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食事介助|看護の現場におけるマニュアル・事例

作成日:2022年9月26日

食事介助|看護の現場におけるマニュアル・事例

高齢化が進むにつれ、高齢のご家族の介護をする方が増えてきています。

そんな中、食事介助を自己流で行っているものの、正しいやり方やどのような点に注意すべきかがわからないという方も多いのではないでしょうか。

この記事では、看護の現場における食事介助のマニュアル・事例を取り上げながら、食事介助の注意点をわかりやすく丁寧に解説していきます。

この記事を参考に食事介助の方法を改めて理解して、楽しく快適な食事の時間を作りましょう。

一般の方が食事介助をする際に注意する点については、次の記事にまとめたのでぜひ参考にしてみてください。

>食事介助の注意点とは。高齢者に食事介助が必要な理由を交えて解説

看護師が食事介助を行う必要性

食事介助とは、箸やスプーンを持てない、うまく食事を飲み込むことができないなど、ひとりでうまく食事できない方のために介助を行うことを指します。

具体的には、スプーンを口に運んだり、飲み込みやすい献立を考えたりすることで、被介助者の食生活をサポートすることです。

高齢になると、全身の筋肉が衰えるため食事が困難になりがちです。特に嚥下障害がある場合は、食事が原因で誤嚥性肺炎を引き起こすこともあります。

そのため、看護の場では適切な介助が必要になります。

食事介助マニュアル5つを紹介

食事介助については、様々な団体からマニュアルが発行されています。

介助を行う際のポイントなど基礎的なことや実戦的な手法、専門的な知識まで、各団体ごとに特色ある内容となっています。

ここでは食事介助マニュアルを5つ紹介していますので、看護時に参考になりそうなものを選択していただき活用されるとよいでしょう。

日総研の提供する食事介助マニュアル

日総研が提供しているのは、食事ケアに関する介護技術マニュアルを提供です。食事ケアの基本姿勢といった基礎的な内容から、食べ物が体内に入るメカニズムなどの専門的な知識まで、幅広く紹介しています。

中でも誤嚥対策については詳しく記載されており、誤嚥の予防から誤嚥してしまった際の対応方法まで解説しています。

また、OJTに活用できる介護チェック表がついており、項目別の自己チェックや第三者チェックにより、必要な技術をもれなく身につけられるのが特徴です。

詳細はこちらをご覧ください。
日総研 介護技術マニュアル

大村市在宅ケアセミナーの提供する食事介助マニュアル

大村市在宅ケアセミナーのマニュアルでは、食器の選び方や食事介助を学ぶための相互体験実習など、実践的な知識を身につけることが可能です。

誤嚥を予防する訓練方法も豊富に紹介されており、すぐに実践に活かすことができます。

詳細はこちらをご覧ください。
大村市在宅ケアセミナー 嚥下の仕組みと食事支援のポイント

市立砺波総合病院の提供する食事介助マニュアル

市立砺波総合病院は、安全性を重視した食事介助マニュアルを提供しています。薬を飲ませる際の注意点や義歯の手入れ方法など、幅広い介助技術を紹介しています。

また、食事介助が必要か判断するためのチェックポイントも掲載しているので、介助が必要か迷った際には参考にしてください。

詳細はこちらをご覧ください。
市立砺波総合病院 食事介助マニュアル

周防大島町立橘病院の提供する食事介助マニュアル

周防大島町立橘病院は、患者中心の看護をするための食事介助マニュアルを提供しています。

入院患者12人を対象にした、食事形態・環境改善の取り組みと成果を紹介していることが特徴です。

具体的には、調理方法の工夫により、患者の食事量を全体の4割から6割まで増やすことに成功しています。

また、食事を行うホールで音楽を流すことにより、ベッド上で食事を摂っていた患者がホールまで出てくるようになり、患者間で積極的に会話が行われるようになりました。

詳細はこちらをご覧ください。
周防大島町立橘病院 患者中心の看護のための食事支援の見直し

老人ホーム シオンの丘ホームの提供する食事介助マニュアル

老人ホーム シオンの丘ホームは、口腔機能の正常化に焦点を当てており、その中で食事介助マニュアルを紹介しています。

入居者それぞれの個人マニュアルを作っており、職員間の情報共有を効率化している点が特徴です。

また、被介助者にふるえがある場合や、食事中にうとうとしてしまった場合の具体的な対処法も紹介しています。

詳細はこちらをご覧ください。
老人ホーム シオンの丘ホーム 多職種のつながりが生む口腔機能維持

食事介助の看護現場における事例

食事介助が必要な方の状態や環境によって、介助する際のポイントや注意点は異なります。

看護をするうえでは、食事介助のマニュアルを踏まえつつ、その人にとって最適な方法を模索していく必要があります。

その際、看護の現場の実例を参考にするのも有効です。

ここでは、看護現場における実際の食事介助の事例を3つ紹介します。

事例①多職種連携による食事改善

85歳の男性は、6年前に脳梗塞を発症して以降、ほぼ寝たきり状態が続いていました。

娘2人は独立しており、妻が他界した3年前に特別養護老人ホームに入居しました。過去2回誤嚥で救急搬送されており、誤嚥性肺炎を繰り返しています。

この看護現場での事例では、好きなものを食べたいという入居者の思いを尊重した上で安全な食事を実現するために、看護師・介護士・医師が職種を超えたチームワークを発揮しました。

看護師が食事の形態や介助方法について検討し、共有を受けた介護士が直接的な食事介助を行いました。

また医師からは、今後入居者の嚥下機能や認知機能が低下した際、代わりとなる栄養摂取の手段についてアドバイスを行いました。

詳細はこちらをご覧ください。
公益社団法人日本看護協会 食事をめぐる介護施設での他職種との意見の違い

事例②食事介助時の腰痛対策

食事介助の際、介助者は腰をひねったりベッドに乗り出したりして介助を行うため、腰に大きな負担がかかります。

ある老人保健施設では、従業員の腰痛が多発したため、安全衛生活動を強化することで職場環境を改善しました。

安全衛生活動の結果、固定式リフトなどの福祉機器を積極的に利用することで、労働者の負担が軽減されました。

活動開始から6年目には休業者・要業務軽減者の数はゼロになっており、介助時の腰痛改善に成功しています。

詳細はこちらをご覧ください。
食事介助時の腰痛対策の事例

事例③自発的な食事を促す食事介助

80代の女性は、食事をする能力については問題ありませんが、食欲が乏しく数口で拒否してしまうため、自力摂取が不可能に近い状態でした。

そのため鼻のチューブから栄養を摂っていましたが、ご家族の要望により経口摂取に切り替えることになりました。

この看護現場での事例では、声かけを通して自発的な食事を促すことで、1ヶ月後には食事を自力でほぼ完食できるようになりました。

1日に1200kcalの摂取が可能になったことで、栄養チューブの除去も実現しています。

詳細はこちらをご覧ください。
桜十字病院 【食べられるようになりました!】患者さまに向き合った食事介助

食事介助の流れとポイント

看護において高齢者の食事介助をスムーズに行うには、誤嚥や窒息などの事故が起こらないよう、食べ物を口に入れてから咀嚼するまでの適切な指導やサポートが必要です。

またそのためには、食前の準備や食後のケアも欠かせません。

高齢者が「美味しい」「楽しい」と感じられるようにするためにも、適切な介助が求められます。

ここでは、食事介助の流れとポイントを解説します。

ポイント①食事前に声をかける

食事前には、積極的に声かけを行うようにしましょう。

食事の直前まで眠っている場合もあるため、声をかけることで覚醒を促し、誤嚥を防止することができます。

また、「今日は○○さんの好きなハンバーグですよ」というように、献立を説明することで食欲増進にもつながります。

実際、食べることに抵抗感を持っていた方が前向きになったり、摂取量が増えたりしたという事例も少なくありません。

ポイント②身の回りを清潔にする

食事をするための環境を整えることも大切です。手洗いをする、テーブルを拭くなど、身の回りを清潔にしましょう。

不衛生な環境では、食事が思うように進まないことがあります。気持ちよく食べられるような配慮が必要です。

高齢者自身で手洗いが難しい場合には、濡れタオルなどで手や指の間を丁寧に拭いてあげましょう。

ポイント③口腔内を清潔にする

うがいや歯磨きなどで、口の中を清潔にしておきましょう。

口腔内に汚れが残っている状態で誤嚥した場合、器官に細菌が入り込み、誤嚥性肺炎を発症する可能性があります。

また、口の中を綺麗にすることで唾液の分泌が促進され、食べ物を飲み込みやすくなります。

口内を清潔にすることで、食べ物の味が感じやすくなる点でも重要なポイントです。

ポイント④正しい姿勢をとる

食事介助は、正しい姿勢で行うことが大切です。無理な体勢で行うと、食べ物が気管に入りむせてしまう可能性があるので注意してください。

上半身を90度に近い角度に起こすことで、食べ物が重力によりスムーズに食道まで運ばれます。

また介助者は必ず横に座り、同じ目線で食事介助を行えるようにしましょう。

立ったまま介助すると、被介助者の顎が上がりやすく、誤嚥の原因となるためです。

ポイント⑤下の角度から、嚥下できる適量を運ぶ

食事介助は、被介助者が飲み込めるだけの量を下から運ぶことが大切です。一口の量は、小さじにのる程度が一つの目安です。

スプーンを下の角度から持っていくことで、誤嚥を防ぐことができます。

顎が上がっていると食べ物を飲み込みづらくなるため、被介助者の体勢は前傾姿勢になるようにしてください。

舌の中央に食物を置き、口をしっかりと閉じてもらうようにしましょう。

ポイント⑥バランスよく交互に食べる

食事は、主食・主菜・副菜などをバランスよく食べることが大切です。

ひとつのメニューを連続して食べると飽きやすく、食事が味気ないものになってしまいます。

また、口腔内の水分が不足しないよう、適度に汁物などを交えることも重要です。

嚥下をよりスムーズするためには、食事前にお茶や水などで水分補給をして、口の中を潤しておくとよいでしょう。

ポイント⑦食事を急かさない

急かすように次々と食事を運んでしまうと、焦って誤嚥の可能性が高くなります。

食べていたものをきちんと飲み込んだかどうか、毎回きちんと確認してから次の食事を口に運ぶようにしましょう。

また、食事のイメージも悪くなってしまうため、自分のペースで進めるのではなく被介助者のペースに合わせてあげることがポイントです。

ポイント⑧食後に口腔ケアをする

口腔内に食事が残っていないか確認したうえで、口腔ケアを行います。歯磨きやうがいなどのケアは、雑菌の繁殖を抑えるために重要です。

また、食事を気持ちよく終えてもらう効果もあります。

口の中を清潔にすることで、すっきりした状態で休んでもらえます。被介助者が義歯を利用している場合は、入れ歯のケアも行ってください。

食事介助時の観察のポイント

食事介助時は、残った食事の内容やかかった時間など、摂取量を確認しましょう。

食事の摂取量は、ご高齢の方の健康状態を把握するうえで大切です。

継続的にチェックすることで、摂取量に変化があった際に気付きやすくなります。

摂取量が著しく変化した際は疾病の可能性もあるため、担当の看護師や栄養士と相談してください。

食事介助は看護において重要

今回は、看護現場における食事介助の必要性をはじめとして、食事介助マニュアルや実例、食事介助の流れとポイントについて紹介しました。

食事介助は、高齢者にとって食事の時間が楽しいものになるか、苦痛なものになるかを大きく左右します。

食事の時間が楽しくなると、高齢者にとって生活の質を高めることにもつながります。

本記事を参考にしていただき、適切な食事介助を行うことで楽しく快適な食事の時間をつくりましょう。

この記事の作成者:槌谷 久佳(ライター)
この記事の提供元:シルバーライフ

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