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新茶の季節、高齢者に良いお茶とは

新茶の季節、高齢者に良いお茶とは

新茶とはその年の最初に育った新芽を摘んで作ったお茶のことです。新茶の葉はうま味成分を多く含み、特有の新鮮な香りがあります。緑茶を好む高齢者は多いですが、緑茶にはカフェインも含まれています。高齢者に適したお茶について紹介します。

お茶の歴史

お茶は世界各地で飲まれていますが、その呼び名は大きく分けて「チャ(Cha)」の発音と、「テ(Te)」の発音の2つに分けられます。この違いは、陸路を通じて伝わった地域では「チャ」、海路から伝わった地域では「テ」、と呼ばれているといわれています。

日本のお茶の歴史

お茶は奈良・平安時代に遣唐使や留学僧によって日本に伝えられたと考えられています。日本のお茶についての最も古い記述は、平安初期(815年)の「日本後記」といわれており、「嵯峨天皇に大僧都永忠が、近江の梵釈寺において茶を煎じて奉った」と記述されています。この頃のお茶は非常に貴重なものであり、僧侶や貴族階級などの限られた人だけが口にできるものでした。
鎌倉時代の代表的な医学書ともいえる「喫茶養生記」は臨済宗の僧である栄西によって記され、深酒の癖がある鎌倉幕府3代将軍源実朝に、お茶とともに献上されたといわれています。日本で本格的にお茶を飲む習慣が普及したのは、この栄西以降といわれています。
室町時代に入り1379年、足利義満は宇治茶を栽培するために「宇治七名園」と呼ばれる指定茶園を作りました。このことから宇治では茶葉の栽培が一層盛んとなり、これは豊臣秀吉にも受け継がれました。
村田珠光、武野紹鴎、千利休らによって確立された茶の湯は武士や豪商にも浸透し、江戸幕府の儀礼に正式に取り入れられるようになります。同時に江戸時代には、抹茶ではなく簡単な製法で加工した茶葉を煎じて飲むお茶が、一般庶民にも飲まれていたといわれます。

お茶の商品化

明治維新後、お茶は政府の支援もあり輸出量が増加していきました。もともとは士族が開拓した集団茶園を農民が引き継ぎ、流通の発達や茶商、仲買人、茶問屋などの誕生、各種機械・農具の発明など、お茶にかかわる関連産業が成立し発達しました。お茶が日本人の生活に浸透したのは大正末期から昭和初期といわれ、最近のことです。
1975年(昭和50年)頃には、急須を使ってお茶を入れる手間から、若い世代を中心に緑茶の茶葉の消費量は急激に減少していきます。1985年(昭和60年)に缶入りの煎茶が商品化されると、その簡便性や携帯性が広く受け入れられるようになりました。さらに1996年に500mlサイズのペットボトル入り緑茶が登場すると、キャップができるという利便性によりさらに消費量が拡大しました。

お茶の種類

お茶は大きく、日本茶・中国茶・紅茶に分けることができますが、すべて同じツバキ科の常緑種のチャノキ(茶の木)の葉から作られます。日本国内で生産されるお茶のほとんどは緑茶です。緑茶の種類は茶葉の栽培法や製造方法、加工方法などによって細かく分けることができますが、ここでは一般的な日本茶について紹介します。

緑茶の種類

お茶の生葉は、摘み取ったときから酸化酵素の働きによって発酵が始まります。緑茶は摘み取った後、新鮮なうちに熱処理(蒸す・炒る)することで酸化酵素の働きを止めた「不発酵茶」です。

・煎茶

緑茶の中でも最も一般的に飲まれているお茶といえます。蒸して加熱し、揉んで茶葉の形を整え、保存に適した水分量に調整するという、最も一般的な製造方法で作られたお茶が煎茶です。

・玉露

緑茶の中でも高級なお茶ですが、価格が高いのには理由があります。玉露はお茶の新芽が開き始める頃によしずや藁で20日ほど覆い、日光を遮って育てます。新芽が一斉に芽吹くと、短期間のうちに、緑が濃くて柔らかな新芽だけを手で摘み取って作るため、他のお茶よりも人手がかけられています。また日光を遮ることでアミノ酸であるテアニンからカテキンへの生成が抑えられるので、渋味が少なくうま味の多い味となります。

・抹茶

茶葉を蒸した後、揉まずに乾燥させ、茎や葉脈などを取り除いたものを「てん茶」といい、このてん茶を微粉砕機で引いたものを抹茶といいます。茶道で使用される他、近年は飲料だけでなく菓子類や料理にも幅広く利用されるようになっています。

・茎茶、粉茶

茎茶は玉露や煎茶の仕上げの工程で、選別機によって茎の部分だけを取り出したお茶です。特有のさわやかな香りと甘味があります。特に玉露や高級な煎茶の茎は「かりがね」と呼ばれます。粉茶は、同様に仕上げの工程でふるいなどで取り出された細かい粉の部分です。茶葉そのものを摂取することができるので、有効成分を無駄なく取り入れることができます。

・番茶

番茶にはいくつかの製法や意味合いがありますが、摘採期や品質、地域など日本茶の主流から外れたお茶を指しています。手ごろな値段でおいしいお茶といえます。

・ほうじ茶、玄米茶

ほうじ茶は、煎茶や番茶、茎茶などを強火で炒ったお茶のことです。炒ることでカフェインが昇華して、特有の香ばしさとさわやかな味わいが生まれます。
玄米茶は蒸した米を炒り、1対1の割合で番茶や煎茶とあわせたお茶です。炒り米の香ばしさが特徴で、茶葉の量が少ないことから1杯あたりのカフェイン量も少なく抑えることができます。

お茶の産地

お茶は日本各地、広範囲で栽培されていますが、産地別の生産量は、静岡と鹿児島で全体の7割以上を生産しています。
静岡県は明治維新のころ徳川藩士などによる牧之原台地の開墾によって日本一のお茶生産地になり、牧之原周辺では渋味の少ない深蒸し煎茶の製法が開発されました。
鹿児島県での本格的なお茶の栽培は、第二次世界大戦後からといわれます。日照量が多く、品種改良されて簡易被覆をした栽培が行われています。平坦な茶園が多いため機械化が進み、茶葉栽培の省力化・低コスト化も進められています。

・令和元年度産茶の摘採面積、10a当たり生葉収量、生葉収穫量及び荒茶生産量(主産県)
令和2年2月20日公表 農林水産統計より抜粋

都道 府県名 実 数
年 間 計 一 番 茶
摘採 実面積 摘採 延べ 面積 10a当たり生葉収量 生葉 収穫量 荒茶 生産量 摘採 面積 10a当たり生葉収量 生葉 収穫量 荒茶 生産量
埼玉 629 989 639 4,020 881 629 334 2,100 449
静岡 14,400 30,800 898 129,300 29,500 14,400 364 52,400 11,000
愛知 463 734 868 4,020 832 463 555 2,570 504
三重 2,620 5,480 1,090 28,600 5,910 2,620 477 12,500 2,480
京都 1,400 2,680 936 13,100 2,900 1,400 453 6,340 1,310
福岡 1,490 2,750 625 9,310 1,780 1,490 351 5,230 957
佐賀 679 1,330 814 5,530 1,240 679 396 2,690 574
長崎 559 942 615 3,440 693 559 342 1,910 373
熊本 980 1,670 628 6,150 1,270 980 303 2,970 600
宮崎 1,160 3,570 1,430 16,600 3,510 1,160 536 6,220 1,250
鹿児島 7,960 28,100 1,720 137,300 28,000 7,960 550 43,800 8,270

※左右にスクロールします。

お茶の利用方法

お茶を利用方法で分類すると、大きく3つにわけることができます。最も主要なのは、茶葉の浸出液を飲料として利用するものです。
次に、茶葉を直接摂取するものがあります。抹茶や粉茶、また菓子類に緑茶や紅茶の茶葉を使用したものも一般的となっています。
そして近年増加しているのが、お茶の成分を抽出し、有効活用した商品です。殺菌・消臭剤、化粧品や薬品などにも応用されています。

お茶の成分と健康効果

お茶には健康効果が期待されている成分が含まれています。

カテキン

カテキンはポリフェノールの一種で、緑茶の渋味の主成分です。一番茶で12~14%、二番茶で14~15%と含有量は増加し、成熟した葉よりも若い芽に多く含まれています。玉露のように日光を遮って栽培されたものはカテキンの生成が抑えられます。お茶に含まれるカテキンの主要成分は、エピカテキンとエピガロカテキン、エピカテキンガレートとエピガロカテキンガレートの4つです。緑茶中に最も多く含まれるのはエピガロカテキンガレートで、カテキンの50~60%を占めているといわれます。カテキンの健康効果は抗酸化作用をはじめとして、血圧の上昇抑制、血中コレステロールの低減、体脂肪の低減、抗がん作用、抗ウイルス作用、消臭・抗菌作用、虫歯予防など、さまざまな効果が期待されています。

カフェイン

カフェインはお茶の苦味の成分のひとつです。成熟した芽よりも若い芽に多く含まれるため、若芽を摘んで作られる抹茶や玉露ではカフェイン含有量が多くなります。カフェインは脳の中枢神経に作用して興奮させる作用があります。そのため眠気を防いで、作業の効率を上げる効果が期待されます。また、カフェインの摂取によりアルコールの代謝が高められるため、二日酔いにも効果があるといわれます。しかしカフェインの代謝機能が弱い小さな子供や高齢者では、不眠や多弁、落ち着きがないなどの症状があらわれる可能性があります。

テアニン

テアニンはアミノ酸の1種で、お茶に含まれるうま味成分のひとつです。茶葉に含まれるアミノ酸には他に、グルタミン酸、アスパラギン酸、アルギニン、セリンなどがありますが、テアニンはお茶に特有のアミノ酸です。若芽には特に多く含まれ、成熟した芽では極端に減少します。玉露のように日光を避けて栽培すると、アミノ酸からカテキンへの生成が抑制されるため、茶葉にテアニンが豊富に残ります。そのため、新茶や玉露にはうま味が多いと考えられています。

その他の成分

・サポニン

サポニンはお茶全体に含まれる成分で、泡立つ性質があります。抹茶を立てたときに泡立つのは、サポニンの作用です。サポニンは強い苦味とえぐみがあり、野菜などに含まれるアクの成分ですが、抗菌・抗ウイルス作用などの効果も期待されています。

・フッ素

フッ素はツバキ科の植物に多く含まれ、若芽よりも成長した葉に多く含まれるといわれます。歯の表面に耐酸性の被膜を作り、虫歯の予防に効果が期待できます。

高齢者とお茶

緑茶を好む高齢者は多いですが、健康の維持・増進に役立てるには、どのようなことに配慮をすべきでしょうか。

認知症とお茶

認知症に対する緑茶の効果については、さまざまな研究が行われています。緑茶に含まれるうま味成分のひとつであるテアニンは脳神経細胞保護作用のメカニズムも解明されており、軽度認知症の進行予防に効果があるのではないかと考えられています。一般的な茶道のお手前に使われる抹茶を1日2~4g摂取することで、効果が得られるともいわれています。今後の研究が一層進むことが期待されます。

要介護リスクとお茶

さまざまな研究や調査で、日常的に緑茶を飲む習慣がある高齢者は、ほとんど飲まない人と比べて要介護認定のリスクが低いことがわかっています。その理由は明らかにはなっていませんが、緑茶に含まれる成分による効果だけではなく、緑茶を飲むときの環境も高齢者に良い影響を与えているとも考えられています。緑茶を飲むときは、誰かと一緒に会話をしながら飲む状況が多いと予想され、その環境が高齢者の健康維持に役立っているという可能性も考えられています。

服薬とお茶

多くの薬は服用時に「水またはぬるま湯」で飲むように指示が書かれています。以前は特に鉄剤をお茶で服用すると緑茶中のタンニンが鉄の吸収を阻害するため、お茶で飲まないようにと注意がありました。現在はタンニンの影響はさほど大きくないとされ、お茶で飲んでも大きな支障はないといわれます。ただし、薬の種類によってはお茶の成分が薬の効き目に影響を及ぼすことも考えられるため、飲み慣れない薬が処方された場合には、医師や薬剤師に、薬と飲み物や食べ物の組み合わせについて確認するようにしましょう。

食事療法とお茶

腎臓などに疾患があり、食事療法として水分やカリウムに制限がある場合は、緑茶にも注意が必要です。緑茶の中でも特に抹茶や玉露には多くのカリウムが含まれているため、1杯のお茶でカリウムを摂り過ぎている危険性があります。緑茶が好きな方は、かかりつけの医師や管理栄養士に相談してみましょう。飲料としてのお茶だけではなく、抹茶が使われた菓子類にも注意が必要なことがあります。

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睡眠とお茶

緑茶の中でも特に玉露や抹茶には多くのカフェインが含まれています。カフェインには覚醒作用と利尿作用があるため、どちらも睡眠に影響を与えます。寝る前に緑茶を飲むことで寝つきが悪くなったり、寝付いたと思ったらトイレに目が覚めたりといったことは、睡眠の質の低下につながります。また、睡眠に関係する薬を服用している場合は、薬の効き目に影響を及ぼすことがあるため、夕方以降はカフェインを含んだ飲み物は控えるようにしましょう。カフェインが体に与える影響には個人差が大きく、年齢や性別にかかわらず、カフェインの影響の受け方は異なります。しかし高齢者の場合、加齢による内臓機能の低下によってカフェインを分解・排出する機能が低下している可能性もあるため、やはり摂りすぎには注意が必要といえます。

おいしいお茶の淹れ方

お茶は、淹れ方で味が大きく変わるといわれます。上手な淹れ方で、お手頃な茶葉もおいしく飲むことができます。

NPO法人日本茶インストラクター協会のウェブサイトです。お茶の種類ごとに、イラスト入りで詳しく説明されています。ご参考ください。
https://www.nihoncha-inst.com/basic/basic5.html

まとめ

緑茶にはさまざまな健康効果のある成分が含まれると同時に、高齢者には飲み方に配慮が必要な場合もあります。体調や生活環境に合わせて、上手に取り入れましょう。

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