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在宅で生活する要介護者に起こる、食事が「食べられない」理由とは

作成日:2023年9月11日

在宅で生活する要介護者に起こる、食事が「食べられない」理由とは

要介護者の方では、食事が食べられないという状況がしばしばみられます。

体調不良で食欲がなくなったり、歯が痛くて食べられないなどということは誰にもあることですが、要介護者の方の場合、どうして食べられないのか理由がはっきりとわからないこともあります。

要介護者の方々の「食べられない」理由について考えてみましょう。

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→【配食サービスは介護保険外、介護保険の申請方法と配食サービスの利用についてわかりやすく解説

要介護とはどんな状態?

要介護とは漢字の意味する通り、介護が必要な状態や人のことですが、「要介護」については、要介護認定に係る法令で定義されています。

要介護状態とは

要介護状態は「身体上または精神上の障害があるために、入浴、排せつ、食事等の日常生活における基本的な動作の前部又は一部について、厚生労働省令で定める期間にわたり継続して、常時介護を要すると見込まれる状態であって、その介護の必要の程度に応じて厚生労働省令で定める区分(要介護状態区分)のいずれかに該当するもの(要支援状態に該当するものを除く。)をいう。」と定義されています。

要介護者とは

要介護者は「要介護状態にある65歳以上の者」または「要介護状態にある40歳以上65歳未満の者であって、その要介護状態の原因が政令で定める特定疾病によって生じたもの」と定義されています。

要介護度

介護保険の要介護認定を受けると、介護の必要な程度によって要介護度がつき、介護保険が適用されます。

介護度は「要支援1・2」「要介護1~5」に分類されています。

要介護者の心身機能の変化と食事

要介護の状態になったからといって、必ずしもすぐに介護食が必要であったり、食事に介助が必要になるわけではありません。

しかし要介護者の多くは高齢者ということもあり、若い人と同じ食事を好まなかったり、食べにくいと感じる人もいます。

食事に介助が必要となる要素には加齢に伴う変化に加えて、次のような心身機能の変化があります。

身体機能

加齢に伴う関節の痛みや握力の低下などによって、買い物や調理が難しくなったり、箸などの食具が使いにくくなることがありますが、骨折や神経痛、リウマチやパーキンソン病などの疾患や、疾病の後遺症などによって四肢の機能が変化し、食事に必要な買い物や調理、食べるために必要な動作などに支障が生じることがあります。

また内臓の疾患によって臓器の機能が低下したり、治療のために臓器の一部を切除することや食事療法によって、食事に何らかの介助が必要となることがあります。

認知機能

認知症の発症などによって認知機能が低下することで、食事に介助が必要になることがあります。

買い物に行けない、調理の手順がわからないなど、食事の準備ができなくなったり、食具の使い方がわからない、自分の食事と他者の食事の区別ができないなど、食べ方がわからなくなることもあります。

また味がわからない、空腹感や満腹感、口渇がわからない、食べ物とそれ以外の物の区別がつかないなどは、誤飲や窒息などの事故につながったり、生命の維持そのものに悪影響を及ぼす可能性もあります。

認知機能

摂食嚥下機能

摂食嚥下機能は食べるために必要な心身の機能をいい、前述の身体機能や認知機能と重なる部分もあります。

「食べること」とは、まず目で見て食べ物かどうかを判断することから始まっていると考えられており、認知機能の低下によって食べ物かどうかが正しく判断できなくなると、食べることに配慮や介助が必要となります。

また噛むために必要な歯の欠損や筋力の低下、飲み込むために必要な筋力や各器官の協調動作に低下や不具合があることで誤嚥や窒息、誤嚥性肺炎などのリスクが高まります。

飲み込みにくい、むせるなど食事のときに疲労や苦痛があると、食事の拒否につながる可能性もあります。

要介護者の食事の注意点

要介護状態となっても、食事は生活に欠かせないものであり、何よりも毎日の楽しみのひとつです。

食事に介助が必要となっても、安全に楽しく食事を摂るために、家族やその周囲の人が注意することはどのようなことでしょうか。

尊厳を守る

介護は何でもやってあげることではありません。介護の原則は自立支援であり、それは食事についても同様です。

あくまでも要介護者本人が主体であり、その人の尊厳を無視した方法は適切な介護とはいえません。

しかし難しく考えることはなく、その人がそれまでやってきたことを、できるだけ続けられるように支援することを考えましょう。

例えば利き手で箸を使うのが難しくなったとき、他の食具を使う、介護用食器を使う、反対の手で箸を使う練習をする、など他にもいろいろな方法が考えられます。

心身の状態や環境によっても異なりますが、できるだけ本人の意思に従って、できないことを支援するのが理想的です。

低栄養

加齢とともに消化器官の機能が低下することで食欲が低下したり、一度にまとまった量を食べられなくなってくることがあります。

唾液や胃酸の分泌が低下したり、栄養の吸収能力も低下していくため、あっさりと食べやすいものや柔らかいもの、好きなものに偏ってしまうことがあり、低栄養を招く可能性があります。

1日3回の食事の他にも間食を上手に利用し、果物やヨーグルト、豆菓子などタンパク質やビタミン、ミネラルなどが補給できるものを選びましょう。

急に食事の量が減った、体重が減少した、元気がないなどの場合は、疾患の可能性もあるため、かかりつけの医師に相談してください。

誤嚥・窒息

誤嚥や窒息のリスクがあるのは要介護者に限ったことではなく、加齢に伴う摂食嚥下機能の低下は誰にでも生じている可能性がありますが、要介護度が高くなり、認知機能や摂食嚥下機能の低下が著しくなると、誤嚥や窒息のリスクも高まります。

食事を介助する場合は食べる方の体調や覚醒の状態を確認し、食事の姿勢や環境を整えた上で、摂食嚥下機能に合った食事形態に調整した食事が必要となります。

誤嚥・窒息

要介護者家族の食事の悩み

ある経腸栄養剤のメーカーが家族を介護している人を対象に行った「介護中の食事の悩み」の実態調査では、400人中50.3%が「食事介助」を負担と感じているという結果があります。

また前述のように食事に介助が必要となる要因はさまざまですが、状態によって必要な介助も異なります。

要介護度が高くなるほど食事にまつわる介護にストレスを感じる人の割合は高くなり、食事の準備や介助に多くの時間がかかるようになっています。

市販食品の利用

高齢者向けに栄養を付加した食品が、ドラッグストアなどでも購入できるようになっています。

しかし持病などによってはそれらが適さない場合もあるため、利用する際には医師や看護師、管理栄養士などに相談が必要です。

そのような特別な食品ではなくても、まずはスーパーやコンビニなどでいつでも購入できる食品から利用してみましょう。

ヨーグルトなどの乳製品やチョコレート、クッキーなど一般的な食品や菓子類の中にも、タンパク質やビタミン・ミネラル類を多く含むものがあります。

甘いものが苦手な場合は、冷奴や卵豆腐、カニかまぼこなども冷蔵庫に常備できて手軽に食べることができます。

市販の介護食や配食サービスの利用

噛んだり、飲み込んだりする機能が低下している場合には介護食が必要となりますが、家庭で介護食を作るのはなかなか手間のかかる作業です。

食事は毎日のことなので、家族と同じ食事に手を加えて作ることができればよいのですが、要介護者の状態によってはそれが難しいこともあります。

現在はドラッグストアなどでも介護食が購入でき、種類も豊富になっています。

レトルトなど保存がきく状態でも売られているので、常備しておくと調理の負担を軽減できます。

また配食サービスも栄養バランスが整っており、食事形態が調整されているものもあります。市町村の事業でも配食サービスや配食サービスに補助金があることもあるので問い合わせてみましょう。

市販の介護食や配食サービスの利用

栄養士・管理栄養士に相談

要介護度が高くなり食事が変化してくると、糖尿病や腎疾患など慢性疾患の食事療法のコントロールが難しくなることがあります。

またよく噛めない、むせ込むなどの症状によって食事形態の調整が必要となることもあります。そのような場合にはぜひ栄養士・管理栄養士に相談しましょう。

食事療法の指示が出ている場合はかかりつけの医師に現状を伝えたり、デイサービスやショートステイなどを利用している場合には、施設の職員に相談すると栄養士や管理栄養士につなげてくれることがあります。

また近くに栄養士・管理栄養士がいない場合は、各都道府県にある栄養ケアステーションで食事や栄養についての相談を受けているので問い合わせてみましょう。

要介護者の食事が「食べられない」理由

要介護者の多くは高齢者であり、加齢に伴う心身の変化によって食事にも変化が生じることがあります。

要介護者が「食べられない」理由はさまざまであり、その理由によっても必要な介助は変わります。

食事は毎日のことであり、介護をする家族にとっても負担となる可能性があります。

要介護者も介護者も安全に楽しく食事ができるように、市販品や市町村のサービス、栄養士や管理栄養士を活用しましょう。

この記事の作成者:S.M(管理栄養士)
この記事の提供元:シルバーライフ

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