介護食の種類は何があるのか?4つの種類・選び方について解説
作成日:2018年11月6日
「親が高齢になり、噛む力や飲み込む力などの衰えが心配・・」という方も多いのではないでしょうか。高齢者が快適に食事をするための介護食について聞いたことはあっても、どんな種類があるのかが分からず、もっとできる事はないのかとお悩みの方もおられるでしょう。
本記事では、介護食の種類についてわかりやすく説明し、実際に介護食を選ぶ際の基準(かむ力・飲む力の症状別)についても詳しく紹介しています。
ご両親のかむ力・飲み込む力に合った介護食で、毎日栄養バランスの整った食事を楽しんでもらうことは、精神的な満足と日常的な刺激にもなります。
ぜひ、適切な介護食選びで、ご両親の楽しい食事と健康のサポートにお役立てください。
介護食とは
介護食とは、高齢者などかむ力や飲み込む力が弱い方のために、食べやすいよう工夫された食事です。
人間は加齢と共に身体の様々な機能が衰えていきます。
ですが、かむ力や飲み込む力が弱くなったとしても、生きていくために食事は不可欠。毎日の介護食作りの負担を軽減するため、調理不要ですぐに食べられる介護食が、豊富に展開されています。
介護食の種類
介護食には、やわらかさや形状によって様々な種類があります。
日本介護食品協議会で制定された、ユニバーサルデザインフード(UDF)では、4つの区分に分けられています。
「区分1:容易にかめる」
・かたいものや大きいものはやや食べづらい
・普通に飲み込める
「区分2:歯ぐきでつぶせる」
・かたいものや大きいものは食べづらい
・ものによっては飲み込みづらいことがある
「区分3:舌でつぶせる」
・細かくてやわらかければ食べられる
・水やお茶が飲み込みづらいことがある
「区分4:かまなくてよい」
・固形物は小さくても食べづらい
・水やお茶が飲み込みづらい
このような区分をもとに、具体的な介護食の種類をご紹介します。
ミキサー食
ミキサー食とは、通常の料理や、やわらかめに調理したものをミキサーにかけてポタージュ状にしたものです。「区分4:かまなくてよい」に分類される介護食となります。
特徴
ミキサー食の特徴は以下のとおりです。
・ポタージュ状でかまずにそのまま飲み込める
・胃や腸などの消化器官に負担がかかりにくい
・エネルギーや栄養の吸収が素早く行われる
どんな症状におすすめか
歯が無かったり、かむ力がなかったりなど、さまざまな事情でかめない方や、かたまりが残っていると飲み込めないといった方におすすめです。
商品例
・きんぴらごぼう ミキサー食|旭松食品の通販オンラインショップ
あらかじめやわらかく煮込んだごぼうと人参を合わせ、きんぴら風のミキサー食にしたものです。同シリーズには他にも豆腐を使った料理など和風の味付けのものを中心に、さまざまなものがあります。
※出典:
きんぴらごぼう ミキサー食|旭松食品の通販オンラインショップ
流動食
流動食は、具なしのスープや重湯など液状の介護食を指します。「区分4:かまなくてよい」に該当します。
ミキサー食よりも更に消化器官への負担が抑えられますが、エネルギーや栄養素が少なく、必要な栄養を摂るには量が必要となります。
特徴
流動食の特徴は以下のとおりです。
・消化器官に負担がかからない
・寝たきりの方でも摂取しやすい
・完全な液状なので飲み込みやすい
どんな症状におすすめか
かむ力、飲み込む力がかなり衰えてしまった方、病気やその治療で消化器官が弱ってしまった方におすすめです。
商品例
・E-7セカンド|クリニコのEC(通販)サイト「アクトケア オンラインショップ」
タンパク質やナトリウムを豊富に含んだ栄養管理に最適な流動食です。
ヨーグルト風味になっており、凍らせた果物と合わせてミキサーにかけることで、スムージーなどへのアレンジも可能です。
※出典:
E-7セカンド|クリニコのEC(通販)サイト「アクトケア オンラインショップ」
ソフト食
ソフト食は、歯ぐきや舌で簡単に潰せる程度のやわらかさを持った介護食です。「区分2:歯ぐきでつぶせる」「区分3:舌でつぶせる」に該当します。
普通の食事よりもよく煮込んだり炊いたり、ムース状にして再形成したりといった手を加えることで、かみやすさ・飲み込みやすさを実現しています。
特徴
ソフト食の特徴は以下のとおりです。
・柔らかさの幅が広いので最適なものを選びやすい
・食塊状態なので飲み込みやすい
・舌や歯ぐきで簡単につぶして食べられる
どんな症例におすすめか
入れ歯であったり歯がなかったりするが、飲み込む力はあり、柔らかく簡単につぶせるものは食べられるという方におすすめです。
商品例
・ほたてのクリーム煮こごり|ソフト食通販 やわらかソフト食生活
新鮮なほたての貝柱を牛乳と生クリームで柔らかく煮込んだ、なめらかな食感のソフト食です。同じシリーズでとりの照焼やかれいなど、さまざまな種類があります。
※出典:
ほたてのクリーム煮こごり|ソフト食通販 やわらかソフト食生活
きざみ食
きざみ食とは、通常の食事を細かくきざんで食べやすくしたもので、「区分1:容易にかめる」に該当します。大きいものは食べにくくても、少し小さめに切ってあれば大丈夫、という方に食べやすくなっています。
特徴
きざみ食の特徴は以下のとおりです。
・かむ力に合わせて、きざんだ大きさを選べる
・食べやすくすると同時に、食感も楽しむことができる
・かむ力が弱くても食べやすい
どんな症例におすすめか
普通の食事が食べにくくなってきた、かむ力が弱くなってきたという方におすすめです。
また、開口障害があり大きなものを食べられないという方にも最適です。
商品例
明治 やわらか食 ごろっと野菜 【区分1】 なすとトマトのカレー 100g×12袋 | やわらか食 | 介護用おかず|Amazon
なす、人参、じゃがいも、たまねぎなど、たくさんの野菜が含まれた栄養満点のカレーです。とろみもあり、野菜はやわらかく煮込まれているので、かむ力や飲み込む力が弱くなった方でもおいしく食べられます。
※出典:
明治 やわらか食 ごろっと野菜 【区分1】 なすとトマトのカレー 100g×12袋 | やわらか食 | 介護用おかず|Amazon
介護食の選び方
ここまで、介護食の種類を紹介してきました。この中から最適な介護食を選ぶために、指標となる基準が存在します。
以下にて、最初でも触れたユニバーサルデザインフード、そしてスマイルケア食の2つの指標についてご紹介します。
ユニバーサルデザインフードの指標を活用する
ユニバーサルデザインフード(UDF)は、日本介護食品協議会が定めた規格のことで、4つの区分に別れています。2015年には区分登録数が1,784にものぼり、介護食を必要とする方が食品をより選びやすくなりました。
ユニバーサルデザインフードの4つの区分をあらためてご紹介します。
「区分1:容易にかめる」
・かたいものや大きいものはやや食べづらい
・普通に飲み込める
「区分2:歯ぐきでつぶせる」
・かたいものや大きいものは食べづらい
・ものによっては飲み込みづらいことがある
「区分3:舌でつぶせる」
・細かくてやわらかければ食べられる
・水やお茶が飲み込みづらいことがある
「区分4:かまなくてよい」
・固形物は小さくても食べづらい
・水やお茶が飲み込みづらい
区分1 容易にかめる
かたいものや大きいものはやや食べづらいが、普通に飲み込むことができるという方向けの食品です。柔らかめであったり、小さくきざまれていたり、といった加工がされているものが多いです。
区分2 歯ぐきでつぶせる
かたいものや大きいものは食べづらいが、ものによっては飲み込みづらいことがある方向けの食品です。やわらかく喉越しも良いものが多いです。
区分3 舌でつぶせる
細かくてやわらかければ食べられるが、水やお茶が飲み込みづらいことがあるという方向けの食品です。舌で潰せる程度のやわらかさから、ほぼ液状のものまでさまざまです。
区分4 かまなくてよい
固形物は小さくても食べづらく、水やお茶が飲み込みづらいという方向けの食品です。
スープやスムージーなど、液状のものです。
また、上記の4区分以外にも「とろみ調整食品」という、ちょうどいい「とろみ」を簡単につけるための食品もあります。
※参考
区分登録数推移|統計情報|日本介護食品協議会
自主規格について|日本介護食品協議会
スマイルケア食の指標を活用する
スマイルケア食とは、農林水産省が発表した指標で、2016年から始まりました。これまで介護食品と呼ばれていた食品の範囲を改めて整理した、新たな枠組みのことです。スマイルケア食では、以下の3つの識別マークがあります。
青マーク
かんだり飲み込んだりといった点に問題はないが、健康を維持するために栄養補給をする必要がある方向けの食品を指します。
黄マーク
かむことに問題がある方向けの食品で、さらに「容易にかめる食品」「歯ぐきでつぶせる食品」「舌でつぶせる食品」「かまなくてよい食品」の4種類に分かれています。
赤マーク
飲み込むことに問題がある方向けの食品で、さらに「少しそしゃくして飲み込める性状のもの」「口の中で少しつぶして飲み込める性状のもの」「そのまま飲み込める性状のもの」の3種類に分かれています。
まとめ
介護食と一口にいっても、種類によって細分化されています。
身体の状態や特に必要な栄養素などに配慮して、適した介護食を選ぶために、ぜひご紹介した指標を活用して下さい。
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