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【まごころ弁当】あなたの身近に潜む『食中毒』の原因

作成日:2021年7月19日

【まごころ弁当】あなたの身近に潜む『食中毒』の原因

湿気と温度が高くなる6月~9月は細菌による食中毒が多くなります。食中毒を起こすとつらい症状が出るだけでなく、時には命に関わることも。食中毒にはノロウイルスや細菌だけでなく、化学物質や野草、キノコの毒なども含まれます。身の回りに潜んでいる食中毒について知り、食中毒から身を守りましょう!

『食中毒』の原因について

食中毒とは細菌やウイルス、有毒な物質がついた食品を食べることによって健康被害を起こすことです。食中毒は気温や湿度が高くなる夏場に多く発生しています。食中毒を起こすと下痢や嘔吐、発熱、時には生命を脅かすこともあります。

食中毒の原因は大きく分けると微生物、ウイルス、化学物質、自然毒、寄生虫の5つに分けられます。食中毒を引き起こす微生物は食中毒細菌、真菌、原虫類などです。食中毒細菌は約20℃の室温で活発に増殖し始め、35~40℃で最も増殖が活発になります。細菌の多くは湿気を好むため、細菌による食中毒は気温と湿度が高くなる6月から9月に多く発生します。

ウイルスは低温や乾燥した環境の中で長く生存するため、ウイルスによる食中毒は11月~3月に流行します。食中毒を起こす原因となるウイルスの中で最も多いのはノロウイルスです。化学物質による食中毒はもともと自然界に存在するものと人工的に作られたものがあります。化学物質は加熱によってなくなることはないため、誤って喫食したり混入しないよう注意しなければなりません。

自然毒による食中毒は、動植物がもともと持っている有毒物質が原因である場合と食物連鎖によって毒化する場合などのことをいいます。きのこやフグ、ジャガイモの芽なども自然毒です。化学物質による食中毒同様に自然毒も加熱では分解できません。

寄生虫による食中毒は生の魚介類や獣肉などから感染します。寄生虫は目視で確認することができ、取り除くことができます。

食中毒は様々な原因により1年中発生しています。令和元年の食中毒発生件数は1,061件で、そのうちの3割がアニサキスによる食中毒、次いでカンピロバクター、ノロウイルスでした。上位の3種類の原因だけで全体の8割弱を占めていました。同じく令和元年の食中毒患者数の1位はノロウイルスで、その数はおよそ5割にも及びます。次いでカンピロバクター、ウェルシュ菌と続きます。これらの病原体は1回の食中毒事件で多くの患者が発生しているため、発生件数と比較すると患者数は多くなります。

また、食中毒は、同じものを食べていても中毒を起こす人と起こさない人がいる場合があります。これを「宿主側要因」といい、宿主側要因には年齢や栄養状態、基礎疾患、食習慣の違いなどがあります。同じものを食べても食中毒を起こす人と起こさない人、その違いは免疫力の差です。赤ちゃんや子ども、高齢者や抗がん剤、ステロイド治療を受けている方などは健康な成人と比較すると免疫力が低いため、食中毒を発生するリスクが高くなります。

『食中毒』の原因となるもの

<細菌>

・サルモネラ菌
動物の腸管内や自然界に広く存在する菌です。十分に加熱していない卵や肉、魚などが原因となります。乾燥に強く熱に弱い特徴があり、食後6~48時間で吐き気や腹痛、下痢、頭痛などの症状が出ます。

・黄色ブドウ球菌
人間の皮膚、鼻や口の中にいる常在菌で、傷や鼻の中を触ったあとなど汚染された手で調理したものが食中毒を起こします。菌自体は加熱に弱いですが、増殖すると熱・乾燥・胃酸に強い毒素を作るため、一度毒素が出来てしまうと熱しても食中毒を防ぐことができません。食後30分から6時間で吐き気や腹痛などの症状が出ます。

・腸炎ビブリオ菌
海水や海産魚介類に生息し、海水温が20℃を超えると爆発的に増殖する菌です。菌が生息していたり付着している海産魚介類を生で食べると発症します。一方で真水や熱に弱いという特徴があります。食後4~96時間で激しい下痢や腹痛などの症状が出ます。

・カンピロバクター
牛や豚、鶏の腸内に生息する菌です。十分に加熱されていない肉(特に鶏肉)や飲料水、生野菜などが原因で、事故の多くは鶏肉の加熱不足によって発生しています。乾燥に弱く、加熱すると菌は死滅します。食後2~7日で下痢、発熱、吐き気、腹痛などの症状が出ます。稀にギランバレー症候群という四肢や顔、呼吸器官などに麻痺が起こる疾患を合併症として発症することがあります。

・腸管出血性大腸菌(О157、О111など)
主に牛の腸内に生息しています。十分に加熱されていない肉、よく洗っていない生野菜などが原因となります。十分に加熱すれば防ぐことができます。食後12~60時間で激しい腹痛、血が混ざった下痢などの症状が出ます。重症化すると命に関わることもあり、食中毒による死亡事例は腸管出血性大腸菌によるものが最も多いです。

・ボツリヌス菌
土の中など自然界に広く生息している菌で、運動神経を麻痺させる毒素を算出します。ハムやソーセージ、レトルト食品、はちみつなどが原因となります。缶詰など酸素がないところでも増殖でき、熱に強い芽胞*を形成するため通常の加熱では死滅しません。食後8~36時間で脱力感や頭痛、めまい、呼吸困難などの症状が出ます。

*芽胞とは一部の細菌が増殖に適さない環境になった時に形成する耐久性の高い特殊な細胞構造のことです。長期間休眠状態を維持することができ、熱に強いという特徴があります。

・セレウス菌
土や水の中など自然界に広く存在する菌で、土が付きやすい穀類や豆類などが主な感染源です。熱に強い芽胞を作り、通常の加熱では死滅しません。毒素の種類によって嘔吐型と下痢型に分かれますが、日本ではほとんどが嘔吐型です。食後1~5時間で吐き気、嘔吐、腹痛、下痢などの症状が出ます。

・ウェルシュ菌
土や水の中、自然界に広く存在し、人の腸管内にも生息しています。原因食品の多くはカレーやスープ、煮物など大量に調理する食品です。熱に強い芽胞を形成し、通常の加熱では死滅しません。食後6~18時間で腹痛や下痢、お腹の張りなどの症状が出ます。

<ウイルス>

・ノロウイルス
牡蛎などの2枚貝を生や中まで十分加熱しないで食べた場合や、ウイルスに汚染された水道水、井戸水などを飲んで感染することもあります。また、ノロウイルスに感染した人が調理した汚染された食品でも発症するため、一度の事故における患者数が多いのが特徴です。熱に弱く、85℃以上で1分間以上加熱すると死滅します。食後1~2日で吐き気、下痢、腹痛などの症状が出ます。

・E型肝炎ウイルス
十分に加熱してない豚、イノシシ、シカなどの肉や内臓が原因です。また、海外の地域によっては生水からも感染する場合があります。熱に弱いので中心まで十分に加熱すれば防ぐことができます。ほとんど症状は出ませんが、感染から6週間程経過すると肝炎を起こし、身体がだるくなったり、発熱するなどの肝炎症状がみられ、高齢者の方では重症になりやすく、死に到る危険性もあります

<化学物質>

・ヒスタミン
赤身魚に含まれるヒスチジンと、魚の死後に表面や内臓に生息する微生物が産生する酵素と反応することで人体に有害なヒスタミンが作られます。一度作られたヒスタミンは除去することができないため、生魚は低温で管理することが重要です。食後数分から1時間で、アレルギーのようにじんましんや顔面の紅潮、頭痛や嘔吐、下痢、呼吸困難などの症状が出ます。最近では、給食のうどんに使うだしパックを長く煮込み過ぎたことによりヒスタミンが多く抽出されて、食中毒が発生した事故がありました。

<自然毒>

フグのエンテロトキシンや野草、毒きのこなど自然界にある毒を口にすることでも食中毒は起こります。毒の種類により症状は様々ですが、少量食べるだけでも死に至る毒もあるため、毒のある生物や見分けがつかなかったり知らない野生の植物は食べてはいけません。

<寄生虫>

・アニサキス
アニサキスは半透明~白色の細長い寄生虫で、幼虫がサバやアジ、カツオ、イカなど様々な魚介類に寄生しています。アニサキスの幼虫が寄生している魚介類を生や十分加熱せずに食べると食後1~8時間程度でアニサキスが消化管の壁に食いつくことによって急な腹痛を起こします。

『食中毒』に関するまとめ

今回は食中毒の原因について解説しました。食中毒を起こす原因となる菌や物質は様々ですが、菌やウイルスは生物としての弱点があります。食中毒菌やウイルスの特性を知り、対策をとることが大切です。次回は、食中毒の予防法について解説します。

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この記事の作成者:A.N(看護師)
この記事の提供元:シルバーライフ

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