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クラムチャウダー 魚介の旨みたっぷり

作成日:2021年12月19日

クラムチャウダー 魚介の旨みたっぷり

寒い冬にふうふう言いながら食べるスープ、中でも貝類を使った旨みたっぷりのスープはおいしいですね。今回は手に入りやすいアサリを利用した、クラムチャウダーをご紹介します。

アサリとはどんな貝?

アサリは日本全国および中国から韓国、フィリピンにかけて分布しています。

砂地の海底、潮が引くと干潟として現れるあたりに生息し、砂底深く潜らず、浅いところに生息しています。

少し掘るだけで採ることができるため「浅利(アサリ)」と名付けられたということで、表面の模様は茶色いものから青みがかったものまで、とてもバラエティーに富んでいます。

旬は晩秋から春にかけてで、私たち日本人の春の風物詩、潮干狩りは、主にこのアサリが対象でもありますね。東京では特に愛され、あさりを使った深川めしが有名です。

ご飯のほか、みそ汁や和え物、佃煮と、アサリを使った料理はとても種類が多く、私たちの食卓とは切っても切れない関係であるのは周知の事実ですね。

昭和初期までは日本全国の干潟で採ることができたアサリですが、干潟の埋め立てや水質悪化、アサリを捕食する外来種の巻貝、ツメタガイの増加などにより、国内の漁獲量は減っており、各産地ではアサリ生息数の増加に向け、砂浜の再生やアサリの天敵となる外来種の貝類の駆除など、さまざまな取り組みがなされています。

現在では、減少した国産アサリの不足分を補うため、中国や韓国からの輸入量が増えています。

アサリの栄養や健康効果

アサリは高たんぱく低カロリーで、下記の通りさまざまな栄養素を含んでいます。

アサリ可食部100g当たりの栄養価

栄養素名(単位)含有量栄養素名(単位)含有量
エネルギー(kcal)30亜鉛(mg)1.0
たんぱく質(g)6銅(mg)0.06
ナトリウム(mg)870ビタミンB2(mg)0.16
カリウム(mg)140ナイアシン(mg)1.4
カルシウム(mg)66ビタミンB12(μg)52.4
鉄(mg)3.8葉酸(μg)11

日本食品標準成分表2015年度版(七訂)追補2018年より

カリウム

カリウムは体内でとりすぎた塩分(ナトリウム)の量を調整し、体外へ排泄する働きがあります。私たちの体はとりすぎた塩分を薄めようと体内に水分をためてしまいます。

それがむくみとなり、また、溜め込んだ水分で量が増えた血液を全身に送るため、心臓に負担がかかり、高血圧になります。

カリウムを取ることで、塩分(ナトリウム)の過剰摂取からくる、むくみや高血圧を予防する一助になります。

カルシウム

カルシウムは骨や歯の原料として使われています。不足すると、骨粗しょう症やくる病などを発症してしまいます。

また、神経の伝達を正常に行い、筋肉が正しく動くように助けるほか、出血を止める働きを行う酵素を活性化させたり、ストレスをやわらげたりする働きがあります。

鉄は血液中のヘモグロビンの中に取り込まれ、私たちの体の隅々まで酸素を送り届ける働きをしています。鉄分が不足して発生する病気に鉄欠乏性貧血があります。

鉄欠乏性貧血は、めまいや動悸、倦怠感や食欲不振を引き起こすことがあります。

激しいスポーツをする方、女性は生理や妊娠・出産で多くの鉄分を失うため、特に意識して取っておく必要があります。

亜鉛

亜鉛は代謝を司る酵素の成分として、体内でも特に代謝が盛んな部分に多く存在しています。

特に舌の上にある味蕾という味を感じる細胞は、亜鉛不足により代謝が落ちることで、味覚障害を引き起こします。

ミネラルの中でも不足しやすい栄養素であるため、積極的に取る必要があります。

銅は血液の中のヘモグロビンに鉄を送り届け、合成させる働きがあります。そのため、銅が不足するとヘモグロビンが不足し、貧血を引き起こすことがあります。

また、骨が弱くなったり、子どもの発達障害がおこったりすることがあります。

銅は魚介類をはじめとするさまざまな食品に含まれているので、不足することはあまりないと考えられています。

なお、中医薬膳学では、あさりには、以下のような効能があるとされています。

・疲労回復
・動脈硬化の予防
・高脂血症の改善
・肝機能の改善
・コレステロール値および血糖値の低下
・むくみの改善
・デトックス

なお、中医薬膳学では体を少し冷やす食品とされています。寒い時期にはしょうがや辛子など、体を温める効果のある食材と合わせて調理するのがポイントです。

貝類の旨み成分とは

私たち日本人が大切にしている「旨み」。これ主にかつお節など動物性の食品に含まれるイノシン酸、昆布など、植物性の材料に多く含まれるグルタミン酸がありますね。

アサリには、これらとはまた違ったうまみ成分、コハク酸というものが含まれています。

コハク酸はドイツの鉱物学者ゲオルグ・アグリコラ氏がコハクの中から見つけ出した成分で、この名があります。

コハクといわれると、針葉樹の幹から発生する樹脂の化石で、おおよそ口にするものとは思えないところですが、自然界では多く存在する物質です。

しじみやアサリにとくに多く含まれ、貝類は過酷な環境におかれると、そのストレスからより多くのコハク酸を生成します。

購入したアサリは砂抜きしたあと、ザルにあげて水を切ってから、半日程度冷蔵庫に入れておくだけで簡単に増やすことができます。

購入後調理までに時間がある場合は、ぜひお試しくださいね。

また、コハク酸には旨みだけではなく、私たちの体にうれしい効能がいくつもあることが知られています。

抗がん作用

広島大学大学院 生物圏科学研究科、加藤教授(2009年)の研究により、コハク酸は大腸がんや胃がんの細胞の増殖を抑制する効果があることが認められると確認されたということです。

ダイエット効果

コハク酸は、エネルギー代謝にかかわるクエン酸回路に欠かせない成分の一つです。

クエン酸回路が正常に働くことにより、エネルギー代謝を正常に行い、脂肪燃焼、疲労回復に役立つと言われています。

美肌効果

クエン酸回路はまた、細胞分裂や血行、代謝の促進にも一役買っていることが知られています。このことは肌の代謝を盛んにし、肌荒れの改善効果へとつながります。

アサリの調理のポイント

アサリ調理の基本 砂抜き

スーパーマーケットの店頭では、砂抜き済のアサリも販売されていますが、海水に漬かっていない状態のものは砂抜きができていない場合が多いです。できれば、砂抜きしてから調理しましょう。

アサリ調理の基本 砂抜き

①砂地に生息するアサリは、貝殻の内側に砂を溜めていることがあります。購入後は速やかに貝殻が割れたものや口が開いてしまっているもの(死んでいる貝)を取り除き、やさしくこすり洗いしてから、水1リットルあたり30g(大さじ2)の塩を入れた水につけて蓋をし、冷暗所で2時間程度、砂抜きをします。

作り方①

②約2時間後、アサリを取り出したあとのボールには、さまざまな汚れや砂が吐き出されています。取り出したアサリは、再度流水でざっと洗います。

作り方②

③多めに入手し、すぐに使う予定がない場合は、この段階でアサリを保存容器に入れてひたひたに水を入れ、蓋をして冷凍します。

作り方③

クラムチャウダーとは?

日本では、クラムチャウダーといえばアサリですが、では、このスープはどこで生まれた料理なのかをご存じでしょうか?

チャウダーとは、牛乳や生クリームを使用して作る滑らかなスープのことを指していました。

そのなかでもクラムという総称で呼ばれる二枚貝を使用して作るものを、クラムチャウダーと呼んでいます。

クラムチャウダーはアメリカ大陸開拓時代、ヨーロッパから現在のニューイングランド州を訪れ、定着した訪れた人々によって作り出された料理だと言われています。

海で採れた貝類を用い、牧畜を行い、手にした乳製品を加え、作られたものだったのですね。

もともと、アメリカ沿岸にはアサリは生息していません。本場アメリカは東海岸で作られているクラムチャウダーには、ホンビノス貝という二枚貝が使われています。

ホンビノス貝はアメリカ原産の貝ですが、最近では船舶の運航に伴い日本に運ばれてきたものが、関東を中心に日本近海にも生息するようになり、市場でみられるようになりました。

アサリよりも砂の奥深くに潜って生育しているため、上手に住み分けができているということで、特定外来生物の指定は受けておらず、アサリ同様旨みが強い二枚貝の一種です。

もし手に入れば、ぜひ本場の味を作ってみてくださいね。

あさりのクラムチャウダー

あさりは貝類の中でも特に私たち日本人にはなじみが深く、使いやすいですね。

今回はアサリを利用して作るチャウダーや、アレンジとしてさまざまな材料で作るチャウダーをご紹介します。

【材料】2人分
・アサリ…200g(殻付き)
・ベーコン…薄切り1枚
・玉ねぎ…1/6個
・にんじん…3cm分
・じゃがいも…1/2個
・バター…大さじ1強
・薄力粉…大さじ1
・牛乳…200cc
・塩・こしょう…各適宜
・ドライパセリ、クラッカー…各適宜

材料

【作り方】

①あさりは上の項を参考に、砂抜きをしておきます。

②玉ねぎ、じゃがいも、にんじん、ベーコンは適宜皮をむき、角切りにしておきます。

③あさりを鍋に入れ、ひたひたの水を注いで火にかけます。

作り方③

④アサリの口が開いたら火を止め、殻から身を外し、煮汁は濾しておきます。

(この時、水と共に小さじ半分ほどの酢を入れて炊くと、酸の作用で殻のカルシウムが煮汁に溶けだし、吸収しやすくなります。)

作り方④

⑤鍋にバターを溶かし、②のにんじん、じゃがいも、玉ねぎ、ベーコンを炒めます。

作り方⑤

⑥全体にバターが回ったら、薄力粉をふるい入れ、さらに炒めます。

 

作り方⑥

⑦③のあさりの煮汁と水をひたひたになる程度に加え、野菜に火が通るまで煮ます。

作り方⑦

⑧野菜が煮えたら牛乳を加え温め、器に盛ってドライパセリを振り、好みでクラッカーを添えます。

作り方⑧

いろいろ使えるチャウダー

今回はあさりを使ったチャウダーをご紹介しましたが、アサリ以外にもさまざまな魚介を使って作ることができます。

寒い季節におすすめなのは、ムール貝にエビ、牡蠣、そして、鶏肉です。

あさりは体を冷やすと言われていますが、中医薬膳学では、ムール貝やエビ、牡蠣や鶏肉には、体を温める効果があるとされています。

ムール貝には、冷えを予防するほか、倦怠感や食欲不振の解消、また、下痢やめまいを防ぐ働きもあるとされています。

えびにはタウリンが多く含まれ、疲労回復、免疫力の向上にも役立つと言われています。

牡蠣には疲労回復に効果的なグリコーゲンのほか、亜鉛をはじめ、多くのミネラル分が含まれています。

鶏肉にも疲労回復効果があるほか、良質なたんぱく質を含む食材として、おすすめです。

生のムール貝が手に入った場合は殻をきれいに掃除し、蝶番の部分についている細いひげのようなものは骨抜きで抜いておきます。

酒又はワインを振りかけて蒸し煮にし、作り方⑦でスープに加えます。

牡蠣やエビも同様に、あらかじめ殻から外し、適宜掃除をしてから蒸し煮にしておきます。工程⑦で、仕上げに温める程度にスープの鍋に加え、味をなじませます。

鶏肉の場合は、②の野菜類と同じくらいか少し大きく切り、⑤でほかの材料とともに炒め、水を加えて煮ます。

チャウダーレシピのまとめ

今回は寒い季節にぜひ楽しみたい、旨みが豊富なクラムチャウダーをご紹介しました。

アサリをはじめとする貝類に含まれるミネラルやビタミンは、寒い季節を元気に乗り切り、春を迎えるためにもとても大切なものです。

水煮缶や冷凍のシーフードを使用するとさらに簡単につくることができるので、時間がない朝食にもおすすめです。

朝からいただく温かい一品は、体をしっかりと内側から温め、その日一日を元気に過ごす活力となりますよ。

この記事の作成者:真鍋 実穂(調理師)
この記事の提供元:シルバーライフ

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