすことのできないさまざまな働きがあると言われています。

腎不全とはどんな病気?

腎不全とは

腎不全とは、腎臓の炎症や腎臓病などが原因で血液をろ過する糸球体の網の目が詰まってしまうことによって、腎臓の機能が落ちてしまう状態のことで、腎臓の機能が正常な状態の30%以下になってしまった状態のことを言います。腎不全は、経過によって急性腎不全と慢性腎不全に分けられます。

1) 急性腎不全

急性腎不全は、数日から数週間で急激に腎臓の機能が低下する状態で、原因としては、腎臓へ届く血液の量が減少してしまったり、腎臓自体が何らかの病気にかかってしまったり、尿路で尿の流れが妨げられたりすることによって起こります。

腎臓へ届く血液の量が減少する腎前性腎不全の場合には、外傷などによる大量出血や脱水、心不全などが原因と考えられています。腎臓自体が何らかの病気にかかってしまう腎性腎不全は、糸球体に障害が起きる糸球体腎炎や腎盂腎炎などのさまざまな炎症が原因とされています。尿路で尿の流れが妨げられる腎後性腎不全は、前立腺肥大や前立腺がん、尿路結石などが原因で起こるとされています。

急性腎不全の症状としては、手足や顔のむくみ、尿量の減少などが挙げられます。さらに腎不全の状態が続いて、身体の中に老廃物がたまってくると、倦怠感や食欲不振、心拍数の増加やめまいなどさまざまな症状が出現します。

急性腎不全は、適切に検査と診断を行い、原因に対する治療を行う必要があり、適切に治療を行えば腎機能は回復するとされています。逆に原因に対する治療が適切に行われなければ、腎機能は自然に回復することはなく慢性腎不全へと移行してしまいます。

2) 慢性腎不全

慢性腎不全は、数か月から数年以上かけて徐々に腎臓の機能が低下してしまう状態のことを言います。慢性腎不全は慢性腎臓病(CKD)が進行することによって起こります。慢性腎臓病(CKD)は、腎臓の機能の低下が3か月以上続いている状態のことで、糖尿病や高血圧などの生活習慣病や加齢、慢性腎炎などさまざまな原因で腎臓の機能が低下することで起こります。

早期に発見できれば腎機能の回復が見込めることもありますが、腎臓は沈黙の臓器であり初期では自覚症状がほとんどありません。気付いた時には、かなり進行していたということが多く、腎不全の状態が進行してしまった場合一度落ちた腎臓の機能は元に戻ることはありません。

慢性腎不全の状態になると、尿の量が増えます(特に夜間)。腎不全が進行して末期の腎不全になると逆に尿が作られなくなって尿量が減ってしまいます。また、老廃物がたまることによって尿毒症の症状が出現します。尿毒症の症状とは、思考力の低下や全身のだるさ、食欲不振、かゆみなどさまざまです。他にも、身体の中に水分がたまることによって、手足や顔がむくんだり、肺や心臓に水が溜まってしまいます。

肺に水が溜まると呼吸困難になりますし、心臓に水が溜まると心不全の状態になってしまいます。さらに体内の電解質の調整ができなくなるため、身体にさまざまな不調が起こります。特にカリウムが体にたまりすぎると不整脈や心停止など命の危険な状態へと陥ります。血液が作られにくくなり貧血となったり、血圧が上昇してしまったりするなど腎機能が低下することによって多くの弊害が生まれます。

腎不全の治療について

腎不全の治療

急性腎不全の場合には、原因を取り除く治療を行います。例えば、出血による腎不全であれば止血処置や点滴、輸血を行い血液が腎臓に届くようにしますし、尿管結石による腎不全であれば尿管を取り除く治療を行って腎臓への負担を軽減させます。

慢性腎不全の場合には、残っている腎臓の機能を維持しながら、腎臓の働きを補足するように薬を使用します。また、重要であるのは、食生活や運動習慣などの生活習慣の見直しです。どれでも、腎不全が進行してしまい、末期腎不全になってしまった場合には、透析治療や腎移植を検討します。

透析とはどんな治療法?

透析治療

腎臓の機能が、正常の10~15%以下まで低下すると透析療法が必要になります。透析治療には、血液透析と腹膜透析があります。

1) 血液透析

血液透析は、血管から体の外へと血液を取り出して、機械に通してダイアライザーと呼ばれる人工膜を介して老廃物や余分な水分を取り除き、必要な物質を補充してから体の中へと再度戻す治療です。

長期的に透析が必要な方は、シャントと呼ばれる動脈と静脈を皮膚の下でつなぎ合わせた太い血管を作ります。このシャントによって、速いスピードで血液を血管から取り出すことができるようになります。通常は、手首の血管を手術して内シャントを作ります。シャントがつぶれてしまうと、透析ができなくなり、命の危険にもつながるので、シャントをつくった側の腕を圧迫しないことや清潔に保つことなど、生活する上で注意が必要です。

血液透析は、週に2~3回、1回4~5時間程度の通院で行います。1度低下してしまった腎臓の機能はもとには戻らないため、透析治療は生きている限り一生続くことになります。

2) 腹膜透析

腹膜透析は、患者さん自身のお腹の中にある腹膜を使って、老廃物や余分な水分を取り除く治療です。お腹の中に透析液を入れることによって、腹膜を介して老廃物や余分な水分が透析液側へと移動するため、透析液を体の外へ出した後血液がきれいになっているという仕組みです。

腹膜透析は、お腹に直径5~6ミリほどの専用のチューブを埋め込む手術が必要になります。透析液は1日4回程度、自宅で交換することになるため、通院は月に1~2回程度で済みます。チューブを挿入した部分が感染してしまわないように日常的に清潔に保つ必要があります。

透析治療が必要になる前に

透析治療の前に

透析治療や腎移植などの医療技術の発達により、以前に比べると腎不全の方でも長く生きることができるようになりました。しかし、透析治療は時間を拘束されてしまったり、生活上気を付けなければならないことが多くあり、ある程度の不自由を強いられてしまいます。

そのため、透析治療が必要になる末期腎不全になる前に、腎不全の進行を少しでも遅らせることが非常に重要になります。腎不全の進行を遅らせるためには、日常生活の改善が欠かすことはできません。

1) 食生活の改善

① 塩分を控える
塩分をとりすぎると、それを排泄させるために腎臓の糸球体に過剰な負担がかかってしまいます。また、塩分の取りすぎは高血圧の原因となり、腎機能の低下を促進させてしまいます。腎機能の低下が指摘されている人は、1日の食塩摂取量を6g未満に抑えることが大切です。いきなり完全に減塩すると食べる楽しみを失ってしまうので、少しずつ薄味に慣れていくことが大切です。具体的な改善方法は以下の通りです。

・調味料は減塩のものを使用する

・調味料は目分量ではなく計測する

・漬物や干物、ハムやウインナー、ベーコンなどの加工食品は控える

・醤油やソースはかけるのではなく、つけるようにする

・汁物や麺類は具だけ食べて汁を飲み干さない

・だしをしっかりと取る

・香辛料や酸味などを使っておいしく食べられるように工夫をする

② カロリーは適切に摂取する
カロリーの過剰摂取は、肥満へとつながり、糖尿病や脂質異常症の悪化の原因になります。逆にカロリー不足でも、身体の中に蓄えられているたんぱく質が消費されてしまいます。特に筋肉がそのエネルギー源として使用されてしまうため、筋肉がたんぱく質として代謝された後に老廃物が血液中に流れこみ、腎臓に負担がかかってしまいます。
食事は1日3回規則正しく食べることや、必要なエネルギー量を把握しておくことが重要です。

③ タンパク質を制限する
タンパク質は体の中で代謝されて老廃物へと分解されますが、過剰に摂取すると老廃物を体の外へ排出させようと腎臓の中の糸球体に過剰な負担がかかります。また、腎臓の機能が低下すると、老廃物を体の外に排出する力が弱まるので体に老廃物が蓄積してしまいます。そのため、腎臓の機能が低下してきた人は医師の指導のもとタンパク質を制限する必要があります。

④ カリウムを制限する
腎臓の機能が低下することによってカリウムを体の外へ排出することができなくなります。血液中のカリウムの濃度が増加すると、不整脈を起こし、最悪の場合心臓が止まってしまうこともあります。そのため、カリウムが高いことを指摘された場合には、カリウムも制限する必要があります。

カリウムは、水に溶ける性質があるため、食材は刻んで水にさらしたり、ゆでた後に水にさらしたりするなど、調理法を工夫するだけでも摂取量を減らすことができます。また、果物にはカリウムが多く含まれるものが多いので、食べすぎには注意する必要があります。

2) 運動習慣の改善

腎不全の大きな原因となる生活習慣病をまず予防するためには、食生活と同時に運動習慣も大切になってきます。日常的に身体を少しでも動かす時間をとるのは重要です。わざわざスポーツをする時間がなくても、通勤を徒歩や自転車に変えたり、エレベーターでの移動を階段に変更するなど少しの工夫でも1日の中で身体を動かす時間を作りましょう。

逆に、腎機能が低下してしまってからでは、激しい運動をしてしまうと新陳代謝が活発となって、老廃物が作られやすくなり腎臓に負担がかかってしまうので安静にしなくてはならなくなります。そのような状態まで進行する前に、適度に身体を動かして腎不全の進行を予防するようにしましょう。

3) 生活を記録する

腎不全を進行させないためには、自分の生活を振り返ることが大切です。毎朝血圧や体重を測定し記録するようにしましょう。また、尿量や回数、色など気になることがあったら記録をして、病院を受診したときに相談するようにしましょう。飲水量に制限があるときには、1日の水分量を守る必要があるため、あらかじめ1日分の水分を測って用意しておくか、飲水量をこまめに記録しておきましょう。

『腎不全』のまとめ

まとめ

私たちの身体が正常な状態を維持するためには、腎臓は欠かすことができない臓器です。糖尿病や高血圧、脂質異常症など生活習慣病により腎臓に負担がかかり、気付かないうちに腎機能が低下してしまっていたということは多くあります。慢性的に腎機能が低下してしまう状態では、1度低下した腎機能はもとに戻ることがないため、末期の腎不全状態に陥った場合には、腎臓の働きを補うために透析治療が必要になります。

しかし、透析治療は時間や生活にさまざまな制約ができるうえに、一生続けなければならず、できれば透析治療が必要な状態になる前に進行を遅らせたいところです。そのためには、食生活や運動習慣などさまざまなことを改善する必要があります。特に、食事での制限が必要となった場合、なかなか塩分やたんぱく質、カロリーなどを正確に測定して制限することは難しいことがあります。

まごころ弁当では、塩分制限やたんぱく質制限、カロリー制限に対応した食事を毎日日替わりでお届けすることができます。さまざまな制限の中でも、食事は毎日おいしく健康的に食べられるようにぜひ1度お試しください。

この記事の作成者:T.O(看護師)
この記事の提供元:シルバーライフ

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