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胆石症の原因と治療法について 予防するための食事療法とは?

作成日:2022年12月6日

胆石症の原因と治療法について 予防するための食事療法とは?

日本の胆石患者は1000万人以上と言われており、60~70歳代に発症のピークがみられます。

胆石症で最も多いコレステロール結石はコレステロールの過剰摂取が原因の1つであり、特に40代以降の中高年は注意が必要です。

ここでは、胆石症の原因や治療法、食事療法などについて解説します。

胆石症とは?

胆のうは、みぞおちと右脇腹の間あたりにある、握りこぶし程度の大きさ臓器です。

胆のうでは、肝臓で作られた胆汁という脂肪やたんぱく質を消化するために必要な消化液を保管しています。

食事などの刺激で胆のうが収縮して胆汁が胆管を通って十二指腸に流れ込みます。胆のうは食事の度に収縮と拡張を繰り返していますが、この収縮、拡張が十分に行われなくなり、胆汁が胆のう内に渋滞することがあります。

この胆汁が固まって石となった状態が胆石です。

先進国では、成人の10%、高齢者の20%に胆石が存在しており、女性の方が男性よりも約2倍かかりやすいと言われています。

胆石患者の80%が無症状ですが、残りの患者では胆のう炎を起こすケースや、胆石発作(疝痛発作)といってみぞおちの周囲や右側の肋骨あたりに激しい痛みが出たりすることもあります。

胆石発作は、食後、特に高脂肪の食品を食べた後に起こることが多く、2~3時間で痛みが治まるという特徴があります。

痛みの程度は個人差があり、我慢できない程の強い痛みであることもあれば、症状がそれほど出ない軽い場合もあります。

胆石発作のほかに、吐き気や嘔吐を伴うこともあります。

また、結石が総胆管を詰まらせてしまうと痛みや発熱、黄疸を伴う急性胆管炎を起こすことがあります。

さらに、細菌が繁殖して血液とともに全身を循環することで敗血症という命に関わる合併症を引き起こしてしまうこともあります。

また、胆石と胆のうがんには密接な関わりがあり、胆のうがんの患者の40~75%に胆石が見つかると言われています。

現在のところがんと結石の因果関係は不明ですが、胆石がある場合は無症状であっても1年に1~2回は検査を受けるようにしましょう。

胆石症の種類と症状は?

・胆のう結石

胆のうに結石ができる胆のう結石は、胆石症の中で最も多く、80%を占めると言われています。

胆石が移動したときや、途中で詰まったときに痛みを感じることがあります。

痛みは食後1~2時間程度でみぞおちの周囲や右脇腹、右肩、腰などにあらわれ、30分から1時間程度持続します。

・胆管結石

肝臓から十二指腸に胆汁を運ぶための器官である胆管にできる結石のことです。

胆のう管が詰まると胆汁が流れ出なくなるため胆のうが腫れ、高熱が出ることがあります。また、総胆管に胆石が詰まると胆管炎や膵炎を引き起こします。

・肝内結石

肝臓内の胆汁が固まってできる結石で、頻度は稀です。

胆石が胆管に移動すると症状を伴うことがありますが、肝臓内にある時は無症状であることがほとんどと言われています。

結石の種類と原因は?

・コレステロール結石

通常胆汁に含まれるコレステロールは、胆汁酸やレシチンなどによって溶かされた状態になっています。

しかし、高エネルギー、高コレステロールの食事を続けると体内のコレステロールが過剰となったり、コレステロールを分解するための胆汁酸が減少したりすることでコレステロールが結晶化します。

結石の中で最も多く、全胆石の70%以上がコレステロール結石です。コレステロール結石は、40代以上の中高年、女性、肥満、白人、多産婦にできやすいと言われています。

男性よりも女性に多いのは、女性ホルモンの影響で胆汁にコレステロールが排出されやすいためです。

・色素系結石

色素系結石にはビリルビンカルシウム結石と黒色石があります。

ビリルビンカルシウム結石は、胆道系に細菌感染が起こり、細菌の酵素によって胆汁中に含まれるビリルビンが水に溶けにくい性質となり、カルシウムと結合することにより形成されると考えられています。

細菌感染のほかにも、胆汁の流れが悪かったり、低脂肪の食事や炭水化物を摂り過ぎたりなど偏った食生活で胆汁酸の濃度が低下すると結石が生じやすくなります。

黒色石は血液の病気でビリルビンが増えた際や、肝硬変や心臓の弁置換手術をした後などにみられることが多いです。

しかし、なぜ結石ができるのか詳細は明らかにされていません。

・その他

まれな結石として、白色の炭酸カルシウム石や脂肪酸カルシウム石などがあります。

胆石症の治療法は?

自覚症状の無い胆石症の場合には、経過観察をすることがほとんどです。胆石が大きくなったり数が増えていたりしていないか、1年に1回程度検査をします。

症状がある場合には胆のう摘出術が適応となります。手術の方法には、開腹と腹腔鏡下がありますが、傷が小さくて入院期間も短い腹腔鏡下手術が一般的です。

しかし、結石の大きさや胆のうの炎症程度によっては腹腔鏡下手術が行えないこともあります。

また、上腹部の開腹手術をしたことがある場合や、肝硬変がある場合などでは開腹手術が選択されます。

また、胆のうを温存する方法には薬物治療と体外衝撃波破砕療法があります。コレステロール結石で、大きさが1.5cm以下である場合には薬物療法が選択されます。

0.5cm未満の結石であれば80%が6か月以内に溶解します。しかし、5年以内に50%が再発するとも言われており、より大きな結石では成功率は低くなります。

体外衝撃波破砕療法では特殊な装置で体外から衝撃波を照射して結石を砕く治療法です。

手術とは異なり身体に傷は残りませんが、砕いた結石が胆管を通過する際にトラブルが起きる可能性や、再発率が高い、などといった欠点があります。

胆石症の合併症とは?

胆石の合併症として胆のう炎や胆管炎があります。胆のうや胆管で胆石が詰まり、胆汁の流れがせき止められることで細菌に感染してしまうと、発熱や腹痛、時には命に関わることもあります。

急性の胆のう炎では軽症では抗生剤を点滴して様子を見ますが、炎症が強い場合にはお腹に針を刺し、細菌感染した胆汁を抜く必要があります。

また、胆のうの安静を図るため食事は絶食となります。急性の胆管炎では胆汁が肝臓に逆流し、細菌が血中へ移行するため、早期に治療を開始する必要があります。

胆管炎は、胆のう炎よりも急性の経過を辿りやすく、症状が重篤化しやすいためです。

胆のう炎同様絶食・抗菌薬の投与・補液などの基本的治療に加え、内視鏡で鼻から胆道まで管を留置させて胆汁を排出したり、ステントを留置したりして胆管を拡げる治療などが行われます。

これらの処置で症状が治まっても、胆のう炎、胆管炎の原因である結石を取り除かないと再発する可能性があるため、初期治療のあとに結石を除去する治療が行われます。

胆石症を予防する食事療法とは?

・食事は3食規則正しく食べる

食事の時間が不規則だと、胆汁を排泄する時間も不規則となり一時的に濃度が濃くなるため胆石が出来たり、元々ある胆石が大きくなったりする原因となります。

・早食いせずよく噛んで食べる

食事の早食いは食べ過ぎの原因となります。食べ過ぎはコレステロール、脂肪分の過剰摂取や肥満に繋がるため、ゆっくりよく噛んで食べるようにしましょう。

・コレステロールや脂肪分を多く含む食品は控える

コレステロールの過剰摂取はコレステロール結石を形成しやすくなるため、控えましょう。

甘いものも血中の中性脂肪を上昇させるため、食べ過ぎないようにしましょう。コレステロール、脂肪の摂取を控えるには調理法も大切です。

油を使う量は、蒸す<煮る<炒める<揚げるといった順番で多くなります。

デザートは、バターや生クリームを多く使う洋菓子よりも、脂肪分が少ない和菓子を選ぶようにしましょう。

<コレステロールが多い食品>

食品100gあたりの含有量(mg)
あんこうの肝560
すじこ510
いくら480
うずらの卵470
鶏卵420
たらこ410
鶏レバー370
白子360
うに290
ししゃも290
豚レバー250
シュークリーム250

・脂質の摂り方に注意する。

脂質には飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸の2つの種類があり、このうち悪玉コレステロールを減少させたり、動脈硬化を予防したりする効果があるのは不飽和脂肪酸です。

不飽和脂肪酸は良質な脂質であり、オレイン酸やリノール酸、α-リノレン酸などがあります。

リノール酸やα-リノレン酸は人間の体内で作ることができない必須脂肪酸と呼ばれています。

<不飽和脂肪酸の種類>

分類主な脂肪酸多く含まれる食品
一価不飽和脂肪酸n-9系オレイン酸オリーブ油、なたね油
多価不飽和脂肪酸n-6系リノール酸大豆油、ごま油、コーン油、ひまわり油、サンフラワー油
γ-リノレン酸クジラ、ニシン
アラキドン酸レバー、卵、サワラ
n-3系α‐リノレン酸えごま油、あまに油、くるみ
DHAマグロ、ブリ、サバ
EPAハマチ、イワシ、サンマ

・水溶性食物繊維を積極的に摂取する

食物繊維には水溶性と不溶性があり、水溶性食物繊維にはコレステロールの吸収を抑制し、コレステロールを含んだ胆汁の排泄を促す効果があります。

<水溶性食物繊維が多い食品>

食品100gあたりの含有量(g)エシャロット9.1ニンニク3.7ゴボウ2.7納豆2.3アボカド1.7オクラ1.6インゲン豆1.5

・ビタミンCとEを積極的に摂取する

ビタミンCとEには胆汁酸の排泄を促す働きがあります。

ビタミンCは加熱時間が長くなると損失が多くなるため、生のまま食べられるメニューにすると効率よく取り入れることができます。

また、一度に大量に摂取しても、余剰になった分は尿として排出されてしまうため、毎日摂取することが大切です。

ビタミンEは脂溶性であり、油で調理したり、ドレッシングと一緒に食べたりすることで吸収率が上昇します。

ただし、脂肪分の多い食生活は胆石ができやすくなるため、使う場合は少量としましょう。

また、ビタミンEはビタミンCやAなどと一緒に摂ることで相互に作用を高めあうことができます。

これらはビタミンACE(エース)とも呼ばれています。ビタミンAは豚のレバーやにんじん、モロヘイヤに多く含まれています。

<ビタミンCが多い食品>

食品100gあたりの含有量(mg)
赤ピーマン170
黄ピーマン150
アセロラジュース120
レモン100
ピーマン76
70
イチゴ62

<ビタミンEが多い食品>

食品100gあたりの含有量(mg)
煎茶の茶葉64.9
アーモンド29.4
抹茶(粉)28.1
なたね油15.2
モロヘイヤ6.5
大根の葉4.9
かぼちゃ4.7

・飲酒を控える

アルコールは胆汁の濃度を濃くしてしまう原因になります。

・刺激物を控える

炭酸飲料や酸味が強い食品など胃を刺激するものは胆石発作の原因となるため、すでに胆石がある場合には控えた方が良いでしょう。

・こまめに水分補給をする

水分不足は血中のコレステロール濃度や脂質が高くなり胆石を形成しやすくなるため、喉が渇いていなくともこまめに水分を補給するようにしましょう。

・肥満を予防する

肥満は胆石の危険因子です。食べ過ぎ、飲み過ぎに気を付けるだけでなく、適度な運動を行いましょう。

無理な食事制限は栄養不足を招くだけでなく、胆汁が胆のうに留まる時間が長くなるため胆石を形成するリスクが高くなります。

外食や市販の食品を買うときは、栄養成分表示のエネルギー量をチェックするように意識しましょう。

自分の推定エネルギー必要量を把握しておくことで、食べすぎの防止に繋がります。

<推定エネルギー必要量(kcal/日)>

性別男性女性
身体活動レベル
30~49歳2,3002,6503,0501,7502,0002,300
50~69歳2,1002,4502,8001,6501,9002,200
70歳以上1,8502,2002,5001,5001,7502,000

※身体活動レベルとは
Ⅰ:生活の大部分が座った状態で、静的な活動が中心
Ⅱ:座った状態が中心だが、移動や立った状態での作業を行う場合や、通勤・買物・家事・軽いスポーツ等のいずれかを行う場合
Ⅲ:移動や立っている状態が多い生活。あるいは、スポーツなど余暇における活発な運動習慣がある場合

・コーヒーを1日1~2杯飲む

適度のコーヒーは胆石症の発症が低いとの報告があります。

Q.ふのりが胆石を溶かす?

A.昔からの言い伝えで、ふのりには胆石を溶かす効果があると信じられています。

医学的根拠は不明ですが、ふのりには「フノラン」という粘り気のある成分が高濃度に含まれており、抗酸化作用や、生活習慣病予防の効果が期待できます。

フノランは水溶性食物繊維の一種であり、コレステロールの吸収を抑制し、コレステロールを含んだ胆汁の排泄を促す作用があることから胆石を溶かすと伝わったのではないかと推測されます。

Q.胆石を溶かすお茶がある?

A.ブナ科の裏白樫(ウラジロガシ)には、カテコナール・タンニンという成分が含まれており、体内に石を作り出すカルシウムやリンなどを排出させる作用があると言われています。

古くから胆石や尿管結石の民間治療に用いられており現在医療用医薬品として、ウラジロガシの成分が医療機関でも使用されています。

まとめ

胆石症は、胆のうや胆管に結石ができる疾患で、時に日傷みなど様々な症状を引き起こします。

胆石の中で最も多いコレステロール結石を予防するにはコレステロールや脂肪分を控え、規則正しくバランス良く食べることが大切です。

健康な身体は毎日の食事から作られます。

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参考:MSDマニュアル 胆石症
https://www.msdmanuals.com/ja-jp/プロフェッショナル/02-肝胆道疾患/胆嚢および胆管疾患/胆石症

この記事の作成者:A.N(看護師)
この記事の提供元:シルバーライフ

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